不燃神~フネンガミ~

山本律磨

浄化(脚本)

不燃神~フネンガミ~

山本律磨

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〇古びた神社
ハンザキ「あまてらす・・・ひめみこ?」
犬塚伝七「勿論、本名じゃない」
犬塚伝七「ああいいうのって何て言うんだ?芸名?」
MEGU「・・・」
犬塚伝七「お父さんもお母さんも・・・教団幹部全員捕まってるんだ」
犬塚伝七「君自身も戻るべき場所に戻りなさい」
ハンザキ「教団・・・」
犬塚伝七「薄々気づいてきましたか」
犬塚伝七「彼女はとある街の、小さな詐欺集団の一員です」

〇裁きの門
  『と言ってもそいつらは家族ぐるみで宗教の真似事をやっていたにすぎません』
  『当時未成年だった彼女は親の犯罪に利用されていただけと言うべきでしょうが』

〇古びた神社
犬塚伝七「教祖として祀り上げられた天照姫御子は、教団解体後更生施設に預けられていたのですが先日そこを抜け出し行方不明になったんです」
ハンザキ「本当なのか?」
犬塚伝七「ネットで動画を挙げたりローカルニュースで取り上げられたり、まあ、悪事を働く気もコソコソ隠れる気もないんだろうけど」
ハンザキ「答えろ」
犬塚伝七「あるいは教祖としてチヤホヤされてた生活が忘れられなかったか?」
犬塚伝七「そういう気持ちはまあ分からんでもないが施設の人達も心配してるんだ」
犬塚伝七「承認欲求ゴッコもこのあたりで・・・」
ハンザキ「うるせえ!ちょっと黙ってろ!」
ハンザキ「若い女に付き纏うヒマがあったら書類整理でもしてやがれ!法の番犬が何もしてねえ善良な市民の前に現れるんじゃねえ!」
猫上一也「おい、口のきき方に気をつけろ!」
猫上一也「犯罪を未然に防ぐのも我々の仕事だ!」
ハンザキ「未然防止なんざ、お前らのさじ加減じゃねえか!」
ハンザキ「こいつが何をした!?今から何をする!? こちとら税金払ってんだ!納得のいく説明をしてもらおうじゃねえか!」
MEGU「地主」
MEGU「イライラしないの」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「あの踊り・・・教団の踊りか?」
ハンザキ「詐欺・・・いや、新興宗教の・・・」
御厨「いかにも。では、ここから先は私がご説明しましょう」

〇サイバー空間
御厨「謎は全て解けた」
御厨「浅薄なことだ」
御厨「一時くらいなら誤魔化しがきくとでも思ったのでしょう」
御厨「だが本職である私の目は騙せなかった」
御厨「彼女の舞はどこの神楽でもない!」
御厨「まさにそのカルト・・・いや、詐欺集団が偽造した神楽・・・いや、お遊戯!」
御厨「そう!欺けないのだよ!諸君!」
御厨「この御厨の目は・・・ いや、天才の目は・・・ いや、最強の目は・・・ いや、神そのものの目は・・・ いや、宇宙・・・」

〇古びた神社
御厨「で、では説明終わりま~す」
剣持「出番も終わりよ」
御厨「御厨さん。オールアップでーす」
MEGU「ゴメンね、環ちゃん」
環「いいよ。別に」
環「所詮スポーツマンなんて、みんなロリコンやからね!」
  あくまでも個人の感想(負け惜しみ)です
龍田「全くとんでもない女ぜよ。俺の村・・・」
龍田「い、いや。みんなの村にカルト宗教を広めようとしてたなんて」
犬塚伝七「いやそこまで大それた事は考えてなかったと思いますが」
龍田「部外者は口ださんでくれますかいの?ここからはワシらの問題じゃき」
龍田「何が女神じゃ。お前はただの詐欺師じゃ」
龍田「その子だけじゃない!村のみんなに謝らんかい!」
龍田「ご迷惑をおかけしました!お騒がせ致しました!そう、手をついて謝らんかい!」
  『ご迷惑、おかけしましたァ!』
  『皆様!お騒がせしましたァ!』
  『申し訳ございませんでしたァ!』
ハンザキ「・・・これでいいですか?」
龍田「あんたにゃ言うとらん」
ハンザキ「そうか。じゃあ撤回する」
ハンザキ「もういいぞ。女神様」
MEGU「え?」
龍田「まて、まだ話は・・・」
ハンザキ「言ったろう」

〇祈祷場
  『ここに祀られているのは天探女命』
  『天邪鬼、ツンデレの女神様だ』

〇古びた神社
龍田「だったら何じゃ?」
ハンザキ「見かけは黙ってはいるけど心の中じゃあ、ちゃんと謝ってる」
龍田「寝言抜かすな!そんな屁理屈・・・」
樹「うん!聞こえた聞こえた!」
雅「もういいよMEGUちゃん!そんなに謝らなくても!」
西川「や、やめてよ~そんな~土下座なんて~」
龍田「どこがじゃ!ふんぞり返っとるやないか!」
西川「うるせえ金○先生」
龍田「誰が〇八先生じゃ!」
猫上一也「とりあえず。諸々収まったか?」
犬塚伝七「施設に戻るぞ。天照姫御子さん」
紀代子「・・・」
猫上一也「な、なに?」
猫上一也「どうしたのかなお嬢ちゃん?」
紀代子「ものども。ふくせんかいしゅうのときだ」
猫上一也「も、者ども?伏線回収?」
貴志「くわしくは、第2話シーン6をゴカクニンください」
勝「と、いうわけで~地元の無邪気なイタズラっこ達の出番で~す」
「よくあるお約束のパターンいっちゃいます」
「MEGUちゃんを連れていくな―――!」
「MEGUちゃんは僕達」
紀代子「わたしたちの」
「女神様なんだぞ――――――――――!」
「・・・」
MEGU「できれば照れずにやりきってもらえるかな」
龍田「ええい!やかましいんじゃ!大人の話に入ってくるんじゃないき!」
龍田「ガキは帰って勉強せえ!」
MEGU「これこれ・・・そういう口のきき方は今の時代」
龍田「これこれじゃねえよ」
龍田「もういいいいから、そういうの」
龍田「お互いふざけるのも大概にしようや」
MEGU「わらわはふざけてなど・・・」
龍田「黙れ。キチ○イ」
MEGU「・・・」
龍田「あー」
龍田「クソうぜえな」
龍田「いっそ神社ごとぶっ壊しちまうか?」
ハンザキ「おい!ここは俺の土地・・・」
龍田「ああ、そして俺達の・・・」
龍田「いや、俺の羽々矢村だ」
ハンザキ「・・・」
龍田(てめえ、今日は五体満足で町から出られると思うなよ)
ハンザキ「な、何だと!?」
龍田「はあ?何か聞こえましたか~?」
龍田「ボク何か言いましたか~?みなさ~ん?」
「・・・」
猫上一也「お、おい。ちょっとアンタ」
犬塚伝七「よせ。ここの問題だ」
犬塚伝七「東京者が県警の縄張りにしゃしゃり出ると後が面倒臭いぞ」
猫上一也「・・・分かりました」
犬塚伝七「行方不明者は見つかった。帰るぞ」
MEGU「・・・」
龍田「さて、大掃除だ」
龍田「アンタは可燃ゴミか?」
龍田「それとも不燃ゴミか?」
龍田「ボコボコにプレスしちゃうぞ~」
龍田「ジジイ」
ハンザキ「・・・」
龍田「ひひひッ・・・ひひひひひ!」
  つづく

次のエピソード:奇跡

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