ステージで歌う

タヌキ山

第6話 初めまして(脚本)

ステージで歌う

タヌキ山

今すぐ読む

ステージで歌う
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇オフィスの廊下
  スタジオに着いた私達は、収録前に挨拶回りをしていた。
飯坂 新「『ヴァイスキルト』です。 本日はお世話になります」
神埼 咲「サ、サクヤと申します!! よろしくお願い致します!!」
  私は本名は恥ずかしいので、自分の名前からとった『サクヤ』と言う芸名を名乗ることにしていた。
四宮 夏樹「ナツキです。 またお世話になります」
  四宮君は四宮夏樹からナツキと言う名前でアイドルとして活動していくそうだ。
  そして──
神埼 咲(とうとう来てしまった・・・)
飯坂 新「『sunrise』で最後だな。 二人ともここだ」
  コンコン
  私は覚悟を決め、扉が開くのを待った。

〇コンサートの控室
  結局、『sunrise』の二人は控え室に居らず、返事がなかったため私達は戻ってきた。
神埼 咲(会えなくて残念なような、少しホッとした様な・・・ 変な感じだな)
  控え室に戻ってきたが私は落ち着けるはずもなく、部屋の中を何度も往復していた。
神埼 咲(うぅ、緊張してきた)
飯坂 新「二人とも準備はいいか? スタジオに移動するぞ」
神埼 咲(もうそんな時間!?)
神埼 咲(歌詞間違ったらどうしよう。 そもそも私、歌えるのかしら)

〇綺麗なリビング
静かな男の子「咲には無理じゃないかな・・・?」
静かな男の子「向いてないよ・・・」

〇コンサートの控室
神埼 咲(ダメ、今思い出したら──)
四宮 夏樹「神埼さん、俺の手握ってみて?」
神埼 咲「?」
  握った手からは徐々に暖かさが伝わってきた。
  緊張から冷えきった私の手足が少しずつ暖かさを取り戻していった。
四宮 夏樹「俺さ、初めての撮影の時は緊張して頭真っ白になったんだ」
四宮 夏樹「んで、撮影も台詞噛みまくって何度もNG 出した」
神埼 咲「四宮君が・・・?」
四宮 夏樹「俺も人間だから失敗ぐらいするよ」
四宮 夏樹「NG出すだけでも慌てたのにそれが連発。 もう無理、逃げたい!!って思った」
四宮 夏樹「けどさ、周りのスタッフや主演者の人が助けてくれた」
四宮 夏樹「つまりさ──」
四宮 夏樹「何かあっても俺が絶対に何とかしてやるから」
四宮 夏樹「歌詞間違っても、音外しても、歌ってる時に転んでも・・・」
四宮 夏樹「絶対に俺が助けるからさ。 神埼さんは一人じゃない」
神埼 咲「あ・・・ 私、私・・・」
四宮 夏樹「俺、皆に神埼さんの歌聞いて欲しい」
神埼 咲「うん、私も皆に聞いて欲しい」
四宮 夏樹「なら、やることは決まってるだろ?」
  私は涙を拭いた。
  もう泣かない、逃げようとしない。
神埼 咲(私は、一人じゃない!!)

〇テレビスタジオ
MC「『学園Girls²』の皆さん、ありがとうございました!! いやー、可愛らしい歌と振り付けでしたね」
逆井 拓「そうですね!! 衣装も制服で学園をモチーフにしてるんでしょうね」
逆井 拓「雪、俺達も制服で踊ってみる?」
逆井 雪「何歳だと思ってるんだ。 もう現役は過ぎてるぞ」
MC「ははは!! お二人ならどんな衣装でも似合いそうですよ!!」
MC「さて、お次はもうすぐデビューの期待の新人。 『ヴァイスキルト』のお二人です!!」
「こんにちわ、『ヴァイスキルト』です!!」
「!?」
逆井 拓(咲!? どうして、どうしてだ!?)
逆井 拓(なんでお前がこんなところにいるんだよ!!)

次のエピソード:第7話 届け、初めての歌

ページTOPへ