守護の弾丸

マナ

遭遇(脚本)

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〇黒
  このストーリーはフィクションです
  実在の人物、団体、出来事などとは一切関係ありません。

〇黒
  小さい頃、よくお母さんに絵本を読んでもらった。
  男の子が仲間と共に、鬼を退治し、宝物を手に入れて、お姫様と結ばれる。誰もが一度は読んだことのある、ありきたりなお話。
  私は、絵本に出てくる妖怪や怪物が怖くて、出てくるたびにいつも泣いていたらしい。
  だけど大きくなるにつれて、そんな気持ちは何処かへと消えていった。
  だって妖怪なんて見たこともない。TVのニュースでも雪男を探せ!などのバラエティー番組でも映ったことさえないんだから。
  なぜ小さい頃、あんなに怖がっていたんだろか?と不思議に思う。そんなもの存在しないのに・・・

〇橋の上
花咲 のどか「ハァッハァッハァッ」
  キシャァァァァァァァァ!!
花咲 のどか「!!!!」
???「──」
花咲 のどか「ァ────」
???「!!!!!!」
花咲 のどか「!?」
???「ギシャァァァァァ!!」
花咲 のどか「えっ!?」
  驚いたわね。無事でいるなんて。
花咲 のどか「あなたは!?」
神無 茜「ご愁傷さま!人生最高の不幸に出会えて♪そしておめでとう!人生最低の幸運に出会えて♪」

〇黒
  そう、存在するわけがないと思っていた。この人と出会うまで・・・

〇黒

〇おしゃれなリビングダイニング
  13時間前・・・
花咲 夏夜「よし!完璧!!」
花咲 夏夜「のどか!朝ご飯できたわよ♪」
  ハーイ!!!
花咲 のどか「お母さん、おはよう!!」
花咲 夏夜「ええ!おはよう!早く食べないと学校に行く時間になっちゃうわよ?」
花咲 のどか「うん!今日はなに?」
花咲 夏夜「今日はね・・・」
花咲 夏夜「パンにしてみました!!」
花咲 のどか「美味しそう!じゃあ、いただきます!!」
花咲 夏夜「どうぞ♪今日は、バイトで遅くなるんでしょ?」
花咲 のどか「うん。七時あがりだから帰ってくるのは七時半くらいかな」
花咲 夏夜「気をつけてね。最近物騒な事件が起こっているから。この間もこの近くで事件が起きたばかりでしょ?犯人も捕まってないし・・・」
花咲 夏夜「お母さん、迎えに行こうか?」
花咲 のどか「大丈夫だよ!近いし、帰りはいつも人通りの多い所を帰ってるから!」
花咲 夏夜「それならいいんだけど・・・」
花咲 のどか「本当に大丈夫!それじゃあ、時間がないからもう行くよ?」
花咲 夏夜「ええ。行ってらっしゃい!今日は、お父さんも早いらしいからね!」
花咲 のどか「分かった〜!!」
花咲 夏夜「・・・・・・」
花咲 夏夜「・・・本当に大丈夫かしら?」

〇橋の上
花咲 のどか「今日も暖かいな~」
花咲 のどか「今日はお父さんも早く帰ってくるらしいし、楽しみ──あれ?」
神無 茜「・・・・・・」
花咲 のどか(ここじゃ見かけない制服だけど・・・)
花咲 のどか(うわ!凄い美人!)
花咲 のどか(って!!見とれてる場合じゃない!学校!!)
神無 茜「・・・・・・」

〇公園の入り口
  風桐公園
  のどかが公園の前を通ると人だかりができていた。
花咲 のどか(なんだろう?ものすごく人が集まってるけど?)
  近づいてみると、公園は立ち入り禁止になっており中には多くの警察がいた。気になっていると近くの会話が聞こえてきた。
近所の主婦「ほらここだそうよ。例の事件があったの」
サラリーマン「遺体が発見されたんだっけ?体中を切り裂かれて血だらけだったそうじゃないか・・・」
近所の主婦「犯人は捕まってないらしいし、怖いわね・・・」
サラリーマン「近くに防犯カメラがあるんだろ?すぐに見つかるんじゃないか?」
近所の主婦「そうだといいんだけど・・・」
花咲 のどか「・・・・・・」
  のどかはもう一度公園の中を見た
古川 太蔵「────!」
宮川 慶一「──────」
  おそらくは刑事なのだろう。いかにも熱血そうな高齢の男性と若い男性がなにやら話していた。眺めていたとき──
花咲 のどか「!?」
  突然背筋が凍りつく感覚に見舞われた。辺りを見渡してみたが特におかしなところはない。しかし──
花咲 のどか(なに!?この嫌な感じ・・・急いで学校に行こう・・・)
  のどかが急ぎ足でその場を離れたあと──
  まるで後を追うかのように風が吹き抜けた・・・

〇学校の校舎
  神楽坂高等学校。生徒数は1500人の男女共学の学校である。
花咲 のどか「ハァッハァ」
  途中で走ったため乱れた息を整えていると、背後から肩を叩かれた。
花咲 のどか「!?」
本間 香苗「ヤッホー!おはよ、のどか!」
真島 典子「おはよう」
花咲 のどか「香苗!典子!おはよう!」
本間 香苗「どした?こんなとこで突っ立って?」
花咲 のどか「ううん。なんでもないよ。ちょっと走ってきたから疲れただけ」
真島 典子「のどかが珍しいですね。寝坊でもしました?」
花咲 のどか「そんなんじゃないよ~。ただちょっとね──」
  仲のいい親友たちに会えて先程までの不安が消えたのどかは話ながら教室へと向かった。

〇教室
  一時限目  国語
葉島 秀「で、あるからしてこの場合の慣用句は──」
花咲 のどか(なんか来るだけで疲れちゃったな・・・ はやく帰りたい)
  憂鬱な気分で授業を聞いていたのどかだったが──

〇学校の校舎

〇教室
花咲 のどか「!!!」
  突然公園で感じた寒気を再び感じたとき──
花咲 のどか「キャア!?」
男子学生「なんだ!!一体!?」
女子学生「ガ、ガラスが急に!?」
  突如ガラスが割れたのだった!!
葉島 秀「落ち着いて!!怪我をした人はいないか?」
花咲 のどか「だ、大丈夫です・・・」
葉島 秀「授業は一旦ストップ。みんなでガラスを片付けましょう」
  なんだか今日はおかしい──胸騒ぎにも似た不安がのどかを包んだ。

〇学校の校舎
  放課後
本間 香苗「ビックリしたよね。突然ガラスが割れるなんて・・・」
花咲 のどか「うん・・・」
真島 典子「先生が言うには、風で飛んできた小石か何かが当たったんじゃないかと言っていましたが・・・」
本間 香苗「ガラスを割るほどの小石が飛ぶ風なんて吹いてたっけ?」
真島 典子「分かりませんが、けどそれしか考えられませんし・・・それよりのどか」
花咲 のどか「・・・・・・」
本間 香苗「のどか?」
花咲 のどか「・・・・・・」
  何なんだろうこの胸騒ぎは、朝から?ううん。あの公園に行ってから変な感じがする。
本間 香苗「のどか?」
花咲 のどか(嫌だな。帰りはあの公園の前を通らないといけないのに・・・)
本間 香苗「のどかってば!!」
花咲 のどか「!?な、なに!?」
真島 典子「大丈夫ですか?ボーッとしていたみたいですが?」
花咲 のどか「ごめんね、考え事してた」
真島 典子「それならいいんですが・・・それよりガラスが割れたとき大丈夫でしたか?」
本間 香苗「そう、そう!のどかが一番近くに居たんだから!」
花咲 のどか「怪我はしてない。けど・・・」
本間 香苗「けど?」
花咲 のどか「ううん!なんでもない!それよりバイトがあるから行かなくちゃ!」
真島 典子「そうですか・・・気をつけてくださいね!」
本間 香苗「またね」
花咲 のどか「うん!また!」
  余計な心配を掛けさせないために胸騒ぎの件は胸の内にしまい二人と別れ、バイト先に向かうのどかだった。

〇公園の入り口
  夜七時
花咲 のどか「・・・・・・」
  バイトが終わり帰路についていたのどかは今朝の公園の前を通った。
  今朝のこともあったためか普段見慣れているはずの夜の公園が不気味で恐ろしく感じた。
  足早に過ぎ去ろうとしたのどかだったが、ふと違和感を感じた。
  ここはこんなに静かだっただろうか?

〇公園の入り口

〇公園の入り口
  たしかに暗くなってきたが、冬とは違い今は夏。暗いと言ってもまだ明るさは残っている。
  子供たちの遊ぶ声が聞こえていても不思議ではない。いままでもバイト帰りに子供の遊ぶ姿を幾度となく見てきた。

〇公園の入り口

〇公園の入り口
  もし子供たちが家に帰っていたのだとしても、ここは大通りとはいかないまでも大きな道路に面している。
  それなのに、車も会社帰りのサラリーマンも遊び歩いている学生も雑談をしている主婦も、ましてや猫一匹いない。

〇公園の入り口

〇公園の入り口
  おかしい!!ありえない!!そんなはずない!!!
  のどかの心が現状を必死に否定しようとする。
  けれど、ガチガチとなる自身の歯が、氷のように冷えてくる足、震える手、速くなる心臓の鼓動が現実だと突きつけてくる。
  ・・・いる・・・いる!!・・・なにかがいる・・・恐ろしいなにかがいる!!
花咲 のどか「ッ!!!!!」
  その瞬間、のどかは走った。ここにいたら不味い!ここにいたら確実に死ぬ!!!この感はあたるとなぜか確信できた。

〇橋の上

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コメント

  • 追いかけられたりとか教室の窓ガラスが割れたりとか、ピンポイントで狙われる理由がのどか自身にあるんだろうか。まだ語られていない特殊能力とか?解決屋の茜との関係性がどうなっていくのか、今後の展開が見ものです。

  • ごくごく平凡な女子高生が突然なにかすごい状況に巻き込まれていく様子が、丁寧に描写されていて臨場感を味わえました。あれはいったい何物なんでしょうか!?

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