見えないなら聞かせてあげる

ゆる男

1話盲目の少女に聞かせる(脚本)

見えないなら聞かせてあげる

ゆる男

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〇西洋の街並み
  ノエルは馬のレオンと街を歩き続けていた
ノエル「おー!見えてきた〜!ここがヨールインランドか!! よし!レオン!こっから飛ばすよ!」
ノエル「着いた着いた〜、レオンここで待っててね」
ノエル「大丈夫、昼と夜には必ず顔出すからさ」
ノエル「ヨールインランドの人参は格別美味いらしいよー!」
ノエル「じゃあ、行ってくる」
  ノエルはヨールインランドの中に入る
ノエル「へぇ〜やっぱ僕の故郷よりも栄えてるなー」
ノエル「この日のために沢山働いたし今日はいい詩が書けそうだ!」
  するとノエルの前にはフラフラと歩いてる女の子が現れる
ノエル「あれ?あの子なんであんなにフラフラしてるんだろ?これじゃあ人にぶつかるぞ?」
ミリカ「きゃっ!」
  ノエルが見た少女は案の定人にぶつかり
  どこ見てんだと怒鳴られながら果物を落とす少女
ノエル「あ、大丈夫?手伝うよ」
ミリカ「・・・・・・・・・」
ノエル「・・・・・・え?」
ミリカ「ありがとうございます」
ノエル「目に・・・傷?」
ミリカ「っ!」
  少女は慌てて顔を伏せる
ノエル「あ!ごめん!つい見ちゃって!」
ノエル「もしかして・・・君、目が見えないの?」
ミリカ「・・・・・・はい」
ノエル「それじゃあ危ないじゃん!だから人にぶつかるんだよ」
ミリカ「あなた・・・誰ですか?」
ノエル「僕はノエル、この街で沢山の景色を見てそれを言葉に残す詩人さ」
ミリカ「詩人?」
ノエル「そう!言葉には沢山の魂が宿ってるんだよ!」
ノエル「目に映る物や人や風景を言葉にしてそれを世界に広めるんだ!」
ノエル「だから、毎年恒例のヨールインランドのお祭りの様子を僕は見に来たのさ!」
ミリカ「・・・・・・あなたはいいですね」
ノエル「ん?何が?」
ミリカ「そんな戯言を並べた薄っぺらい言葉なんて誰も聞きたくありません」
ノエル「は、はあ!?なんだ!?もう1回言ってみろ!」
ミリカ「そんな綺麗事、誰も聞きたくないって言ったの!」
ノエル「うおーー!!もうムカついてきた!!」
ノエル「そんなこと言うなら聞かせてあげるよ!」
ミリカ「ちょっ!なに!?引っ張んないでよ!」
  ノエルは少女をヨールインランドの外に連れ出す
ノエル「レオン、また戻っちゃって悪いけどコアカリー地方まで」
ミリカ「ちょっと、どこ行くつもり?」
ノエル「レオンは速いからしっかり掴まってな!」
  レオンに乗り続けある場所にたどり着く

〇美しい草原
ノエル「さあ、着いたぞ」
ミリカ「どこに来たの?」
ノエル「君はこの場所にいるだけで何か感じない?」
ミリカ「そんな・・・何も感じないよ」
ノエル「僕は目を瞑るとわかるよ、空気がやけに暖かい、風が花の匂いを泳がせてる」
ミリカ「・・・・・・どういうこと?」
ノエル「よし、1編思いついた」
ノエル「輝いた、青空たちは、照らしてる」
ノエル「地に戻る、土や肥料は踊り出す」
ノエル「ひまわりは、凛々しく澄んで、咲き誇る」
ミリカ「い、一体何が言いたいの?」
ノエル「見えないなら、感じ取るんだよ」
ノエル「君がいる場所は、決して暗闇なんかじゃない」
ノエル「空も土も風も花も、君を迎え入れるために存在してるんだよ!」
ミリカ「・・・・・・・・・私の、存在?」
ノエル「そう!このひまわりの花のように君という存在はこの輝いてる世界に在るんだ!」
ミリカ「私今、ひまわり畑にいるの?」
ノエル「うん、僕はこのひまわりの花が好きなんだ」
ノエル「でかくて!目立つ!そういうのすきなんだよ」
ミリカ「おかしな人」
ミリカ「じゃあ、この果物を見てあなたは何を思う?」
ノエル「んー?・・・君に似てる、かな?」
ミリカ「・・・・・・うふっ、あっはっはっは!」
ノエル「え?ギャグじゃないよ?」
ミリカ「わかってる、なんかおかしかっただけ」
ミリカ「これは山桃っていう果物だよ」
ノエル「へぇー美味しそうだね。もらっていい?」
ミリカ「食べちゃダメ、これはお父さんの好物なの」
ノエル「知らねーし興味ねー」
ミリカ「なんでそういうのは興味無いの!?」
ノエル「まあ、僕の詩をバカにした君に僕の言葉を聞かせたかっただけだしね」
ミリカ「大した詩人さんね、さっきはあんなこと言っちゃったけど私はあなたの言葉好きだと思ったよ」
ノエル「ほ、本当か!?」
ミリカ「うん、なんだか、少しだけだけど肌で感じる温度が暖かく感じる」
ノエル「あ、ありがとう!僕でよかったら聞かせてあげるよ」
ノエル「君の目では見えない景色を、僕の言葉で」
ミリカ「・・・素敵だね」
ノエル「へへっ。あ、そうだ、君の名前を教えて?」
ミリカ「私の名前はミリカ」
ノエル「ミリカか。君の家まで送ってくよ」
ミリカ「うん、ありがとう!」
  ノエルはヨールインランドまで行きミリカから道を聞き家まで送る

〇西洋の街並み
ミリカ「送ってくれてありがとう。ノエル」
ノエル「うん!また遊ぼうな!」
バージル「ミリカ・・・?この子は誰だ?」
ミリカ「あ、お父さん、この方はノエルって人で私をひまわり畑に連れてってくれたの」
バージル「ひまわり畑に?」
ノエル「ノエルです。よろしくお願いします!」
バージル「ノエル君、ね」
バージル「もう娘には近づかないでくれ」

次のエピソード:2話過去の話を聞かせる

コメント

  • えーっと最後声が出そうでした・・。ミリカはせっかくノエルと心が通じ合ったばかりなのに。何か事情がありそうだけど、どうにか見えないミリカの目となり彼女をささえてほしいです。

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