不燃神~フネンガミ~

山本律磨

交信(1)(脚本)

不燃神~フネンガミ~

山本律磨

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〇古びた神社
(モザイク入り)ハンザキ「何だコラァーッ!」
  『その時、興奮した家主が我々を威嚇するように暴れ始めた』
(モザイク入り)ハンザキ「とっとと出ていけコラァ―ッ!」
  『我々はその光景を、ただ黙って見ているしかなかった』
(モザイク入り)ハンザキ「ここは俺の土地だァーッ!帰れーッ!」

〇テレビスタジオ
司会者「はあ~っ(わざとらしい溜息)」
司会者「そりゃ、確かに土地は家主のものかも知れないけどさァ~」
司会者「神社は本社って言うの?そういう所の管轄じゃないのォ~?」
わかまつさやか「本来はそうですがここの場合明治以降便宜上併合されているだけで、経済上は建立以来ずっと地主『H家』の管下になっていたんです」
わかまつさやか「だから本社も強く指導できない状態になっているんです」
司会者「早い話放ったらかしにしてたんだァ~」
わかまつさやか「そして今回の事態に発展した訳です」

〇古びた神社
(モザイク入り)MEGU「はいど~も~!女神で~す!」
(モザイク入り)MEGU「え~というわけで~今日もですね実況の方なんですけどね~やっていきたいと思い~」
(モザイク入り)MEGU「~まっす!」
(モザイク入り)MEGU「その前にいいねとチャンネル登録の方なんですけどね~ヨロシクお願いいたし~」
(モザイク入り)MEGU「~まっす!」

〇テレビスタジオ
わかまつさやか「冒頭説明した様に家主はこの動画の女性を新たな御神体と称して、その神託によってゴミ神社を正当化しているという訳です」
司会者「もうね、反社会的以前に幼稚と言うか馬鹿馬鹿しいよ」
司会者「役場は何やってるの?」
わかまつさやか「それが役場も青年団もこの前代未聞の珍事に右往左往するばかりで全く・・・」

〇黒

〇役場の会議室
龍田「くそが・・・」
龍田「おんしらこの放送みてどう思うがぜよ」
「・・・・・・」
龍田「まだローカル番組の話題で止まっとるからええが、このままじゃ村の恥が全国に広まってしまうぜよ」
龍田「わかっとるんかおんしらァッ!」
「す、すいません」
龍田「判で押したみたいに全員同じリアクションしおってから」
龍田「もっと個人個人の魅力を表現せんといかんぜよ」
龍田「自分の頭で半崎を追い出す方法考えんか!」
東山「追い出せって言われてもあの人だって一応この村の生まれですし。そこまで・・・」
龍田「今はこん村を出て、町のマンションに住んどる余所者やろがい」
龍田「俺のいうことが・・・」
龍田「いや、青年団の言う事が聞けない奴はこの村から出て行ってもらうき」
西川「そう言う事いってっから若い奴がどんどんいなくなるんじゃないっすか?」
東山「お、おい西川!」
龍田「なんやと?」
龍田「今、なんち言うた!」
西川「没個性だから分かりづらいけどここの青年団って」
西川「みんなオッサンじゃん」
西川「それに、結構オシャレじゃんか。ガラクタ神社」
西川「俺は好きっすよ」
龍田「・・・じゃんか?」
龍田「お前、誰に口きいてんだ?」
龍田「ああ?ガキコラ」
西川「口調、もとに戻ってるっすよ」
東山「お、おい。頭冷やせって西川!」
西川「・・・」
西川「くそ田舎が。面倒くせえんだよ」
龍田「チッ!」
龍田「ええかおんしら!面倒臭いとか面白うないとか気合いが足らん証拠ぜよ!」
龍田「もっと緊張感をもってやのう・・・」
龍田「もしもし!」
龍田「うん、今、公民館」
龍田「うん、大丈夫」
龍田「全っっっ然、大丈夫」
龍田「もう終わるから」
龍田「すぐ帰るから」
龍田「え?いつもの?」
東山「・・・」
龍田「・・・」
「・・・」
東山「・・・」
龍田「じゃあ待っててね」
「・・・」
龍田「とにかくおんしらの村なんだから各自自覚を持って行動するようにの」
龍田「解散」
東山「なんだこれ?」
  つづく

次のエピソード:交信(2)

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