耽美だって、家に帰るまでが旅行です(脚本)
〇朝日
それはきっと
ありふれたもので
〇ボロい家の玄関
「いただきます──」
けれど
〇古いアパートの居間
晴十郎 (せいじゅうろう)「うーまっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「俺もう天才だろ──」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「誰もいやしねーのに」
晴十郎 (せいじゅうろう)「アホらしっ」
とても
かけがえのないもので
〇荒廃した教会
曇兵衛 (どんべえ)「・・・」
「観念せぇッ!」
「タマもらうでぇッ──!!」
だからこそ
気づけずにいる
〇謁見の間
雨之進 (あめのしん)「・・・」
雨之進 (あめのしん)「よかろう」
雨之進 (あめのしん)「自由になる権利をやる──」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
この
ちいさな手のひらに乗る
〇平屋の一戸建て
ささやかな──
幸せに
〇平屋の一戸建て
「ひれ伏せッ!野郎どもッ──!!」
〇狭い畳部屋
晴十郎 (せいじゅうろう)「どやぁッ──!!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あれ?」
曇兵衛 (どんべえ)「・・・」
※ ひれ伏している
晴十郎 (せいじゅうろう)「面あげんかいッ!」
曇兵衛 (どんべえ)「ぱっ!?」
曇兵衛 (どんべえ)「ひれ伏せ言うたやん・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あぁ〜ん?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「おやつ抜きにすっぞコラ?」
曇兵衛 (どんべえ)「おやつ!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ザッハトルテ」
曇兵衛 (どんべえ)「手作り?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「もちっ」
曇兵衛 (どんべえ)(好きなヤツやぁ)
雨之進 (あめのしん)「なんぞ?」
雨之進 (あめのしん)「新種のトイペか?」
雨之進 (あめのしん)「拭きづらそうだ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ズタズタになるわッ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「って、温泉旅行のチケットじゃいッ!」
曇兵衛 (どんべえ)「お兄ちゃん、まさか・・・」
雨之進 (あめのしん)「返してこい」
雨之進 (あめのしん)「謝罪する権利をやろう」
晴十郎 (せいじゅうろう)「なっ!?」
曇兵衛 (どんべえ)「ぱっ!?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「商店街のガラポンで当たったの!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「男性4名限定チケットぉ~」
雨之進 (あめのしん)「4名?」
曇兵衛 (どんべえ)「1人足りひん」
晴十郎 (せいじゅうろう)「うっせーぞ、アホども」
晴十郎 (せいじゅうろう)「土曜の朝出発だかんな!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「飯食って、風呂入って、脱毛して!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「みんなで温泉じゃー!」
「・・・」
〇平屋の一戸建て
〇田舎の線路
〇新幹線の座席
ユキ「セイちゃん」
ユキ「誘ってくれて、ありがとう」
晴十郎 (せいじゅうろう)「お、おう」
晴十郎 (せいじゅうろう)「まあ、アレだ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「幼馴染の情けってヤツよ」
曇兵衛 (どんべえ)「あぁ」
曇兵衛 (どんべえ)「そゆことなん」
雨之進 (あめのしん)「どういうことぞ?」
曇兵衛 (どんべえ)「つまりな──」
(耳打ち)
雨之進 (あめのしん)「ほぉ〜」
雨之進 (あめのしん)「うむ」
雨之進 (あめのしん)「朕に任せよッ」
曇兵衛 (どんべえ)「ん?」
〇田舎駅のホーム
〇田舎駅の待合室
晴十郎 (せいじゅうろう)「さてと」
晴十郎 (せいじゅうろう)「お昼にすっぞ、野郎ども」
「フゥッ──!!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「これはユキに」
ユキ「いいの?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ありがたく思えよっ」
ユキ「うん」
ユキ「ありがとう、セイちゃん」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・ん」
晴十郎 (せいじゅうろう)「施しじゃボケッ」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
〇田舎町の駅舎
〇田舎駅の待合室
雨之進 (あめのしん)「・・・うむ」
雨之進 (あめのしん)「時はきたっ!」
雨之進 (あめのしん)「それだけぞっ!」
曇兵衛 (どんべえ)「顔じゅうにご飯粒ついてるで?」
曇兵衛 (どんべえ)「って、どこいくん?」
〇田舎駅の待合室
ユキ「セイちゃん、ご飯粒ついてる」
晴十郎 (せいじゅうろう)「もっ!?」
雨之進 (あめのしん)「もし」
雨之進 (あめのしん)「初号機よ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「なんだよ、アメンボ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「バナナか?」
雨之進 (あめのしん)「母上(男)の教えぞ」
〇神殿の門
天帝「おしべとおしべ」
天帝「向かい合うたら」
天帝「勢いじゃッ!!」
〇田舎駅の待合室
雨之進 (あめのしん)「ゆえに」
雨之進 (あめのしん)「発情の権利をやるッ!」
発
情
雨之進 (あめのしん)「今すぐはじめよ」
雨之進 (あめのしん)「朕の御前で披露せいっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
ユキ「はは・・・」
ユキ「アメくん、ジュース買ってあげるよ」
雨之進 (あめのしん)「意味深なジュースぞ?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ドンスケ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ちょっとこい」
曇兵衛 (どんべえ)「ひぇ、いやっ」
曇兵衛 (どんべえ)「ほんのり言うただけやで?」
曇兵衛 (どんべえ)「お兄ちゃんは発情期やからって」
〇田舎町の駅舎
「せめて思春期っていわんかいッ──!!」
〇黒
〇飛空戦艦
飛行空母ドナルド・ジョー
〇白
龍本・タンビ・晴十郎
(Tatsumoto T Seijuro)
17歳
性別:男
〇白
龍本・タンビ・曇兵衛
(Tatsumoto T donbe)
15歳
性別:男
〇白
龍本・タンビ・雨之進
(Tatsumoto T Amenoshin)
10歳
性別:男
〇研究機関の会議室
モップゥ大統領「眩しいな」
モップゥ大統領「何って?」
モップゥ大統領「俺の存在・・・かな」
赤太郎「・・・」
モップゥ大統領「ヘェーイッ!」
モップゥ大統領「オーケイオーケイ!」
モップゥ大統領「約束通り」
モップゥ大統領「末っ子は、我がステイツのものだ」
モップゥ大統領「あとは好きにしろっ」
赤太郎「言われるまでもなく」
赤太郎「欲しいのは」
赤太郎「『くもり』」
赤太郎「ふふっ」
〇寂れた旅館
晴十郎 (せいじゅうろう)「温泉じゃー!」
曇兵衛 (どんべえ)「おやつ抜き・・・」
雨之進 (あめのしん)「なんぞこの貧相な宿は・・・」
雨之進 (あめのしん)「厠(かわや)か?」
〇旅館の受付
ユキ「お願いします」
番頭「はいよ」
番頭「男の娘が4名ね」
ユキ(僕も含まれてるッ!?)
〇露天風呂
秘湯・チョコバナナの湯
「弍号機!見てみよ!」
「茶柱が立っておる!」
「絶妙に立たすなッ!」
〇旅館の和室
曇兵衛 (どんべえ)「鍋はタイミングが命・・・」
曇兵衛 (どんべえ)「あっせんなよ、あっせんなよ・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「鍋お奉行」
雨之進 (あめのしん)「初号機よ」
雨之進 (あめのしん)「ニンジンを食む権利をやる」
晴十郎 (せいじゅうろう)「好き嫌いすんなっ!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「デカくなれねーぞ?」
雨之進 (あめのしん)「無礼なっ!」
雨之進 (あめのしん)「朕は既にアナコンダぞ?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「え、怖い・・・」
〇寂れた旅館
〇風流な庭園
ユキ「眠れない?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ユキ」
〇古風な和室
曇兵衛 (どんべえ)「ッ!」
曇兵衛 (どんべえ)(耽美のゆらぎ!)
曇兵衛 (どんべえ)(まさか)
〇風流な庭園
ユキ「セイちゃんは」
ユキ「よく笑うようになったね」
晴十郎 (せいじゅうろう)「え?」
ユキ「3兄弟で住むようになってから」
晴十郎 (せいじゅうろう)「そうかな?」
ユキ「うん」
ユキ「僕はそれが嬉しいんだ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「なんだそりゃっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ま、退屈はしねーわな」
晴十郎 (せいじゅうろう)「料理の才能も無駄にならんしっ」
ユキ「いいお嫁さんになれるね」
晴十郎 (せいじゅうろう)「もっ!?」
〇温泉旅館の卓球場
曇兵衛 (どんべえ)「・・・」
「卓球はお好きですか?」
曇兵衛 (どんべえ)「ッ!」
赤太郎「お兄様」
〇風流な庭園
晴十郎 (せいじゅうろう)「嫁になって欲しいのかよっ」
ユキ「?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「んんっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「でも」
晴十郎 (せいじゅうろう)「不安になったりもするんだ」
ユキ「え?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「もしも」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あいつらがいなくなった────」
〇黒
〇黒
〇平屋の一戸建て
晴十郎 (せいじゅうろう)「あっ」
タツモト「よっ」
タツモト「しばらく見ないうちに」
タツモト「また一段と耽美になったな!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「今日の晩飯は餅だな」
タツモト「お父さんをお餅にッ!?」
曇兵衛 (どんべえ)「おーい」
晴十郎 (せいじゅうろう)「うおっ!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ど、どちらさん?」
タツモト「お前の弟だよ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「はぁっ!?」
〇古いアパートの居間
晴十郎 (せいじゅうろう)「『じゃ、俺はこれで!』」
晴十郎 (せいじゅうろう)「じゃねーよ、クソ親父ッ!」
曇兵衛 (どんべえ)「よぉ」
曇兵衛 (どんべえ)「茶くらい出せよ、坊や」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あぁ!?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「確かに!ちょっと待っとけ!」
曇兵衛 (どんべえ)「・・・」
曇兵衛 (どんべえ)「素直かよ」
〇平屋の一戸建て
「ぅんまッ──!?」
〇古いアパートの居間
曇兵衛 (どんべえ)「こんなショボい菓子が・・・」
曇兵衛 (どんべえ)「どうして・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「お母さん譲りのレシピだぜ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ウメーだろ?」
曇兵衛 (どんべえ)(あぁ・・・俺・・・)
曇兵衛 (どんべえ)(組織抜けるわぁ)
晴十郎 (せいじゅうろう)「イマイチ?」
曇兵衛 (どんべえ)「ううん」
曇兵衛 (どんべえ)「美味しいよ」
曇兵衛 (どんべえ)「お兄ちゃん」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・顔変わってない?」
〇平屋の一戸建て
「あっ」
タツモト「よっ」
※ 落とし穴(ベトナム仕様)
晴十郎 (せいじゅうろう)「チッ」
曇兵衛 (どんべえ)「もうちょい右やったな」
タツモト「殺すやつやん・・・」
タツモト「えーっと」
タツモト「じゃ、俺はこれで!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ん?」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
曇兵衛 (どんべえ)「まさか」
晴十郎 (せいじゅうろう)「っぽいな」
雨之進 (あめのしん)「権利をやる」
晴十郎 (せいじゅうろう)「?」
雨之進 (あめのしん)「朕の僕となる権利ぞ!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あ?」
雨之進 (あめのしん)「この聖剣に服従のキッスを!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「誰がっ──」
曇兵衛 (どんべえ)「んっ」
(いや、するんかいっ──)
〇狭い畳部屋
晴十郎 (せいじゅうろう)「そっか」
晴十郎 (せいじゅうろう)「みんな母親が違うのか」
曇兵衛 (どんべえ)「異母兄弟ってヤツやな」
雨之進 (あめのしん)「朕の母上は男ぞ?」
「・・・」
〇平屋の一戸建て
「詳しく聞いていいですかッ!?」
あぁ、そうか
〇葬儀場
晴十郎 (せいじゅうろう)「お母さん・・・」
俺が
ずっと欲しかったのは
〇狭い畳部屋
〇平屋の一戸建て
〇黒
〇平屋の一戸建て
〇ボロい家の玄関
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「たっだいまー!」
〇狭い畳部屋
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
〇綺麗なキッチン
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「つッ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「なにやってんだ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ぅぅ」
〇警察署の入口
「ふざっけんな!」
〇警察署の廊下
晴十郎 (せいじゅうろう)「弟が2人いなくなったんだぞ!」
刑事「事件性はない」
晴十郎 (せいじゅうろう)「はぁ!?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あの爆発はっ──」
刑事「我々はこの件に関わらん」
晴十郎 (せいじゅうろう)「なっ!待てコラッ!」
〇綺麗なキッチン
晴十郎 (せいじゅうろう)「なんで」
ユキ「セイちゃん」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「今よ、カレー作ってんだっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あいつらアホみたくカレー好きだからさ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「きっと・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ッ!」
ユキ「・・・」
〇黒
〇飛空戦艦
〇上官の部屋
モップゥ大統領「十字軍は聖杯と呼び」
モップゥ大統領「古代中国では玉璽と言ったか?」
モップゥ大統領「それこそが君だ」
モップゥ大統領「さぁ、俺に権利をくれ」
モップゥ大統領「全世界を支配する権利を!」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
〇謁見の間
雨之進 (あめのしん)「天命ぞ?」
天帝「うむ」
天帝「権利とは」
天帝「人を守るもの」
天帝「我らが授ける天命も同じ──」
天帝「悪党に授けてはならんぞ?」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
〇上官の部屋
雨之進 (あめのしん)「断る」
モップゥ大統領「はぁ」
モップゥ大統領「下手にでりゃ、これだ」
モップゥ大統領「クソガキが」
モップゥ大統領「見てみな」
雨之進 (あめのしん)「あっ」
〇古いアパートの居間
〇上官の部屋
雨之進 (あめのしん)「初号機!」
モップゥ大統領「いつでもブチ殺せまーす」
モップゥ大統領「わかるよな?」
雨之進 (あめのしん)「くぅ」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
雨之進 (あめのしん)「わかった」
雨之進 (あめのしん)「だから初号機っ」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
雨之進 (あめのしん)「お兄ちゃんはっ──」
エージェント「プレジデント!敵襲です!」
モップゥ大統領「ふん、中国か?」
エージェント「男の娘ですッ!」
モップゥ大統領「はぁッ!?」
〇飛空戦艦
〇宇宙戦艦の甲板
〇宇宙戦艦の甲板
〇上官の部屋
モップゥ大統領「全滅!?」
赤太郎「ふふっ」
赤太郎「当然でしょう」
モップゥ大統領「ヤツは何だ一体!?」
赤太郎「彼は・・・」
〇戦場
耽美な男の娘のみで構成される
とある秘密結社に所属していた
〇基地の広場(瓦礫あり)
単体で国家規模の戦力に匹敵し
その力は──
もはや『抑止力』と呼ぶにふさわしく
〇荒廃した街
彼らはこう呼ばれている──
〇荒廃した教会
耽美抑止力結社
『紫幇』(ヅゥパン)
〇上官の部屋
モップゥ大統領「『紫幇』だと?」
雨之進 (あめのしん)「弐号機?」
〇宇宙戦艦の甲板
曇兵衛 (どんべえ)「あーぁ」
曇兵衛 (どんべえ)「オモチャじゃ満足できねーよ」
「待っていたぞッ──!!」
赤太郎「くもりぃッ──!!」
赤太郎「その首」
赤太郎「我ら『耽美教団』が頂戴します」
曇兵衛 (どんべえ)「どこのかっぺだよ」
赤太郎「タマもらいますッ!」
〇黒背景
〇宇宙戦艦の甲板
赤太郎「取ったぁ〜」
曇兵衛 (どんべえ)「かかってくるなら──」
曇兵衛 (どんべえ)「この如何ともし難い、耽美の差を」
曇兵衛 (どんべえ)「ちったぁ埋めてから」
曇兵衛 (どんべえ)「かかってこいッ!」
〇飛空戦艦
〇街の全景
〇訓練場内
〇崩壊した訓練場内
赤太郎「ぁぉぉ・・・」
〇黒
〇上官の部屋
曇兵衛 (どんべえ)「見っけ」
曇兵衛 (どんべえ)「帰るぞー、チビ太郎」
雨之進 (あめのしん)「よいのか?」
雨之進 (あめのしん)「朕は帰っても」
雨之進 (あめのしん)「一緒におっても」
曇兵衛 (どんべえ)「あ?」
雨之進 (あめのしん)「朕のせいで危ない目に」
曇兵衛 (どんべえ)「俺はヨユー」
雨之進 (あめのしん)「初号機が──」
〇綺麗なキッチン
〇上官の部屋
雨之進 (あめのしん)「・・・」
雨之進 (あめのしん)「弐号機!」
雨之進 (あめのしん)「権利をやる!」
雨之進 (あめのしん)「今すぐ帰宅する権利ぞ!」
曇兵衛 (どんべえ)「カレー食いたいのか」
雨之進 (あめのしん)「うむ!」
曇兵衛 (どんべえ)「・・・はいよ」
曇兵衛 (どんべえ)「ま、さっきの話は──」
曇兵衛 (どんべえ)「坊やに直接聞けよ」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
〇黒
〇綺麗なキッチン
※晴十郎の男前カレー(甘口)
晴十郎 (せいじゅうろう)「上出来っ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ごめんな」
晴十郎 (せいじゅうろう)「こんな遅くまで」
ユキ「僕は平気だよ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「なぁ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「カレー、食べてけよ」
ユキ「え?」
ユキ「でも、それは・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ユキ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「帰らないで」
ユキ「えっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「今夜だけでいいから」
晴十郎 (せいじゅうろう)「一緒に・・・」
ユキ「セイちゃん」
ユキは晴十郎を優しく抱きしめた
流れるようなイケメンぶりである
「セイちゃん・・・」
「ユキ・・・」
雨之進 (あめのしん)「権利をやるッ──!!」
雨之進 (あめのしん)「カレー大盛りの権利ぞッ!」
雨之進 (あめのしん)「ぽっ!?」
〇平屋の一戸建て
「発情ぉぉッ──!?」
〇狭い畳部屋
晴十郎 (せいじゅうろう)「って、お前らぁー!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ナニしとったんじゃ!?」
雨之進 (あめのしん)「そんなことより、カレーぞ!」
曇兵衛 (どんべえ)「そやな」
曇兵衛 (どんべえ)「わてらがおらん間」
曇兵衛 (どんべえ)「エッチなことしとったんやし」
晴十郎 (せいじゅうろう)「しとらん!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「これからするとこだったの!」
「ほぅ?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「はっ!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「カレー食うぞ、野郎ども!」
(発情期ですやん)
〇平屋の一戸建て
「ぅんまッ──!!」
〇狭い畳部屋
〇平屋の一戸建て
〇露天風呂
〇古いアパートの居間
雨之進 (あめのしん)「・・・」
雨之進 (あめのしん)「お願いぞ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ん?」
雨之進 (あめのしん)「朕に権利をくれ」
雨之進 (あめのしん)「家族になる・・・権利ぞ」
曇兵衛 (どんべえ)「・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「断る」
雨之進 (あめのしん)「えっ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「権利もらって」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ポンと家族になれっかよ」
晴十郎 (せいじゅうろう)「一緒に飯食って」
晴十郎 (せいじゅうろう)「喧嘩したり笑ったり」
晴十郎 (せいじゅうろう)「色々積み重ねてよぉ」
曇兵衛 (どんべえ)「そうやって」
曇兵衛 (どんべえ)「だんだん家族になってくんやな?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「そうそう!」
雨之進 (あめのしん)「朕も?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「あったりめえだ!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「お前らが居なくて」
晴十郎 (せいじゅうろう)「俺は」
晴十郎 (せいじゅうろう)「ぅ・・・」
晴十郎 (せいじゅうろう)「勝手にいなくなんなボケェー!」
曇兵衛 (どんべえ)「雨ちゃん」
曇兵衛 (どんべえ)「そういうことやって」
雨之進 (あめのしん)「・・・」
雨之進 (あめのしん)「うん」
〇平屋の一戸建て
「あっ」
「お前ら忘れてんぞー」
〇狭い畳部屋
「え?」
晴十郎 (せいじゅうろう)「帰ったら、まずは?」
「・・・あっ」
「・・・」
「ただいま!」
晴十郎 (せいじゅうろう)「うん」
〇平屋の一戸建て
「おかえり」
圧倒的揺るがぬ耽美……!
どこのワールドゲートに迷い込んだのかと思いました。 全てを耽美で言いくるめ、押して参るような勢いある世界観が好きです😊 新たな扉が開きそうでした。
しかしお父さん……何者??😳
耽美!!凄い表現の数々でした!!✨
男の娘たちで構成される家族!!とても、新しいですね✨😊面白かったです✨
聖剣・・・・・・(。・ω・。)
耽美が煮詰まりすぎてヤバい…
男の娘だけで形成されている組織、形成が困難な気がするが、この世界だとむしろ圧倒的多数派なのか…⁉︎