後輩君は何かがおかしい。

гипноз

いつもの日常だと思ったのに。(脚本)

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  お兄ちゃんを・・・信じないで・・・!
  貴方はきっと狙われるから..!
  滝野・・・瀬・・・雫・・・を・・・信じな・・・いで!

〇おしゃれなリビング
  ──っ!?
  吐き気に襲われ、咄嗟に飛び起きた。
  あの少女は・・・誰?
  ・・・うぐ・・・
  未だ気持ち悪いが、
  さっきよりかはましである。
  今日は新人だって来るのだ。
  これごときでくたばっててはいられない。
  (そろそろ・・・準備しなきゃ・・・)
  (朝ごはん食べられるかな・・・?)

〇川に架かる橋
  (結局何も食べられなかった・・・)
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「わ、死にかけの人間さんおると思ったら藍沢さんやないの。どしたん?」
  彼は九条真尋。
  一応同期に当たる不思議な人だ。
  「実は朝ごはん食べれてなくて・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「藍沢さんって朝飯食ってたん!?」
  「流石に食べますよ・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「・・・藍沢さんほっそいから食べてへんかと思ってたんや」
  「ちゃんと一日三食べてますって。」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「ちなみに聞くんやけど・・・ 一日三食何食ってるん?」
  「大体はサプリメントかカロリー○イトですかね。」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「そんなことだろと思たわ・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「・・・って、そんなこと言っとる場合じゃないやん!今日忘れとったけど新人研修の日やで、藍沢さん担当なっとったやろ!?」
  「あー・・・確かそうでしたね。」
  「真尋さんも補佐担当だった気が・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「せや!とっとと行かんと社長にどやされてまう・・・!!藍沢さん、急ぐで!」
  「え、ちょっと・・・待ってください!」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「待てるわけないやろ!」

〇オフィスのフロア
  あれから全速力で真尋さんについていくこと数十分。 
  何とか新人の来る前に会社につくことができた。
  「はぁ・・・はぁ・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「何とかなるもんやなぁ・・・。 これでお互いどやされる心配性ゼロや..!」
  「これじゃ体力持たないですって・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「確かに・・・それもそやな・・・」
神喰 葵 (かみじき あおい)「わ、おはよう二人とも」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「・・・って社長やんけ!? オハヨウさんです~・・・」
  「お、おはようございます・・・」
神喰 葵 (かみじき あおい)「あれ、今日は藍沢君も一緒なの?」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「今日担当同じところやけん、 効率的にやる方法を話しながら来たんやけど・・・」
神喰 葵 (かみじき あおい)「来たんだけど・・・?」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「途中で変なおっさんに絡まれてなぁ、 全速力で走って逃げてきたから結構疲れとんねん、俺ら・・・」
神喰 葵 (かみじき あおい)「それ、大丈夫だったの? 抹消すべき?」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「いや、社長のお手下しは必要あらへん。 後は下っ端が何とかしてくれるやろ?」
  「もうすでに粛清済みだそうです。」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「・・・らしいわ。」
神喰 葵 (かみじき あおい)「なら大丈夫そうだね~。」
神喰 葵 (かみじき あおい)「じゃあ、その調子で研修会も頑張ってね。」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「アハハ・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「あー・・・ 一回話すだけで疲れんねんあの社長。」
  「言ってることは真っ当(?)なんですけどね・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「何かやる気なくなってもうた・・・ 新人ちゃんたち来るまで寝とるさかい、藍沢さんは備品整理でもしといてや~・・・」
  「え、あ、はい。」

〇備品倉庫
  あれから、かれこれ十数分。
  備品整理も終わりかけの時だった。
  ピーンポーンパーンポーン・・・
  (・・・放送?)
  新人研修会担当者の方は急遽、会議室までお越しください。
  (もうそんな時間・・・)
  (さて、移動しますか・・・)

〇綺麗な会議室
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「藍沢さん・・・やっと来てくれたん?」
  「・・・えっ?待たれてたんですか?」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「今年の新人ちゃんたち・・・相当にヤバいねん。俺でも手ぇつけられへん・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「特にな・・・ 滝野瀬って子がヤバいねん。 社長の言うことすら聞かへんもん」
  「しゃ、社長の言うことまで・・・!?」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「せやねん・・・。 んで、誰の言うことなら聞くんや?って聞いたら・・・」
  「私の名前が出てきた・・・と?」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「・・・そうなんよ。 だから、待っとったん。」
  「でも何で私の名前が・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「・・・それが分かれば苦労しないねん。」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「まぁ、藍沢さんなら何とかなるやろ? よろしく頼むわ。」
  「できるだけはやってみます・・・」
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「そう、その意気やで!」
  その意気、と言われても困るのだが。
九条 真尋 (きゅうじょう まひろ)「新人ちゃんたちは隣の部屋にいるさかい、上手いことやってや~・・・」
  「了解です・・・」

〇小さい会議室
  「失礼します・・・」
月守 煌良(つきもり あきら)「あ、担当の方ですか・・・?」
  「はい。交代という形で研修会担当者になりました、藍沢です。」
月守 煌良(つきもり あきら)「僕は月守といいます。 今日はご指導のほど、よろしくお願いします」
  「こちらこそ、よろしくお願いします。」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「お、まさか担当交代? あの人話早すぎて理解不能だったから丁度良かったわ~♪」
月守 煌良(つきもり あきら)「ちょっと、何言ってるんですか。 折角説明していただいてたのに・・・!」
  「あ、あの・・・」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「あきらっち真面目すぎだっての! もうちょい気楽に──」
「あっ、藍沢さーん!!」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「え、え?何!?いきなり何!?」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「藍沢さん、お久しぶりです♪」
  (久しぶり・・・?)
  私は・・・この子を知らない。
  過去に会ったことも、すれ違ったことさえもないはず・・・
  「え、えっと・・・君は・・・」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「あれ、もしかして僕のこと忘れました? 滝野瀬です、滝野瀬雫」
  「滝野瀬・・・雫・・・」
  あれ、この名前・・・どこかで聞いたような・・・
  でも一体どこで・・・?
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)((ま、忘れてても仕方ないか))
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「・・・いや、今言っても混乱させるだけでしたね。ごめんなさい。」
  「え、いや・・・こちらこそ思い出せなくてすいません・・・」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「これから仕事一緒にしていくうちに思い出してくれれば──」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「ちょっとちょっと!? いきなり出てきてそっちだけの世界に入られるの、すっごく困るんですけど!?」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「・・・ごめんなさい。」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「ごめんで済まされると思ってるわけ!?」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「いや・・・」
月守 煌良(つきもり あきら)「二人とも一旦落ち着いてください・・・!」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「・・・はい。」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「・・・ごめん、ついかっとなって」
月守 煌良(つきもり あきら)「全く・・・」
  「・・・研修、始めていいですか?」
月守 煌良(つきもり あきら)「あっ、ごめんなさい! よろしくお願いします!」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「よろしくお願いします・・・」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「えへへ、よろしくお願いします♪」
  「じゃあ、始めますね。」

〇小さい会議室
  約一時間後・・・
  「えっと、これで以上になります。」
月守 煌良(つきもり あきら)「とても分かりやすかったです、ありがとうございました!」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「これで困らずに仕事できるわね。」
月守 煌良(つきもり あきら)「牡丹さんの言う通りです。 明日から精一杯頑張らせていただきます!」
  「今後困ったこと、相談したいこと、分からない事なんかがあったら私か九条さんに聞いてくださいね。」
月守 煌良(つきもり あきら)「はい、わかりました。」
月守 煌良(つきもり あきら)「では、失礼させていただきます!」
香坂 牡丹(こうさか ぼたん)「じゃ、私も失礼しまーす。 これからよろしくお願いしますね♪」
  「気をつけてね~・・・」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「藍沢さん♪」
  「あれ、滝野瀬君まだいたの?」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「いや・・・あの二人ちょっと苦手で・・・」
  「あー・・・なるほど。」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「だから二人が帰るまで待ってたんです。」
  「そうなんだ・・・入社初日から大変だね。」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「いや、全然平気ですよ!」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「だって・・・」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「藍沢さんに会えたんですから・・・」
  その瞬間、
  得体の知れない寒気が体を襲った。
  この感じは一体・・・?
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「──さん、藍沢さん!?」
  「え、あぁ、ごめん・・・」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「平気ですか?顔色悪いですけど・・・」
  「・・・ちょっと睡眠不足みたい。」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「・・・そう・・・ですか。」
滝野瀬 雫(たきのせ しずく)「えっと、じゃあ僕も失礼しますね。 また明日~」
  「気を付けてね~・・・」
  「はぁ・・・」
  なんだか今日は不思議なことばっかりだ。
  (これからの日常・・・どうなってしまうんだろうか・・・)
  そんな考えが頭をよぎった。

次のエピソード:思い出さずとも

コメント

  • 冒頭の「お兄ちゃんを信じないで」「滝野瀬雫を信じないで」という夢の言葉がキーポイントですね。主人公の藍沢の姿が読者に隠されていることもあって、得体の知れない不安感とそこはかとなく不穏な雰囲気が漂うストーリー展開に釘付けでした。「何かがおかしい」の「何か」が猛烈に気になります。

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