ゲーム小説の書き方講座

坂井とーが

1限目 下書きには表計算ソフトが便利(脚本)

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〇講義室
蕾太「ここがノベル大学の教室か。 無駄に大きいな・・・」
小雪「せっかくだ。一番前に座りたまえ」
蕾太「うへぇ」
小雪「では、1限目の授業を始める。 パソコンは持ってきているな?」
蕾太「いやいや、夢の中に持ち物なんて・・・」
蕾太「――あった」
小雪「まずは、君の作品を見せてもらおうか」
蕾太「・・・それは、これから書くところだ。 まずは文書作成ソフトを立ち上げて、っと」
小雪「ちょっと待った。 君は執筆に文書作成ソフトを使うのか」
蕾太「え? 普通でしょ」
小雪「一般的な小説の場合はそうだな」
小雪「だが、ゲームノベルの下書きには表計算ソフトが便利だ」
蕾太「ええっ!? 表計算ソフトで小説!?」
蕾太「無理無理。書けないって」
小雪「そんなことはないぞ。 むしろ、ゲームノベルは表計算ソフトの方が書きやすい」
小雪「セルをメッセージウィンドウに見立てることができるからな」
蕾太「セルって、たくさんあるマスのこと?」
小雪「そうだ。 ゲームノベルのひとつのセリフは上限60文字。1行あたり20文字だ」
小雪「つまり、セルを20文字×3行のサイズにすれば、ゲームノベルの画面に近い形で執筆できる」
蕾太「なるほど!」
小雪「では、実際に使ってみようか。 試した上で、書きやすい方を選べばいい」
蕾太「わかった! 表計算ソフトを立ち上げて──」
小雪「1行目に見出しを入れるのだ。 最終的には自分の執筆スタイルに合わせればいいが、」
小雪「私は左から、 シーン、キャラ、セリフ、表情、吹き出し/アイコン、アイテム の順にしているぞ」
蕾太「あれ? ゲームノベルは4行目以降も入力できるんだな」
小雪「ああ。改行を繰り返せば、何行にでもできるようだ」
小雪「ただ、私は3行以内が読みやすいと感じるよ。 この辺も、個々人の感性の問題だな」
蕾太「わかった。 とりあえず、先生と同じにしてみたぞ!」
蕾太「でも、セリフのセルが狭い・・・ どうやって20文字×3行に設定するんだ?」
小雪「ふむ、表計算ソフトのバージョンは2013か・・・」
小雪「文字の大きさは初期設定の11だな? ならば、セルの高さを45、幅を35に設定するといい」
蕾太「えっと・・・」
小雪「まずは、表の左上にある三角マークをクリックし、全体を選択する」
小雪「その状態で、左に並ぶ数字を右クリックし、「行の高さ」を選ぶのだ。 そして、「45」を入力する」
蕾太「えっと・・・・・・できた!」
小雪「次は、上の「C」をクリックし、C列を選択する。その状態で「C」を右クリックし、「列の高さ」を選ぶ。「35」を入力だ」
蕾太「先生、質問。 なんで全部の列の幅を35にしないんだ?」
小雪「表が横に長すぎると困るのだ。 出来上がった原稿をノベルメーカーに入力するとき、ウィンドウを2つ並べたいだろう?」
蕾太「あっ」
小雪「画面の左に、幅を最小化したノベルメーカーを置き、余ったスペースで表計算ソフトを操作するのだ」
蕾太「その幅に表が収まるようにすれば、横スクロールの手間がかからないってことか」
小雪「そういうことだ。 セリフ以外の列の幅は、好きなように設定すればいい」

〇講義室
蕾太「よし、書くぞ――って、あれ?」
蕾太「先生、文章がマスをはみ出していく! 3行にならない!」
小雪「初期設定だとそうなるな。 もう一度、左上の三角マークをクリックだ」
小雪「全体を選択した状態で、上に並んでいる「ホーム」→真ん中あたりに出てくる「折り返して全体を表示する」をクリックする」
蕾太「おお! セリフが20文字で改行された!」
蕾太「ところで、1行のセリフでもマスの下に寄ってるのが不自然なんだけど・・・」
小雪「さっきクリックした場所の少し左に、「三」のようなマークが並んでいるだろう。 その中から、「上揃え」を選ぶまでだ」
蕾太「できた! ・・・・・・って、あれ?」
蕾太「文章の入力中に、カーソルを動かそうとして矢印キーを押すと、隣のセルに移動してしまう・・・」
小雪「左下の緑の帯に、「入力」または「準備完了」と表示されているだろう。 その状態で矢印を押すと、セルを移動する」
小雪「ダブルクリックするか「F2」を押すかして「編集」に切り替えると、矢印キーでカーソルの移動ができるぞ」
蕾太「ほんとだ! よし、今度こそ!」
蕾太「『おはよう○○○○○○○○○○○○○○○今日はいい天気だね』」
小雪「ちょっと待った!」
蕾太「え?」
小雪「セル内にたくさんスペースを入れて改行に見せるのはやめないか!」
蕾太「だって、エンターを押しても改行できないよ。 次のマスに行っちゃって・・・」
小雪「セルの中で改行するには、「Alt」キーを押しながら「Enter」を押すのだ」
蕾太「同時押しか!? お、できたぞ!」
蕾太「・・・・・・あっ。 だいぶ書いたけど、やっぱり最初の方にセリフを付け足したい」
小雪「左側の数字を右クリックし、「挿入」を選ぶのだ。その行のひとつ前に、新しい行が付け足されるぞ」
小雪「逆に行を右クリックして「削除」を選ぶことで、行ごと削除することもできる」
蕾太「ほんとだ! ・・・ところで、今何文字くらい書いてるんだろう」
蕾太「表計算ソフトだと、文字数がカウントできないんだよな」
小雪「できるぞ」
蕾太「えっ──」

次のエピソード:2限目 下書きには表計算ソフトが便利②

コメント

  • 表計算ソフトはプロットを書くときや登場人物の情報をまとめるときにしか使っていなかったので驚きました。
    自分はプレビューを何度も回したいのでMakerに直接書いていますが、表計算ソフトで下書きするとバックアップを残せるのがよさそうですね。

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