清浄処理最前線

ゆきんこ

第1消 清浄処理部隊参上!(脚本)

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ゆきんこ

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〇沖合(穴あり)
  考えたことはある?
  もしもライフラインが使えなくなったら
  もしも明日、世界が壊れてしまったら
  もしも、未知のウイルスが人類を淘汰しようと目論んでいたら?
エチル「予測する必要がある」
エチル「日常が非日常になる前に」
エチル「必要なのは洗浄と」

〇地球
  2☓☓☓年。
  例のウイルスが世界的に増殖・変異を繰り返し
  人類は生物ヒエラルキーのトップに居ることが、大きな勘違いだと思い知らされる。
  そこで、ウイルスたちに対抗すべく取った手段が
エチル「戦え」
エチル「明日の『命』を守るため」

〇黒
  嫌な夢を見た

〇島国の部屋
ソニン「世界が滅びるユメ!?」
ソニン「縁起でも無いな!」
ソニン「コーヒー淹れたよ♪」
ウルソ二「ありがとう」
ウルソ二「やけにリアルな夢、だったんだ」
ソニン「世界が滅びて、その時にウルは何をしていたの?」
ウルソ二「ソニンを探していた」
ウルソ二「でも、ソニンは応えてくれなくて・・・」
ソニン「馬鹿なウル」
ソニン「私はココに居るよ!」
ウルソ二「お願い」
ウルソ二「今日は帰らないで」
ソニン「夢を怖がるなんて、子供みたいよ」
ソニン「まあ、そういうところも好きなんだけど」
ウルソ二「馬鹿にするなよ!」
ソニン「ウルったら疲れているのよ。 今日はゆっくりお休みなさい」
ウルソ二「もう?まだ良いじゃない」
ソニン「昨日から培地培養していたシャーレがあってね」
ソニン「今夜は研究所に泊まり込みなんだ」
ソニン「週末、また逢いましょう」

〇沖合(穴あり)

〇黒
  ソニンとの約束は、果たされることは無かった。

〇基地の広場(瓦礫あり)
ウルソ二「嘘だろ」
ウルソ二「こんな未来になるなんて」
ウルソ二「どうして俺だけ残ったんだ・・・」
ウルソ二「ソニン・・・ソニンを探さなきゃ」
デブリス「ククク・・・まだ居たあ・・・」
ウルソ二「デブリス・・・!」
デブリス「何か言ったか?」
デブリス「そんな小さな声では誰も助けに来ないぞ」
ウルソ二(逃げなきゃ!)
デブリス「逃げ足おっそ! 亀さんこちら、手の鳴る方へ〜」
ウルソ二「ヒィッ! 増えた!?」
ウルソ二(ヤバい・・・喰われる!)
「俺様の一部となれ!」
ウルソ二「ソニン──ッ!!」
「イテッ!?」
ウルソ二「え、何?」
デブリス「分身を弾いただと!?」
デブリス「キサマ! 何か武器を持っているな〜!?」
ウルソ二「何も持ってない、本当だ・・・!」
デブリス「ひ弱な声のくせに、オレをイラつかせるなよ!!」
ウルソ二「声は生まれつきで・・・」
デブリス「ゴチャゴチャウルセー! 浸食してやるよ!!」
デブリス「ギャン!?」
ポピ「清浄処理部隊・消毒班・ポピドンヨード参上!」
ポピ「命を守りますゾヨ」
ウルソ二「しょ、消毒班だって?」
ウルソ二「洗浄班はよく見るけど、弐番隊の消毒班が助けに来てくれるなんて!?」
ポピ「運がイイな少年」
ウルソ二「カッケェー!!」
デブリス「消毒班だと!?」
デブリス「銀狼のアイツが居る弐番隊か」
デブリス「昔、酷い目に遭わされた恨みは忘れていないぞ」
デブリス「洗浄班を待たずにシャシャリ出てきよって・・・」
ポピ「おヌシ程度の穢れ、洗浄班を待つまでも無いゾヨ」
デブリス「喰らえ!」
ポピ「ッ!」
ポピ「遠距離タイプのデブリスか・・・」
ポピ「近距離タイプの妾は間合いを詰めないと、戦えない!」
ポピ「オイ男!」
ウルソ二「は、ハイ!」
ポピ「耳を貸せ」
ポピ「おヌシがヤラレているスキに、私がヤツに覆い被さるから」
ポピ「囮になるゾヨ!!」
ウルソ二「助けに来てくれたんじゃないのかよッ!?」
ポピ「小さな声でツベコベ言うな!」
ポピ「そら、妾の役に立て!!」
ウルソ二「扱いが酷すぎる!」
ウルソ二「ウワアアアッ!!」
ウルソ二「アッ、アナタは」
ウルソ二「弐番隊の銀狼・・・!!」
エチル「ポピさんのせっかちで、命が1つ無くなるトコロだったよ」
ポピ「エチルったら余計なお世話ゾヨ!」
ポピ「ココは妾に任せるゾヨ!」
デブリス「エ?マジかよ! 美少女が俺に抱きついて来た!!」
ポピ「ウフ♥」
ポピ「滅するまで離さないゾヨ」
デブリス「アレッ!? カラダが小さくなって来た・・・」
デブリス「何だか・・・ヤル気が出ない・・・」
デブリス(小)「ボク、何をしたかったんだっけ?」
ポピ「これだけ小さくなれば、害はないな」
ポピ「サラバゾヨ」
デブリス(小)「油断して背中を見せたな」
デブリス(小)「生き残るのは俺だ・・・!!」
ウルソニ「まだ、デブリスが生きてる!」
エチル「ボクは油断しないでヤンス」
「おのれッ!!」
「アアアアアァー!!」
ウルソ二「デブリスが種になった!」
ウルソ二(このエチルって人、スゴい・・・!!)
エチル「もう人に悪さは出来ないでヤンス」
ウルソ二「トドメを刺さないと、また復活するのでは?」
エチル「例え滅菌処理したとしても、完全には滅することは出来ない」
エチル「様々な悪条件が重なると、また大きな禍になるから」
エチル「日頃の洗浄や消毒の積み重ねが大事でヤンスよ」
ポピ「ンもう!」
ポピ「こんな三下、 妾1人でも十分だったのにィ!」
エチル「ポピさんは助けられたのに、素直じゃないでヤンス」
エチル「消毒完了でヤンス!」
コウソ「チョットォー!? 弐番隊が何やってくれちゃったの!!」
コウソ「今回は上手く行ったかもだけど、」
コウソ「洗浄を疎かにすると、バイオフィルムを引き起こすかもしれないよッ!」
エチル「マズイ! ヒステリーのコウソがやって来たでヤンス」
ポピ「逃げますゾヨ!」
ウルソ二「待って下さい!」
ポピ「妾のサインなら後日郵送するが?」
ウルソ二「俺の恋人が、デブリスの異常繁殖に巻き込まれて、行方不明なんです!」
ポピ「まあ、同情しなくもないが、それは保安隊の案件である」
ポピ「我らには関係ないゾヨ」
ウルソ二「お願いします」
ウルソ二「俺を、弐番隊に入れて下さい!」
エチル「入隊希望か」
エチル「気持ちは分かるが、 君は声も小さく、筋肉も無いな」
エチル「とても弐番隊でやっていけるとは思えないでヤンス」
ポピ「それに、適正能力が無ければ部隊には入れないゾヨ!」
ウルソ二「声は昔から出なくて・・・」
ウルソ二「イジメられっコだったし、スポーツの経験も無いです」
ウルソ二「でも」
ウルソ二「朝起きたら例のウイルスを支持するデブリスが生命を脅かす世の中になっていた」
ウルソ二「だからこそ、こんな俺でも何かの役に立ちたいんです!」
ウルソ二「頑張って鍛えたら声も適正も何とかなるかもしれないし」
ウルソ二「俺、命を救いたいんです!」
エチル「部隊の本格的な適正検査では無いが」
エチル「簡易キットで調べてやるでヤンス」
ウルソ二「ヤッたあ!」
エチル「舌を出して舐めろ」
ウルソ二「ペロッ」
エチル「・・・」
ウルソ二「コレはどっちなんですか!?」
エチル「薄いピンクは、適正が無くはない」
エチル「が、薄すぎて推薦するには厳しいでヤンス」
ウルソ二「そんな」
ウルソ二「コレじゃ、ソニンを捜せない」
エチル(──少しだけ)

〇黒
  どこか
  アイツに似ている・・・?

〇基地の広場(瓦礫あり)
エチル「ボクの助手から始めてみないか?」
ポピ「エチル!?」
ウルソ二「エチルさんの助手!?」
エチル「オマエがデブリスに襲われそうになった時」
エチル「僅かだがデブリスを彈いたのを見た」
ウルソ二「そういえばデブリスの分身が1体、目の前で消滅した・・・」
ウルソ二「アレは俺の力?」
エチル「もしかしたら君は、何らかの能力を秘めているのかもしれないでヤンス」
ウルソ二「ありがとうございます! ぜひ、助手にさせて下さい!!」
ウルソ二「何でもやります!!」

〇研究開発室
ウルソ二「なんでもやりますとは言ったものの・・・」
ポピ「キャア! 足にお茶をこぼしたゾヨ!」
ポピ「すぐに拭いておくれ!」
ウルソ二「ハイ!」
ウルソ二「フキフキ」
ポピ「拭き方が乱暴ゾヨ! もっと、優しくしておくれ」
ウルソ二「スミマセン!」
エチル「ウル、疲れた。マッサージして」
ウルソ二「ハイ!」
ウルソ二「モミモミ」
エチル「ハア〜極楽でヤンス」
エチル「終わったら、洗濯と掃除もお願いするでヤンス♥」
ウルソ二「ちょっと待って下さい・・・」
ウルソ二「これじゃあ、俺。 ただのハウスキーパーじゃん!」
「え? 何か言った!?」
ウルソ二「ゴメンナサイ」
  俺は誓う!
  消毒班で1番になって、この女たちを見返して、ソニンを助ける!

〇空
ウルソ二「待ってろよ、ソニン────!!」
「小さい声でブツブツゆーな!」
ウルソ二「ゴメンナサイ・・・」

次のエピソード:第2消 銭湯清掃を攻略せよ!

コメント

  • 今までにないお話ですね。完全ギャグに全振りしているわけでもなく、社会ネタに全振りしてるわけでもない。しかもラッキースケ◯番組…?
    どんな展開になっていくかわからなくて楽しみです。それにしても連載数エグいですね。

  • 楽しく読ませていただきました😁
    コレは勉強になります、いや本当に😊
    美少女の体を張ったウィルス退治、天晴!

  • 病気予防に対する衛生観念向上的価値を持つ作品ですね😂😂😂
    羨ましいと思われる立場だけど彼にはソニンという想い人がいるから、喜んでいられない立場ですね。
    一体、どんな力を秘めているのか。果たして声は大きくなるのか、楽しみにしています。

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