第4話 『花火大会への第一歩』(脚本)
〇花火職人の作業場
角谷ナナ「やっぱり、お星さまが願いをかなえてくれたんだ・・・!」
七蔵「あん? お星さま?」
角谷ナナ「うん、きっとそう!」
角谷ナナ「七蔵さん、私と一緒に花火大会成功させよう!」
七蔵「お! いいねぇ! その言葉を待ってたぜ!」
〇工房の倉庫
〇花火倉庫
七蔵「これを全部数えるのか?」
角谷ナナ「うん、まずは今花火がどれくらい出来てるのか確認しないと」
七蔵「なるほど、足りねぇ分を俺たちが作るってことだな!」
角谷ナナ「そういうこと!」
七蔵「おお~! こんなにでっけえのも作れるのか!」
角谷ナナ「ちょっと七蔵さん、数えるのに面倒だから、箱の中身混ぜないでね」
七蔵「わかってらぁ! 任せとけ!」
七蔵はきびきびと花火の入った箱を移動させ、積み上げていく。
ナナは紙とペンで記録をつけながら、花火の中でも特に大きな玉(尺玉)を手に取った。
角谷ナナ「尺玉は、予備がないのか・・・」
〇工房の倉庫
〇花火倉庫
七蔵「これで花火は最後みてぇだ」
角谷ナナ「あれ、花火大会の納品分、全部そろってる・・・」
〇職人の作業場(店名あり)
角谷ナナ「おじいちゃんに世話になったんじゃなかった?」
角谷ナナ「恩とか義理とか・・・あんたそういうの、昔から好きだったじゃん」
久間田和樹「・・・・・・」
〇花火倉庫
角谷ナナ「・・・何も言わずに出ていくなんて」
角谷ナナ「確かにこれで、花火大会はできる・・・借金も返せる・・・だけど」
〇職人の作業場(店名あり)
久間田和樹「出て行くんだよ。お前が来たから」
〇花火倉庫
角谷ナナ「あんな言い方することないのに・・・私の何が気に食わないの」
七蔵「おい、どうしたよ、ナナ。怖い顔して」
角谷ナナ「え? ・・・あ、ごめん」
七蔵「・・・そんなに、やべぇのか?」
角谷ナナ「あ、ううん。そうじゃなくて・・・」
七蔵「なんでぇ、おどかすなよ!」
七蔵「で、俺は何をしたらいい? 花火を作るのか?」
角谷ナナ「それが、花火はもう足りてるみたい。 多すぎるくらいで」
七蔵「ん? じゃあ、俺たちはこれから何をするんだ?」
角谷ナナ「えーっと・・・」
七蔵「うん?」
角谷ナナ「何もすることはない、かな。 あとは納品するだけでいいから」
七蔵「・・・・・・」
角谷ナナ「せっかく手伝ってくれるって言ってくれたのに、ごめん」
七蔵「・・・・・・」
角谷ナナ「七蔵さん?」
七蔵「やることねぇなら・・・花火打ち上げてもいいか?」
七蔵「さっき、多すぎるくらいあるって言ったろ?」
角谷ナナ「うーん。まあ・・・いいけど。 でも、普通の花火だと思うよ?」
七蔵「ありがてぇ! さっそく上げて来らぁ!」
角谷ナナ「あ、でも、大きい方は予備がないから上げないで・・・って、はや!」
〇農村
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