4限目 あなたの小説をもっと面白くする方法②(脚本)
〇講義室
蕾太「『クラスの落ちこぼれが、24時間後のテストで100点取れなければ、死ぬ』」
蕾太「設定は決まったけど、問題の解決法がわからない」
蕾太「主人公は一生懸命勉強して、目標を達成するはずだったんだ。落ちこぼれが24時間勉強しても、100点は不可能だし」
小雪「そもそも、『一生懸命勉強して』という解決策は普通すぎてつまらないと思っていたよ」
小雪「読者は主人公の勝利を期待している。だから、その期待には応えねばならない」
小雪「ただし、予想もできない方法でな」
蕾太「でも、『勉強する』以外にどうするんだよ!?」
小雪「たとえば、カンニングする。 あるいは、職員室の机から解答を盗んでくる」
蕾太「悪いことばっかり」
小雪「正攻法なら、頭のいい先輩や友達に頭を下げるという手段もある」
小雪「仲のいい奴に頼んでもおもしろくならないから、秀才とは折り合いが悪くて、一悶着あるといい」
蕾太「よし、じゃあそれでいこう」
小雪「却下。このアイディアは捨てだ」
蕾太「なんで!?」
小雪「頭をひねらず、最初に思い付いたアイディアだからだ」
小雪「自分が真っ先に思い付いたアイディアなど、他の作者も最初に思い付く」
小雪「下手をすれば、読者にも一瞬で想像がついてしまう」
小雪「だから、アイディアは涸れるほど出せ」
小雪「頭をひねってひねって、ひねりまくった末に出たアイディアで、やっと読者の想像の上を行けるのだ」
蕾太「うわぁ、しんどいな」
小雪「当たり前だ。作者が楽をして作った物語で、読者を楽しませられるわけがない」
蕾太「じゃあ、ひたすら考えるしかないのか」
蕾太「・・・・・・」
〇講義室
蕾太「ダメだ、解決策をまるで思いつかない!」
小雪「それでいい」
蕾太「なんで!?」
小雪「ひとまず解決策のない困難を書いてしまう、というのは、ストーリーを大きく膨らませるテクニックだ」
小雪「最初から解決策を考えてストーリーを作ると、どうしても話が小さくまとまってしまう」
小雪「だが、自分でも答えがわからない問題を作っておけば、予想もしなかった展開を書けるものだ」
小雪「とある大物小説家は、主人公を絶体絶命のピンチに追い込んだところでその週の連載を終えてしまうらしい」
小雪「そして、次週までにピンチを脱出する方法を必死で考えるのだ」
蕾太「えっ、それ思いつかなかったらどうするの!?」
小雪「才能のある人間は、そこまで自分を追い詰めるのだよ。もっとも、凡人にすすめられるやり方ではないがな」
蕾太「はぁ。オレには才能がないのかな・・・」
小雪「そんなことはないぞ。 才能については諸説あるが、私は『才能は作れる』と信じている」
小雪「君は才能がないのではない。 ただ、引き出しの数がまだ少ないだけだ」
蕾太「引き出し?」
小雪「プロになる人間は、恐ろしいほど大量の本を読んでいる」
小雪「おもしろい物語が自身の中に蓄積し、つもりに積もった末、外へとむけて飛び出していく。それが創作だ」
小雪「アイディアがゼロから生まれてくることはない。アイディアを生む人間はみな、それまでに大量のアイディアを取り込んでいる」
小雪「だから、引き出しのない人間がどれほど頭をひねっても、おもしろいアイディアは生まれないのだ」
小雪「さて。君は今まで、どの程度小説を読んできた?」
蕾太「うっ。あまり自信がない・・・」
小雪「ならば、今からでも読みたまえ。本を読んで、読んで、読み続けることでしか、引き出しを増やすことはできないのだから」
蕾太「本をたくさん読んだら、おもしろい小説が書けるのかな?」
小雪「読むだけでは書けない。 書くためには、たくさん書くことだ」
蕾太「何その『1=1です!』みたいな理屈!?」
小雪「真理だ。自転車の乗り方を教わっただけでは、自転車に乗れるようにならない」
小雪「物語に詰まったら、とにかく書くことだよ」
小雪「たとえ山のような没原稿を生み出そうとも、書いていくうちに新しい発見が生まれることもある」
小雪「書き進めなければ、物語は永遠に止まったままだ。とにかく、何か事件を起こすのだ」
〇講義室
蕾太「結局さ、『読む』『考える』『書く』ってことなんだな」
小雪「これに関しては裏技がないからな。 練習せずに上達する方法が知りたいなら、ネット検索してみるといい。絶対にないから」
蕾太「だよなぁ」
小雪「だが、練習すれば上達するというなら、希望があるではないか」
小雪「世の中、努力ではどうにもならないことも多い」
小雪「だが、たくさん読めば、君の考え方は確実に変わる」
小雪「たくさん書けば、君の小説は確実に上達する」
小雪「大丈夫。 君ならできるさ」
小雪「――必ず」
「売れる作家の〜」読んでます、なるほどパッと思いついたものは予想されやすい、と。
物語としては突如、現れたドラゴンの群れにより地上は人類の住むことが出来なくなった。ドラゴン、異世界から流れる魔素などに人類は激減し人類は地下にコロニーを建設した。そこから50年異世界から召喚されし者に地球の運命を託された。異世界に通ずる穴をふさぐために
と言う話は考えたことがあります。執筆進まなさそうですが。笑
パッと思い付いたアイデアをそのまま話にしてましたー😅
アイデアとは捻りに捻らねばならないのですね😭
勉強になります❗