地縛霊👻が家族ですッ!?〜I♥家族〜

ゆきんこ

5霊目 学校の階段の怪談とは?(後編)(脚本)

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〇モヤモヤ
  ハラガ・・・減ッタ
灯(あかり)(ウウ・・・)
灯(あかり)(寒い・・・暗くて・・・怖い)
  ツライ・・・
灯(あかり)(頭の中に誰かの声が響いている)
灯(あかり)(アナタは、誰?)

〇階段の踊り場
壱哉(いちや)「くぅ~! 頭髪検査、何とか先生をダマせないかなあ」
壱哉(いちや)「切りたくないから、耳にかけて」
壱哉(いちや)「前髪もワックスで固めれば、眉毛が出るから大丈夫そう?」
  オマエは
  毎月毎月、同じことをオレの前で言っているのに
  まだ懲りないのか!
壱哉(いちや)「よし! コレで勝負ですぞ!!」
壱哉(いちや)「また丸刈りにされた・・・カッコ悪い!!」
  言わんこっちゃない!
  ──愉快なヤツだな。
  ヤレヤレ・・・お次はこの娘か
詩(うた)「素敵なウインクと色気あるアヒル口をマスターしたら」
詩(うた)「モテ娘になれるハズ!」
  あの先輩に告白するつもりか?
  やめとけやめとけ!
  またオレの前で泣くだけだぞ
詩(うた)「ウワアアア──ン゙」
  ・・・だから言ったのに
詩(うた)「先輩と・・・」
詩(うた)「付き合うことになったアアア!!」
  オ────!?
  奇跡が起きた!!
  おめでとう!
  今度、ソイツを連れて来いよな!
  ヒトって、オレの前だと素をさらけ出すんだよな!
  変な奴ら!

〇廃墟と化した学校

〇雑居ビルの一室(看板あり)
  最近、ヒトが来ないぜ・・・
  五月蝿くて五月蝿くて仕方なかったのに
  一体アイツら、ドコに行っちまったんだ?
  アッ!?
教師「新校舎への引っ越しの荷物は、これで全部ですよね?」
教師「後は持ち出すのが大変なものばかりなので、取り壊しと一緒に廃棄ですかね」
教師「本当に楽しみです!」
教師「新しい校舎は有名建築家のデザインで、4階までの吹き抜けがオシャレですよね!」
教師「バリアフリーで余計な段差も無いし、全館空調で快適に過ごせますな」
教師「──確か、防犯カメラにもなっている液晶モニターが、鏡代わりに壁に設置されていましたね」
教師「こんな時代遅れの大きいだけの姿見も、 お役御免ということですね」
教師「それでは、後は業者に任せましょう」
  なん・・・だと!?
  ハイキって・・・トリコワシって・・・

〇炎
  ハラガ・・・
  ハラガ・・・減ッタ

〇雑居ビルの一室(看板あり)
吐鬼(とき)「これが娘と隣りの坊主が吸い込まれた鏡か」
吐鬼(とき)「確かにおかしな霊気を感じるが・・・」
吐鬼(とき)「『半端』じゃな!」
クロ「出て来た! アイツだワン!!」
?「またお客様ね。 今日は賑やかで嬉しいわ」
吐鬼(とき)「ヒトは騙せても鬼は騙されんぞ!」
吐鬼(とき)「本来の姿を現しやがれィ!!」
吐鬼(とき)「『鬼手裏剣』!」
  喰ワセロ・・・腹ガ空イタ・・・
クロ「変身したぞ!?」
吐鬼(とき)「やはりな。 この妖怪が主犯格じゃ」
吐鬼(とき)「旧校舎が取り壊し予定になったことで鏡が怨念化し、妖怪となり」
吐鬼(とき)「肝試しで訪れたヒトを自らの中に封じ込めていたのじゃろう」
クロ「じゃあ、あのユーレイ娘は?」
吐鬼(とき)「妖怪に取り込まれたことで生霊と化した犠牲者の姿を鏡に映して」
吐鬼(とき)「新たな獲物のエサにしていたのさ」
吐鬼(とき)「おっと!」
クロ「アブね!」
吐鬼(とき)「鬼を襲うとは・・・ この身の程知らずがァ!!」
クロ「生霊って言ったよな? じゃあ、灯もまだ生きているのか」
吐鬼(とき)「さあな!」
吐鬼(とき)「アイツを倒すのは容易いが、鏡が割れると封じられた娘たちの魂がお陀仏になる」
クロ「どうするワン!?」
吐鬼(とき)「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
吐鬼(とき)「お望みどおり、喰われてやるさ」
クロ「なんだとォ!?」
クロ「吐鬼──────!!」

〇モヤモヤ
吐鬼(とき)「ふむ。アイツの胃の中か」
吐鬼(とき)「消化不良のニオイがするのう」
吐鬼(とき)「『鬼手裏剣』・拡張!」
吐鬼(とき)「生霊なんざ助けても点数にはならないが、妖怪なら話は別じゃ!」
吐鬼(とき)「ついでに幽羅家に恩を着せて、 あいつらの秘密を暴いてやるかのう」

〇雑居ビルの一室(看板あり)
  ハ、腹ガイタイ・・・
  鬼メ、何ヲスル
クロ「吐鬼はただの鬼ではない。 保安局の鬼だからな!」
  ク、苦シイ!吐ク!!
  ガハアッ!
クロ「灯!! 大丈夫かッ」
灯(あかり)「う・・・ん」
クロ「生きてるワン!」
吐鬼(とき)「人質さえ居なければ我の敵ではないわ」
吐鬼(とき)「トドメじゃ。 奈落に落としてくれる!」
灯(あかり)「ま、待って吐鬼! この妖怪を退治しないで!!」
吐鬼(とき)「んだと!?」
吐鬼(とき)「オマエを生霊にしようとした奴に、情けをかけるつもりか!?」
灯(あかり)「私、この鏡に吸収されて同化した時に、 過去の記憶まで体感したの」
灯(あかり)「鏡に妖怪が宿っていて、人間と共に生きてきたということを」
灯(あかり)「私たち、知らなかったの!」
灯(あかり)「私の家族のことも、誰も知らない」
灯(あかり)「でも、誰かに滅ぼされたら」
灯(あかり)「ゼッタイに嫌!!」
クロ「灯・・・」
灯(あかり)「ねえ、鏡さん」
灯(あかり)「突然廃校になって置いていかれたアナタの気持ち、 よく分かるよ!」
灯(あかり)「私に話してみて!」

〇雑居ビルの一室(看板あり)
鏡の妖怪「オレは長年、ココで人間と共に過ごしてきた」
鏡の妖怪「だが」
鏡の妖怪「ヒトが来なくなってからは、 腹が減って腹が減って」
鏡の妖怪「仕方が無くて」
鏡の妖怪「時折深夜に訪れるヒトを捕まえては食べていた」
鏡の妖怪「だが、いくら食べても飢えが満たされることはない」
鏡の妖怪「オレはどうしたら良いんだ・・・」
灯(あかり)「アナタは」
灯(あかり)「お腹が空いていたんじゃなくて、孤独を埋めるために人間を捕食していたのね」
灯(あかり)「可哀想」
鏡の妖怪「この温かい風は・・・何だ?」
鏡の妖怪「忘れていたあの日を思い出す」
「騒がしくて、危なっかしくて、俺の前で前髪直したり」
「秘密を話す人間たちが大好きだったのに」
「何で一人ぼっちにするんだよ・・・」
「そうか」
「オレ、人間と一緒に生きたかったんだ」
クロ「コレは!? 妖怪が光の粉になった!!」
クロ「灯の能力が妖怪を鎮めたのか?」
吐鬼(とき)「その上、本来の姿に戻したようだな」
吐鬼(とき)(娘にも特殊な能力があったとは)
吐鬼(とき)(そろそろ局長に報告する時が来たな・・)
灯(あかり)「鏡さん」
灯(あかり)「アナタを一人ぼっちにはさせないよ!」

〇部屋のベッド
詩(うた)「ウウウ・・・」
詩(うた)「ハアッ!」
詩(うた)「私の部屋・・・」
詩(うた)「確か旧校舎に肝試しで入って・・・」
詩(うた)「皆を驚かせようと、鏡の前で先に待ち伏せをしていたような・・・」
詩(うた)「そして鏡に吸い込まれて出られなくなって・・・」
詩(うた)「夢?」
詩(うた)「それにしてはリアルだったわ」
詩(うた)「でもあの鏡は・・・確か・・・」

〇学校の校舎

〇散らかった職員室
教師「エエッ!?」
教師「古い姿見を新校舎に移設したいだって?」
教師「ようやく幽霊騒ぎが収まって取り壊すことになったのに」
教師「また騒ぎを起こすわけには・・・」
灯(あかり)「お願いします!長年、生徒たちを見守ってきた大事な鏡なんです」
壱哉(いちや)「監視カメラの付いた液晶モニターじゃ、怖くて髪型チェックも出来ません!」
琢磨(たくま)「その意見はともかく、移設についての署名を集めてきました!」
教師「こんなに・・・!?」
???「私からもお願いします!」
詩(うた)「あの鏡さんのおかげで私の人生は変わったんです!!」
詩(うた)「どうか、移設してください」
教師「ウ、ウーン」
教師(──俺にもこんな時代があったな)
教師「君たちの熱意に負けたよ!」
教師「校長に話を通してみる。 私に任せてくれ!!」
壱哉(いちや)「その中に」
壱哉(いちや)「この2人のオカルト同好会・入会申し込み書も入れておいたので、」
壱哉(いちや)「承認のハンコをお願いします!!」
「小賢しいわ!!」
詩(うた)「ありがとうございます!」
詩(うた)「先♥輩」
教師「こ、コラ! 学校でその呼び方はやめなさい」

〇黒
  コレだからこの世の人間という奴は──
  面白いんだよ

コメント

  • さすが吐鬼さん、さすが保安局😆😆😆怪異に対しての安心感がありますね。でも力で解決するのでなく灯の優しさや温かさが解決するのがこの物語の肝ですね。涙のスチルの見せ方が素敵でした。

  • 毎回思いもよらない角度からの展開が面白いです。まさか鏡がヒトに感情を抱いていたとは想像もつきませんでした😳
    あと、吐鬼が登場した時の安心感や、壱哉君の小賢しさも面白くて楽しく読めました👍

  • また今回も面白かったですー!!✨
    現代ファンタジーのアニメを見ているようで、毎回楽しんで読ませていただいています✨😍💓
    それぞれのキャラがハッキリしてて、凄く魅力的ですよね✨😊素敵な話いつもありがとうございます!!

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