〇古びた神社
ハンザキ「おい・・・」
ハンザキ「掃除くらい手伝わんか」
ハンザキ「いつまで引籠っとるつもりだ」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「まあ、あれだ」
ハンザキ「お互い少しふざけ過ぎたな」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「謝ろう」
ハンザキ「む、村の連中にじゃあないぞ。環って言ったか？あの子にだけだ」
ハンザキ「あの子に謝って、それで終わりだ」
ハンザキ「女神ゴッコは終わりだ」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「お前、本当は記憶喪失なんかじゃないだろ」
ハンザキ「家出か？連絡先はどこだ？」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「いい加減にしろ！何がツンデレだ！神様を馬鹿にするんじゃない！」
ハンザキ「・・・逆ギレかよ」
ハンザキ「じゃあ聞くぞ女神」
ハンザキ「お前は神様なんだろ？」
ハンザキ「だったら、何で・・・」
ハンザキ「何で俺を無視するんだ？」
ハンザキ「神様よう。何でずっと俺を無視し続ける」
ハンザキ「埃だらけだったこの神社を、掃除してやったろ？」
ハンザキ「誰からも見向きもされなかったこの神社を奇麗に飾ってやったろ？」
ハンザキ「俺なりにな・・・」
ハンザキ「何とか言え！」
ハンザキ「本当の神様なら願いを叶えるなり罰を当てるなりやってみろ！」
ハンザキ「なんで・・・」
ハンザキ「なんで、何も答えない」
ハンザキ「答える価値はねえってか？」

〇散らかった居間
ハンザキ「ああそうだ」
ハンザキ「全部・・・」
ハンザキ「全部・・・」
ハンザキ「全部・・・」

〇埋立地
ハンザキ「ゴミだ・・・」
ハンザキ「俺の歩いて来た人生全部・・・」
ハンザキ「ゴミだ・・・」

〇古びた神社
ハンザキ「どうすりゃいいんだ・・・」
ハンザキ「こういう時、どうすりゃいい？」
ハンザキ「教えてくれ・・・」

〇学食
ハンザキ「教えてくれ」

〇広い畳部屋
ハンザキ「教えてくれ」

〇古びた神社
ハンザキ「俺の声を・・・聞いてくれ・・・」
ハンザキ「いつから俺は・・・」
ハンザキ「一人ぼっちになっちまったんだ・・・」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「そうだな」
ハンザキ「お前と同じだ」
ハンザキ「聞くだけ聞いて何も答えない」

〇学食
　　『誰の、何も、知ろうとせず』

〇広い畳部屋
　　『そのくせ、こっちの事は知っていてくれて当り前だと』

〇古びた神社
ハンザキ「それが当然だと・・・」
ハンザキ「それが当り前だと・・・」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「ふん・・・」
ハンザキ「捨てられて当然だな」
ハンザキ「ゴミ」
ハンザキ「もう、何の情熱もない」
ハンザキ「不燃ゴミだ」
ハンザキ「お前もそう思うだろ？不燃神」
ハンザキ「なんつって」
ハンザキ「おー。怒った怒った」
ハンザキ「とっとと出て来て、罰当てやがれ」
ハンザキ「・・・」
ハンザキ「晩飯、置いとくぞ」
ハンザキ「じゃあ、お疲れ」
　　つづく