2話過去の話を聞かせる(脚本)
〇西洋の街並み
バージル「もう娘には近づかないでくれ」
ノエル「・・・・・・・・・え?」
バージル「見てわかるだろ、ミリカは盲目なんだ、君のような人が近づいて子じゃない」
バージル「怪我でもしたらどう責任取ってくれるんだ?」
バージル「いいから、もう近づかないでくれ」
バージルはドアを閉める
ノエル「なんなんだよあいつ〜!」
次の日
ノエル「おーい!ミリカー!」
また次の日
ノエル「ミリカー!遊びに来たぞー!」
そのまた次の日
ノエル「ミリカー!また話そうぜー!」
そのまた次の日
ノエル「みーりーかー!!」
ミリカ「うるさい!!」
ノエル「おー!ミリカ!なんで毎日来たのにでてくれなかったんだよ」
ミリカ「お父さんがいる時に出れるわけないでしょ?お父さんに見られたらどうするの」
ノエル「いいじゃんかよ、あんなタコ親父」
ミリカ「誰がタコ親父よ!私のお父さんばかにしないで!」
ノエル「なんだよ僕だってミリカと遊びたいんだぞ」
ミリカ「もうわかったわよ。どこに行きたいの?」
ノエル「んふーふふふ、どこだと思う?」
ミリカ「何?めんどくさいんだけど、」
ノエル「ヨールインランドのお祭りに行こう!」
ミリカ「ええー!あんなとこ無理だよ!」
ノエル「行こうよーミリカーあの祭りの最後の演出凄いんだぞー?」
ミリカ「お祭りなんて騒いでる声しか・・・・・・」
ノエル「また僕が、お祭りの様子を詩にするってば」
ミリカ「そうね・・・・・・お父さんに聞いてみるわ」
ノエル「ほんとか!?よーし!決まりー!」
ミリカ「決まってない!聞いてみるだけ」
〇英国風の部屋
夜になる
ミリカ「お父さん」
バージル「どうした?ミリカ」
ミリカ「・・・・・・・・・」
バージル「はっきり言いなさい」
ミリカ「・・・ヨールインランドのお祭りに行きたいの」
バージル「お祭りに?」
ミリカ「うん」
バージル「はあ・・・・・・.ミリカがどこかに行きたいって言うなんて何年ぶりだろうな?」
ミリカ「私、そんなにどこも行きたがらないっけ?」
バージル「そうだよ、目が見えなくなってからどこに行っても暗闇だと言っていたじゃないか」
ミリカ「それは・・・・・・・・・そうだけど」
バージル「誰と行くつもりだい?」
ミリカ「・・・・・・・・・ノエルと」
バージル「・・・・・・・・・やはりか」
バージル「彼はどんな人なの?お父さんに聞かせてみなさい」
ミリカ「ノエルは詩人さんなの」
バージル「詩人?」
ミリカ「そうなの、彼の言葉には魂が宿ってる」
バージル「何をばかなことを」
ミリカ「ほんとだよ。私の視界はずっと暗闇だった」
ミリカ「けど、彼の言葉を聞くとほんの少しだけど明るく見えるの」
バージル「そうか」
ミリカ「それにね、この山桃を見た時、彼なんて言ったと思う?」
バージル「なんだ?、」
ミリカ「私に似てるって」
バージル「・・・・・・・・・ぷっ!はっはっはっ!」
ミリカ「ね?面白いでしょ?」
バージル「認めたくはないが興味が湧いてきた」
ミリカ「でしょ?彼の言葉は不思議な力があるの」
バージル「ミリカ、本当に迷惑ばかりかけてすまないね」
ミリカ「謝らないでお父さん、私も少しずつ前に進めるから」
バージル「そう言って貰えると助かるよ」
バージル「あの日、事故でミリカは視界を失い、お母さんも失った」
バージル「あの日のことは今でも忘れられない」
バージル「なぜ私だけ・・・・・・・・・無事で居るんだ」
ミリカ「お父さん、私は視界を失ったけど一人じゃないよ」
バージル「・・・・・・ミリカ」
ミリカ「お父さんがずっと居てくれる」
ミリカ「お父さんが無事で居てくれたから何も見えない世界でも生きていられた」
ミリカ「私はそう思ってるよ」
バージル「・・・・・・ありがとう。ミリカ」
ミリカ「感謝するのは私の方だよ。お父さん」