不燃神~フネンガミ~

山本律磨

交信(2)(脚本)

不燃神~フネンガミ~

山本律磨

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〇寂れた雑居ビル
ヤングリーマン「あ!」
ミドルリーマン「どうした?」
ヤングリーマン「見て下さい。あの、リヤカーにゴミ積んで歩いているオッサン」
ヤングリーマン「最近ちょっと有名なんすよ。テレビとかで取り上げられてて」
ミドルリーマン「・・・」
ヤングリーマン「ゴミ屋敷の家主ならぬ、ゴミ神社の地主」
ヤングリーマン「いや~。世の中次から次へと色んなキャラが出て来ますね~」
ミドルリーマン「・・・」
ヤングリーマン「どうしたんすか?」
ミドルリーマン「昔の上司だ・・・」
ヤングリーマン「ええ?」
ミドルリーマン「三年前突然会社辞めちゃって。バリバリの仕事人間だったんだけど、何か鬱病になったとか・・・」
ミドルリーマン「奥さんと子供に出て行かれたとか・・・」

〇巨大なビル
  『真面目っちゃあ真面目だったけど、絶滅寸前の企業戦士っていうか』

〇学食
ミドルリーマン「・・・」
  『仕事以外で人間関係を築けないような、そんなタイプだったって言うか』

〇寂れた雑居ビル
ヤングリーマン「職場と家との往復。そのどっちも失って、壊れちゃったんですかね」
ヤングリーマン「おっかないっすね、ストレスって」
ミドルリーマン「・・・」
ヤングリーマン「という訳で今宵もパーッといきましょう。僕らはどっちも無くさないように」
ミドルリーマン「若いね~」
ミドルリーマン「・・・」
ミドルリーマン「お元気で・・・」

〇古びた神社
貴志「あ!地主、戻ってきた!」
勝「おーい地主!次のオモチャなーに?」
紀代子「たまにはおんなのこようもひろってきてよねー」
ハンザキ「ほれ」
紀代子「やるじゃん」
ハンザキ「ほれ」
貴志「首、取れそうなんだけど」
ハンザキ「接着剤でくっつければいいだろ」
貴志「首、可動しなくなるんだけど」
ハンザキ「知るか」
ハンザキ「お前はカードだったか?」
勝「パ・・・パラスアテナ!」
勝「嘘だろ!超レアカードじゃん!どこで盗んできたんだよ!」
ハンザキ「人聞きの悪いことを言うな!全部廃品だ!」
ハンザキ「そんなに価値のある物を入手したのなら、これこそが行動力と観察力、そして天運というヤツだ。覚えておけ小僧」
貴志「こんなに何でもかんでも拾ってこられるとちょっと怖いよ」
紀代子「イヌみたい」
ハンザキ「やかましいわ」
樹「で、MEGUちゃんのアドバイス通り告白したら余裕で成功!マジ奇跡って感じ!」
MEGU「それはおめでとう!」
ゆうかんマダム「それが噂のツンデレ作戦?」
そこそこマダム「その作戦倦怠期にも通用するかな?」
ミユキ「じ、実は私も気になるナイスミドルがいて」
雅「てかMEGUちゃん、本当に神様だったりして~」
MEGU「とんでもねえ。あたしゃ神様だよ」
そこそこマダム「記憶喪失ってところもむしろミステリアスよね~」
MEGU「とんでもねえ。あたしゃ記憶飛んでるよ」
ハンザキ「おいアンタら。子供ちゃんと見守ってろ」
「男子は女子会に入って来ないでくださーい」
ハンザキ「チッ・・・女子って年か!」
「オジサン!それポリコレ違反ね~!」
「炎上案件!炎上案件!」
ハンザキ「ええい。鬱陶しい」
ハンザキ「うん?」
ハンザキ「お前、青年団の・・・」
西川「どうも」
西川「どこ行っても禁煙禁煙で。神様んとこなら許してくれるんじゃねーかなって」
ハンザキ「ポイ捨てするなよ。本当に炎上しちまう」
西川「ははっ」
MEGU「え~。天探女命はツンデレの神様で~あります」
MEGU「感情を表に現さぬ日本民族にとって非常にご利益のある神様で~あります」
MEGU「ゆ・え・に」

〇ハート
MEGU「恋、してこうぜ!」
「私も恋した―――――――――――い!」
ミユキ「私も――――――――――――――――!」

〇古びた神社
MEGU「恋がしたいかー!」
MEGU「キモチいい恋したいかー!」
MEGU「P.S. I LOVE YOU~♪」
MEGU「あ、タマちゃん」
MEGU「ヘイへーイ!その後どうだーい?」
MEGU「例のパイセンと、ファーストス○ムダ○クしちゃってるかーい?」
環「ウソつき」
MEGU「え?」
環「ツンツンしてる間に後輩に取られちゃったじゃん!」
環「ばかあああああっ!」
MEGU「・・・」
ハンザキ「調子にのるからだ。ばかもん」
  つづく

次のエピソード:交信(3)

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