逢いたくて770

山本律磨

四章(脚本)

逢いたくて770

山本律磨

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〇古びた神社
  『・・・全く』
  『何で飛んだんだよ』

〇屋敷の牢屋
竹芝「あのまま兵士に送り届けてもらって俺一人逃げおおせれば、全部丸く収まったじゃないか」
竹芝「ええい!何考えてんだ、この小娘は」
竹芝「ああ、一時の勢いに身を任せてしまった」
竹芝「俺の馬鹿・・・」
竹芝「さて・・・」
竹芝「気を取り直して、と」
竹芝(御安心ください内親王殿下!必ずや、この竹芝めが守り通してみせましょうぞ!)
姫「そなた、本音と建前が逆になっておるぞ」
竹芝「ぬかったあああッ!」
竹芝「くそっ!」
姫「これ。どこへいく?」
竹芝「都に引き返すんですよ。今ならまだ微罪で済むやも知れませんし」
姫「さて、どうであろうの?」
竹芝「はい?」

〇皇后の御殿
姫「我は現人神たるミカドの娘ぞ!」
姫「阿倍ちゃん神の子不思議な子ぞ!」
姫「神の子をかどわかしたとなれば、果たして微罪で済むかのう?」
竹芝「か、かどわかしたとは何事ですか!」
竹芝「私は姫を不憫に思って」
姫「うむ。それは感謝しておるぞえ」
姫「だが我が父上はどう思うかの?」
姫「私はいいけどMIKADOはどうだろ?」
竹芝「お、脅すつもりですか?」
姫「そなたの年収、MIKADOの2秒!」
姫「そこんとこヨロシク」
竹芝「・・・チッ!」

〇屋敷の牢屋
姫「う~ん」
竹芝「くそ。どいつもこいつも偉そうに」
竹芝「お前達王家や貴族を支えておるのは、都にかり出される俺達田舎者じゃないか」
竹芝「男一人、どうとでも生きていける。殿上人同士で勝手に争ってろ!」
竹芝「ふん!」
姫「逃げる・・・」
竹芝「ああいや、そのちょっと用をたしに・・・」
姫「逃げる・・・もう、逃げる」
竹芝「・・・寝言か」
姫「逃げたい・・・助けて」
竹芝「・・・」
姫「誰か・・・助けて・・・」
竹芝「・・・」
竹芝「・・・ふん」
竹芝「・・・」

〇けもの道
姫「・・・はあ、はあ、はあ」
竹芝「・・・」
姫「疲れた・・・我は疲れたぞよ」
竹芝「・・・」
姫「のう竹芝。自分で言うのもあれだが、私はそこそこ聞き分けのよい姫と思っておる」
竹芝「・・・」
姫「だがこう朝から歩き通しでは、私もまた、よくありがちなワガママ姫のような愚痴をこぼしてしまうのも仕方ないぞよ」
姫「と、いうわけでだ」

〇ハート
姫「いやーんもうあるけなーいおぶってーん」

〇けもの道
竹芝「・・・」
姫「せめて引いてくれ。無反応が一番つらい」
姫「しかしどこへ向かっておるのだ?」
姫「森の奥へ奥へ。人気のない方へと・・・」
姫「ひ、人気のない所!まさかっ!」

〇ハート

〇けもの道
竹芝「違います」
姫「やっと反応したな・・・」
  続く

次のエピソード:五章

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