不燃神~フネンガミ~

山本律磨

奇跡(脚本)

不燃神~フネンガミ~

山本律磨

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〇古びた神社
龍田「ここはもう廃墟だ。霊験なんてない」
龍田「そうだろう?神主さんよ」
御厨「え?」
御厨「ぼ、僕もうオールアップなんで帰る準備を」
龍田「ここは廃墟だろ?ああ?」
御厨「は、はい!廃墟でーす!神様とは一切関係ございませーん!」
御厨「では村の皆様、お先です!」
剣持「御厨!てめえ!」
MEGU「私服チャラいんじゃ!」
龍田「おい役場。俺達はもう限界なんだよ」
龍田「この静かな村を変質者共にぶっ壊されてよ」
龍田「取材とか来て恥晒してよ」
龍田「お年寄りや子供も穏やかに暮らせないだろ」
剣持「・・・」
勝「ぼ、僕達~」
紀代子「わたしたちは~ぜんぜんそんなこと~」
龍田「か・え・っ・て・べ・ん・き・ょ・う」
龍田「しーよーうーね――――――――――!」
紀代子「ひいっ!ごめんなさあい!」
龍田「なあオッサン。俺、聞きたいことあったんだよな」
ハンザキ「・・・」
龍田「善良で平凡な一市民として質問したいんだけど」
龍田「あんた、ここをゴミ塗れにして何がしたかったんだ?」
ハンザキ「それは・・・」
龍田「構ってほしかったの?」
龍田「ここを賑やかに飾り付けたらみんな集まってきて楽しいな~ってか?」
龍田「ふざけんなよ」
龍田「女房子供に捨てられた、寂しいオッサンの相手するほどみんなヒマじゃねえんだよ」
龍田「つか、俺達もアンタの奥さんや子供と同じ気持ちだ」
龍田「出てけ」
ハンザキ「・・・」
龍田「ほんとほんと。マジで。マジ、出てって下さい」
龍田「お願いしますお願いします。マジで、マジキモいんで」
龍田「マジ出てって下さい。そんで早くどっかで死んで下さい」
龍田「つって」
ハンザキ「・・・」
龍田「さてと、取り壊すぞ~青年団諸君」
「・・・」
龍田「え?聞こえなかった?」
龍田「ボーッとしてたら俺が罰当てちゃうぞ~」
龍田「とっとと動けよコラァァァ!」
MEGU「・・・」
龍田「なんだ?まだいたのか?」
龍田「早くこのキチ○イ女連行してくださいよ~刑事さ~ん」
MEGU「罰当たりはお前だ」
龍田「あ?」
MEGU「ここから出て行くのもお前だ」
MEGU「ここは聖域」
MEGU「私の家」
MEGU「穢れた悪め。疾く消えよ」
龍田「はあ~」
龍田「もういいっつってんだろ、学芸会は」
龍田「罰?」
龍田「当ててみろよ」
龍田「この詐欺師が!犯罪者が!やれるもんならやってみろ!」
龍田「どうしたおい!やれよ!早くやれよ!」
龍田「コスパだよコスパ!早く早く!」
龍田「とっとと罰、当てちゃって下さいよ~女神サマ~!」
龍田「アヒャハハハハハーーーーーーーーッ!」
MEGU「・・・」
MEGU「・・・」

〇古びた神社
剣持「空が・・・」
環「晴れた」
ハンザキ「・・・」
龍田「だ、だから何だ!このアマ!」
ハンザキ「おいやめろ!」
MEGU「よい。半崎」
MEGU「神罰は下った」
龍田「ああ?」
龍田「もしもし?」
龍田「うん、もうすぐ終わるから」
龍田「え?」
龍田「どういうこと?」
龍田「いきなり何?」
龍田「え?」
龍田「へ?」
龍田「は?」
龍田「そ、そりゃ確かに最近ちょっと忙しかったけど」
ハンザキ「な、なんだ?誰と話してる?」
西川「多分、新婚の奥さんじゃないっすか?」
龍田「ちょ、ちょっと待って!」
龍田「サヨナラってどういう事?」
龍田「な、なあ!待ってくれ!」
龍田「話し合おう!ゆっくり話し合おう!」
龍田「え?コスパ?嫌だ!コスパ嫌だ!」
龍田「待ってくれ!アニータ―ーーーーーー!」
ハンザキ「アニータ?」
西川「国際結婚なんです」
龍田「どこだ、今どこだ?」
龍田「お、おい!そこに誰かいるのか?」
龍田「なんだその飛行機の離陸音は?」
龍田「誰だ?カルロスって誰だ!」
龍田「待ってくれ!捨てないでくれアニータ!」
「うおおおーーーッ!アニータ―ーーッ!」
「・・・」
MEGU「はーい。天罰おわりー」
MEGU「ふむ、気づいたらもう桜が咲いておるの」

〇古びた神社
MEGU「まさにハレの日。祭りは始まったばかりぞ」
MEGU「さあみなもの、我を崇め奉れ」
MEGU「そしてひれ伏せ」
  女神 is 天探女
ハンザキ「もしもし」
  『お父さん』
ハンザキ「ああ」
  『私、学費なんていらないから』
ハンザキ「分かってる」
ハンザキ「もう、分かってる」
  『それより今度、食事でも行かない?』
ハンザキ「え?」
  『お母さんと三人で・・・』
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「・・・ああ、分かった」

〇グラウンドのトラック

〇古びた神社
御厨「フッ・・・みんな楽しそうで何よりだ」
御厨「あの子、本当に女神なのかも知れないね」
御厨「さてと、君もそろそろ終業の時間じゃないかい?」
御厨「いつも忙しい僕だけど、このあとは珍しく時間があるんだ」
御厨「というわけで二人で夜のアバンチュールを」
御厨「すみませんすぐ帰ります」

〇田舎道
龍田「うおおおアニータ―――――!」
龍田「捨てないでくれ――――――!」
龍田「カルロスって誰――――――?」
龍田「パンクした――――――――!」
龍田「おのれー!カルロ―――ス!」

〇古びた神社
剣持「連れてくのって、任意なんですか?」
猫上一也「ええ、まあ・・・」
剣持「だったら今日は勘弁してあげて下さい」
猫上一也「しかし・・・」
犬塚伝七「まあ、いいでしょう」
猫上一也「先輩!」
犬塚伝七「今日のところは、だ」
  『おっしゃあ!勝ったあああああ!』

〇闇の闘技場
MEGU「わーっはっはっは!」
MEGU「我こそ絶対無敵最強女神MEGUなるぞ!」
MEGU「畏れよ崇めよ奉れよ!そしてひれ伏せ!」

〇古びた神社
MEGU「酒もってこーーーーーーーーーーーい!」
  つづく

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