#2 俺が優海で優海が俺で(脚本)
〇女の子の部屋
音夢(ネタム)「なな、何で俺が優海になっているんだ!?」
音夢(ネタム)「どうして・・・!?」
音夢(ネタム)「あれ、体がダルい・・・」
音夢(ネタム)「ウーン」
(そうだ。昔から優海って、低血圧で朝は弱いんだった)
これは、夢じゃない現実だ。
「優海起きている!?」
「大変なのよ!」
「隣の家の音夢クンが、通り魔に刺されて病院に運ばれたんだって!!」
「千代さんはもう高齢だし、町内会でお手伝いを出す話になったんだけど」
「アンタ、行ける?」
音夢(ネタム)「俺が刺されて病院!?」
「どういう聞き間違い!?」
〇総合病院
〇田舎の病院の病室
千代(チヨ)「あら、優海ちゃん! お久しぶり」
千代(チヨ)「音夢のために、来てくれてありがとうね」
千代(チヨ)「あのコも目が覚めたら、喜ぶと思うんだけど・・・」
音夢(ネタム)(自分が寝ているのを見るのって、 不思議な気分だな)
音夢(ネタム)(これはつまり)
音夢(ネタム)(俺が優海で、優海は俺になったということなのか!?)
音夢(ネタム)(話がしたいけど、これじゃあ・・・)
音夢(ネタム)「一体、音夢に何があったんですか?」
千代(チヨ)「通り魔に刺されて、公園で倒れていたらしいよ」
千代(チヨ)「幸い、巡回中の警官に発見されて病院に運ばれたけど」
千代(チヨ)「意識がまだ戻らないの」
音夢(ネタム)「犯人は捕まったの?」
千代(チヨ)「防犯カメラの無い公園だったから、どんな人かもまだ分からないみたい」
音夢(ネタム)「そんな・・・」
千代(チヨ)「大丈夫! 音夢は根性悪いコだから」
千代(チヨ)「昔から言うだろ? 馬鹿と悪人は長生きするんだとさ!」
音夢(ネタム)「ばあば、心配かけてゴメンね」
千代(チヨ)「ん?優海ちゃんが謝ることないさ」
音夢(ネタム)「そうだった! えーと・・・」
音夢(ネタム)「千代さんだけで付き添いは大変だから、私と交代でやらない?」
音夢(ネタム)「ママにもね、千代さんを手伝いなさいって言われたんだ!」
千代(チヨ)「みんな優しいね。 音夢の両親が生きていたら良かったのに」
音夢(ネタム)「うちの町内会は、みんな家族みたいなモンだよ!」
音夢(ネタム)「遠慮せずに頼ってほしいな!」
千代(チヨ)「ありがとね」
千代(チヨ)「それじゃあ、明日はお願いしようかね」
音夢(ネタム)「どんと任せて!!」
音夢(ネタム)「ゆ、じゃない・・・音夢も頑張れよ!!」
千代(チヨ)「・・・」
千代(チヨ)「しばらく見ないうちに雰囲気変わったね」
千代(チヨ)「あんなに勇ましい娘さんだったかねえ」
〇大きい病院の廊下
音夢(ネタム)「緋色!」
音夢(ネタム)「ど、どうしてココに?」
緋色(ヒイロ)「優海こそ、音夢のお見舞いだろ?」
緋色(ヒイロ)「母さんが行けってうるさくてね」
緋色(ヒイロ)「アイツの両親が事故で亡くなった時、よくウチに泊まりに来ていたんだ」
緋色(ヒイロ)「ウチの母さんもいつまでも昔のイメージしかないから、」
緋色(ヒイロ)「まだ音夢のこと、息子みたいに心配なんじゃないかな」
音夢(ネタム)(茉莉さん、ありがとう・・・!)
音夢(ネタム)「ネ、音夢クンは意識が戻っていないから、病室行っても空振りだよ」
緋色(ヒイロ)「そうか・・・」
緋色(ヒイロ)「何でこんなことになったんだ・・・」
音夢(ネタム)「ゴメン。 急いでいるから、また今度話そう」
緋色(ヒイロ)「あ、ああ」
緋色(ヒイロ)(今はクリスマスの返事貰えるシチュエーションじゃないな)
〇川沿いの公園
音夢(ネタム)「俺が刺された現場だ」
音夢(ネタム)「通り魔に刺された後に、 俺と優海は入れ代わった」
音夢(ネタム)「因果関係があるのか?」
音夢(ネタム)「犯人を捕まえれば、 何か分かるかもしれない」
音夢(ネタム)「顔は帽子とマスクでハッキリ見えなかったけど、男なのは間違いない」
音夢(ネタム)「そして倒れた後、」
音夢(ネタム)「犯人と優海の会話が微かに聞こえた」
音夢(ネタム)「犯人は、優海と面識がある!」
音夢(ネタム)「犯人は必ず、俺が捕まえてやるぜ!」
音夢(ネタム)「まずは聞き込みだ!」
通行人「不審者ですか?」
通行人「見ていないです」
通行人「通り魔が出たの?怖いなあ」
通行人「見かけたら教えるから、 君の連絡先も教えてくれる?」
通行人「最近、この公園で変な人を見たかって?」
通行人「そういえば」
通行人「何日か前に、カメラを首からかけた怪しいオジサンが、」
通行人「ブツブツ喋りながら、ウロついていたよ」
音夢(ネタム)「何時くらいに見たの?」
通行人「塾に行く前だから、16時すぎだったかな」
音夢(ネタム)(よし、夕方から夜までの時間帯で、カメラ男をマークだ!!)
〇川沿いの公園
音夢(ネタム)「──」
音夢(ネタム)「もう3日もココで張り込んでいるのに」
音夢(ネタム)「カメラを持っているヤツすら見当たらない」
音夢(ネタム)「優海と面識があるなら、いつか接触してくると思ったけど・・・」
音夢(ネタム)「考えが甘かったな」
音夢(ネタム)「何か重要なコトをアイツが優海に言っていたハズだ」
音夢(ネタム)「何だったかな」
音夢(ネタム)「クソッ! 仕切り直すか・・・」
〇女の子の部屋
音夢(ネタム)「ハアッ」
音夢(ネタム)「今日も何も解決できなかった・・・」
音夢(ネタム)「優海も意識が戻らないし」
音夢(ネタム)「ウー!」
音夢(ネタム)「何なんだよ、チクショー!」
音夢(ネタム)「いつもなら、小説書いたら頭がスッキリするけど」
音夢(ネタム)「今はムリだな・・・」
音夢(ネタム)「誰かの小説でも読んで、 気持ちを切り替えよう!」
音夢(ネタム)「そういえば、いつも悔しくて緋色の小説は読まないけど」
音夢(ネタム)「読んでみるかな」
音夢(ネタム)「今は俺、優海だし・・・」
音夢(ネタム)「ちょっとだけ、見てみよう」
音夢(ネタム)「──」
音夢(ネタム)「──アハッ」
音夢(ネタム)「なるほどね」
音夢(ネタム)「──!?」
音夢(ネタム)「──」
音夢(ネタム)「──嘘だろ」
音夢(ネタム)「こんなの、切なすぎる」
音夢(ネタム)「・・・」
音夢(ネタム)「スゲェわ!!」
音夢(ネタム)「いつも悔しくて、アイツの作品を読んだことが無かったけど」
音夢(ネタム)「完敗だぜ」
音夢(ネタム)「最後の表現は多分、主人公への友情を取り戻す前フリだと思うんだけど」
音夢(ネタム)「この解釈で合っているのかな?」
音夢(ネタム)「・・・コメントして、確かめたい」
音夢(ネタム)「別アカ作って、名無しにしたらバレないよな」
〇男の子の一人部屋
緋色(ヒイロ)「あ〜イライラするッ!」
緋色(ヒイロ)「頭の中がゴチャゴチャして、筆が進まない」
緋色(ヒイロ)「音夢のことや優海のこと」
緋色(ヒイロ)「音夢・・・早く起きろよ!!」
緋色(ヒイロ)「オマエの嫌味聞かないと、アドレナリンが出なくて執筆が進まないよ」
緋色(ヒイロ)「受賞してから、 コメント通知が多いなぁー」
緋色(ヒイロ)「新規の人かな?」
緋色(ヒイロ)「うわあ、的確・・・」
緋色(ヒイロ)「そうなんだよ!」
緋色(ヒイロ)「ライバルは実は主人公と親友だったから、本当は仲直りしたかったんだよね」
緋色(ヒイロ)「このコメントは嬉しいなあ!」
緋色(ヒイロ)「早速、コメント返ししよう!」
〇川沿いの公園
音夢(ネタム)「・・・今日も空振りか」
音夢(ネタム)「考えろ、俺」
音夢(ネタム)「順番に、あの日のコトを整理しよう」
音夢(ネタム)「俺は配達の仕事の帰りに、公園で弁当を食べていたら」
音夢(ネタム)「緋色が優海に告白する場面に遭遇した」
音夢(ネタム)「その場を離れた俺に気づいた優海が、走って追いかけてきて」
音夢(ネタム)「木陰に逃げこもうとした俺を、犯人がナイフでいきなり刺してきたんだ」
音夢(ネタム)「あの時に居た人間は」
音夢(ネタム)「俺、優海、犯人・・・」
音夢(ネタム)(あの時、意識が遠くなる前に、何か大事なコトを聞いたんだ)
音夢(ネタム)(思い出せ・・・)
〇川沿いの公園
僕は正義のお助けマンだよ!
君専用のね♪
〇川沿いの公園
音夢(ネタム)「犯人が分かったぞ!」
音夢(ネタム)「でも、俺だけじゃダメだ!」
音夢(ネタム)「悪いけど、アイツに協力してもらおう!!」
音夢(ネタム)「もしもし〜? 今、暇だよね?」
音夢(ネタム)「え? 声がいつもより大きい?」
音夢(ネタム)「ゴメンあそばせ」
音夢(ネタム)「とにかく早く会いたいから、急いで公園に来てね、緋色クン♥」
???「・・・!!」
わー!!!✨面白いです!!!続きが気になります!!!✨🥰読ませていただきます!!!✨
男女入れ替わりのまたミステリー要素も入ってて…人間模様も良いですね✨😆
今後どうなっていくのか!?犯人は誰なのか!?気になります!!✨☺️
入れ替わりものって男女の中身が変わって勇ましくなるが面白くていいんですよね〜あとはネタム(優海)が目覚めた時の反応とかも今後楽しみ。(自分もいつか続き書かなきゃ)
最後に犯人らしき人物出てきましたね。前作のミステリー作品とても面白かったんで今回も期待です👍
入れ替わりモノということで、ラブコメ的展開もあるのかなーと思いきや、何と骨太なサスペンス✨ 友情・三角関係という基軸と、この謎の追求という緊張感が共鳴して、タマラナイ空気感ですね😊
優海ちゃん(in音夢クン)、ウチの”アレ”と同じお顔をしているのに、どうしてここまでキャラの魅力が違うのかなぁ🤔