〇電脳空間
風田（フウダ）探偵「親愛なる我が視聴者よ」
風田（フウダ）探偵「今回も殺人事件だ」

〇屋敷の門
風田（フウダ）探偵「殺されたのは会社役員の男性」
風田（フウダ）探偵「家政婦の証言によれば 事件当夜、被害者は」
被害者「妻の愛人の正体がわかった」
風田（フウダ）探偵「と言い残して家を出た」

〇ゆるやかな坂道
「その後、被害者はひとけのない路上で」
「心臓に包丁を突き立てられた状態で 発見された」
風田（フウダ）探偵「包丁は被害者自身が 自宅から持ち出したもので」
風田（フウダ）探偵「妻の愛人を殺そうとして 返り討ちにあったとみられる」
風田（フウダ）探偵「犯人は妻の愛人で間違いないだろう」
風田（フウダ）探偵「では、その愛人とは誰か？」

〇屋敷の門
風田（フウダ）探偵「肝心の妻・マリコは」
風田（フウダ）探偵「愛人をかばって 一向に答えようとしないが」
風田（フウダ）探偵「家政婦には見当がついていた」
風田（フウダ）探偵「いわく」
家政婦「怪しい人物は三人」
家政婦「自分はその三人と 会ったことはないけれど」
家政婦「電話を盗み聞きしたり」
家政婦「手紙を盗み読みしたりした」
風田（フウダ）探偵「らしい」
風田（フウダ）探偵「家政婦の職業倫理には 触れないでおこう」

〇黒
風田（フウダ）探偵「愛人候補①」
幼なじみ「マリコの幼なじみで、マリコと同い年」
風田（フウダ）探偵「ちなみにマリコは現在、三十九歳だ」
幼なじみ「お互いに初恋だったが 引っ越しで離れ離れになり」
幼なじみ「大人になってから再会した」
風田（フウダ）探偵「らしい」
風田（フウダ）探偵「名前は不明」
風田（フウダ）探偵「マリコは教えてくれない」
風田（フウダ）探偵「愛人候補②」
旅先「マリコとは三年前に旅先で出会った」
風田（フウダ）探偵「手紙によれば三十七歳」
旅先「手紙の署名はジョン・スミス」
風田（フウダ）探偵「偽名だろうね」
風田（フウダ）探偵「愛人候補③」
ダンス講師「マリコが最近になって通い始めた ダンス教室の先生で」
ダンス講師「四十代に入ったばかり」
ダンス講師「三人の愛人候補の中で 唯一、身元がハッキリしている」
風田（フウダ）探偵「職場と自宅に刑事が向かったが どちらもモヌケの殻だった」
風田（フウダ）探偵「マリコいわく」
マリコ「愛しているのは一人だけ 彼は運命の人」
風田（フウダ）探偵「・・・だそうだ」
風田（フウダ）探偵「被害者を刺した 『マリコの愛人』とは何者か？」
風田（フウダ）探偵「答えは一人だ！」
風田（フウダ）探偵「シンキングタイム・スタート！」
風田（フウダ）探偵「正解は・・・」

〇学校の校舎
風田（フウダ）探偵「マリコと同い年の幼なじみで」

〇海辺
風田（フウダ）探偵「三十七歳のときに南の島で再会し」

〇大ホール
風田（フウダ）探偵「今日、四十歳の誕生日を迎えた ダンス講師だ」

〇クリーム
風田（フウダ）探偵「言っただろう？ 答えは一人だって」