不燃神~フネンガミ~

山本律磨

対話(3)(脚本)

不燃神~フネンガミ~

山本律磨

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〇大きな箪笥のある和室
ハンザキ「ほれ」
ハンザキ「ほれ」
ハンザキ「じゃあな」
MEGU「まてまてーい!」
ハンザキ「ああ?」
MEGU「メグちゃん、飽きちゃった」
MEGU「唐揚げ弁当飽きちゃった~」
MEGU「今どきのピチピチギャルに毎晩毎晩唐揚げ弁当とお茶だけって~マジありえないんですけど~」
MEGU「っていうか~」
怒りのMEGU!「そろそろ甘いもん食わせろや!」
怒りのMEGU!「フレン○クル―ラーくらい持ってこいや!」
怒りのMEGU!「マカロン100個献上しろや!」
怒りのMEGU!「いい加減バチあてるぞコノヤロウ!」
デーモン探女「それとも蝋人形にしてやろうか!」
ハンザキ「分かったよ。ほら」
MEGU「パパだ~いすき!」
ハンザキ「誰がパパだ気色悪い!」
ハンザキ「コンビニ行って好きなもん買って来い」
MEGU「う~む。そうはいってものう」
MEGU「夜、コンビニで暇を潰す御神体というのも如何なものかと思うぞ」
MEGU「いやそれ以前に女子としてその時間の潰し方はかなり終わってると思うぞ」
ハンザキ「俺が知るかそんなこと」
ハンザキ「それは今日までのバイト代だ」
MEGU「・・・え?」
ハンザキ「何だ?不満か?」
ハンザキ「女子会と食っちゃ寝で一万円稼いだんだ。割のいいバイトだったろう」
ハンザキ「どこの家出娘だか不良娘だか知らんがな、そろそろ帰れ」
ハンザキ「村の連中からかうのもいい加減飽きてきたところだ」
MEGU「あのガラクタ・・・」
MEGU「あ、いや、飾りか。片付けるの?」
ハンザキ「ガラクタでいい」
ハンザキ「誰がどう見てもガラクタだろう」
MEGU「・・・そうかな?」
ハンザキ「ああ?」
MEGU「ねえ、神社の周りの木って」

〇木の上
  『もしかして、桜?』

〇大きな箪笥のある和室
ハンザキ「よく分かったな」
MEGU「じゃあもうすぐ咲くんだ」
MEGU「山と積まれた瓦礫に降り注ぐ桜の嵐・・・」
MEGU「カッケー!」
ハンザキ「ふん。若い娘の感性は理解できん」
MEGU「年頃の娘の心なんて理解できないする気もない。大体そんな暇はない」
MEGU「俺は忙しいんだっ!」
MEGU「つって?」
ハンザキ「何が言いたい」
ハンザキ「神様だから何でも知ってる。ってか?」
MEGU「どうでしょう?」
ハンザキ「次に偉そうな口叩いたら神様はクビだ」
ハンザキ「出かけるなら、ちゃんと戸締りしとけ」
MEGU「ありがとね、地主」
ハンザキ「ああ?」
MEGU「私の神社、キレイに飾ってくれて」
MEGU「いま、楽しいよ。とても」
ハンザキ「・・・ふん」
  つづく

次のエピソード:対話(4)

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