1章-16.姉のステータス(脚本)
〇おしゃれな教室
橘 優人「・・・」
ひとしきり覚えた魔法を使って、浮いたり少し先に消えたり現れたりと、
珍しくタカ兄の、テンションが高かった。
そんなタカ兄を見て・・・
ユウトも、初めて魔法使えるようになった時・・・
師匠や周りの人と同じような生暖かい目を向けられていたな、と思いながら・・・
タカ兄に生暖かい目を向けていた。
そして・・・
さらにしばらくだったあと・・・
橘 貴也「コホンッ!!!!!!」
橘 貴也「よ、よし!!!!!! ユウト!! 待たせたな!!!!」
ようやくタカ兄が現実に戻ってきた!
橘 優人(待っていたよ!! タカ兄!!)
橘 優人「タカ兄!! あそこに寝てるのユナ姉だよね? 全然起きないけど大丈夫かな?」
橘 貴也「あぁ・・・ 今日は朝から体調悪いって言って寝たままだな!!」
そう言いながらタカ兄はユナ姉のところに移動する。
ユウトもそれに続いた。
かなり苦しそうだ・・・
橘 優人「・・・風邪かな!?!?」
そう言いながらユウトはユナ姉のおでこに手を触れる。
橘 優人「凄く熱い!!!!!! 熱があるかも!!!!!!」
橘 貴也「そうか・・・!! かなり無理していたようだからな・・・」
橘 貴也「ゾンビのこともあってずっと気持ち休まらなかったんだろう・・・」
橘 優人「そう・・・ ユナ姉・・・。 倒れるまで体調悪いこと隠す人だもんね・・・」
橘 貴也「そうなんだよな・・・!! だから本当は家で休んでて欲しかったんだが・・・」
橘 貴也「いても立ってもいられなかったみたいだから・・・」
橘 優人「・・・!! 僕が・・・急に無くなったから・・・」
橘 貴也「・・・」
橘 貴也「ユウトのせいじゃないんだ!! 自分を責めるなよ!?」
橘 優人「う、うん!! あっ!!そうだ!!!! 鑑定したらユナ姉の今の状態分かるかも!!」
橘 貴也「そ!そうか! そうだな!!!!!!」
橘 優人「うん!!!!」
橘 優人「【鑑定《ステータスオープン》】」
橘 優人「え・・・!?!?」
橘 優人「ユナ姉!!!!!! 『聖女の卵』だ!!!!」
橘 貴也「・・・ 俺も『勇者の卵』だったな。 何か意味はあるのかな・・・」
橘 優人「うーーーん・・・」
橘 貴也「・・・ とりあえず、ユナの容態を見てみようか・・・」
橘 優人「そ、そうだね!!!!! やっぱり風邪だし高熱もあるみたいだね!!!!」
橘 貴也「俺の覚えた【治癒《ヒール》】で治ると思うか・・・!?」
橘 優人「う、うん!!!!!! 大丈夫だよ!!!!!!」
橘 貴也「【治癒《ヒール》】」
橘 結奈「・・・」
ずっと苦しそうにしていたユナ姉が穏やかな寝息に変わり・・・
顔色も良くなっていた。
橘 優人「上手くいったみたいだね!!!!!!」
橘 貴也「そうだな。 顔色もよくなって来たな!!」
橘 優人「【鑑定《ステータスオープン》】」
橘 優人「うん!!!!!! 大丈夫みたい!!!!!!」
橘 貴也「良かった・・・」
橘 優人「タカ兄!!!!!! これからどうする・・・!?!?」
橘 貴也「・・・これから・・・」
橘 優人「うん!!」
橘 優人「・・・ このまま学校にいたら、タカ兄を襲った人達が、残りの食料を求めてまたここまで来るかもしれない・・・!!」
橘 貴也「・・・確かに!! 可能性としては十分に高いな・・・」
橘 優人「学校に結界は張ってるけど・・・」
橘 優人「人間は入ってくることできるから・・・ 安心出来ないと思うんだ・・・」
橘 貴也「・・・確かに!! 学校内が安全になったとしても、依然・・・外はゾンビだらけだし・・・ 正直・・・ここは安心できないな」
橘 優人「ならさ・・・!! 家に帰ろうよ・・・!!!!」
橘 貴也「家!?!?!?!?」
橘 優人「うん!!!!!! 家には強力な結界を張ってるんだ!! 家族以外の何ひとつの侵入は許さない結界を!!」
橘 貴也「なるほど!!!! 確かに家に帰りたいな・・・ だが!! ユナはどうやって・・・」
橘 優人「瞬間移動!!だよ!!!! 瞬間移動なら3人ですぐに帰れるよ!!!!」
橘 貴也「そうか!!!!!!!! 確かにそれなら・・・」
橘 優人「誰かが学校内に近づいてきた!!!!!!」
橘 貴也「なんだと!?!?!?」
ユウトとタカ兄は、窓から外を覗くと・・・
〇学校の校舎
〇おしゃれな教室
橘 優人「あの人たちは!!!!!!」
橘 貴也「俺を殴ったヤツだ!!!!!!」