不燃神~フネンガミ~

山本律磨

降臨 (2)(脚本)

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山本律磨

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〇役所のオフィス
御厨「あはははは」
剣持「笑い事じゃないわよ」
御厨「だって随分理に適ってるなと思って」
御厨「あ~おいしい」
剣持「どういう意味よ」
御厨「煎茶の香りは青葉アルコールによるものと言われててね」
剣持「そっちじゃない」
剣持「『アレ』の何が理に適っているの?」
御厨「顕現したる女神、天探女かい?」

〇裁きの門
御厨「そもそも日本の神様ってのは外国の神様と違って、その状況状況によって沢山作られていくべきものなんだ」
御厨「『ただひとつの主』なんて、はなから存在してないんだよ」
剣持「そんな・・・都合よく神様をポンポン作るなんて」
御厨「作ってるじゃないか。都合よく、八百万(やおよろず)も」
剣持「・・・あ」
御厨「つまり『誰か』が『何か』を神にしようと考えたとする」
ただ幸せを追い求める男たち「う~ん歌も踊りも1億兆年に一人の逸材!」
ただ幸せを追い求める男たち「彼女のような存在は、未来永劫現れないであろう!」
御厨「そしてファンクラブのようなものを作る」
「まさに神!」
御厨「ちなみに昨今のリスクマネジメントも鑑みてこちらのバージョンも追記しておく」
御厨「男と女でファンのビジュアルに若干の格差があるのもリスクマネジメントだ」
御厨「いつ何が炎上に繋がるか分からないからね」

〇役所のオフィス
剣持「妙な予防線はいいから話を進めなさい」
御厨「つまり、神様はアイドル。信徒はファン。神社は地域のコミュニティセンターにして情報発信センター」
御厨「日本の神社仏閣の根本にある歴史的なマインドはそういうものだったのさ」
御厨「ま、僕に言わせればあの地主、粗暴な言動とは裏腹にかなりのインテリのはずだよ」
御厨「すくなくとも日本国民の信仰心の如何ともしがたい脆弱さくらいは知っているはずさ」
御厨「見事、ゴミの神社を正当化させる御神体を作り上げてしまったくらいだからね」
御厨「その女、雇ったバイトか何かじゃないの?」
御厨「愛人だったりして」
剣持「冷静な分析にゲスい妄想を差し挟む余裕があったら少しは半崎を説得してよ」
剣持「あんた一応神主でしょ」
剣持「ゴミ神社に神様まで降臨しちゃったのよ。これはもう明らかに異常事態だわ」
御厨「フッ・・・やれやれ」
御厨「君は過疎集落を一手に管轄する神職の多忙さを理解してないようだ」
御厨「僕が引き受けてる神社は、この村だけじゃないんだからね」
御厨「大体ここ数年冠婚葬祭なにもない、時間も空間も停止したような羽々矢村神社になんていちいち構ってられ・・・」
御厨「速やかに問題解決に伺います」
剣持「ありがとう」

〇古びた神社
剣持「全く、あのオッサン新興宗教でも始める気かしら?」
剣持「何が神様だか・・・」

〇古びた神社
MEGU「・・・」
  コンッ!
MEGU「あたっ!」
MEGU「・・・!」
MEGU「コラ―。出てといでー」
MEGU「小石だって当たり所悪かったらケガすんだぞー」
勝「へへへっ!」
勝「ねー。おねーさん神様なのー?」
貴志「変な恰好~」
紀代子「わるいわよー。あれがせいいっぱいのおしゃれかもしれないんだからー」

〇水玉2
MEGU「うわ~出たよ~第1ターニングポイントでありがちなパターン!地元のイタズラっ子達とのご都合主義な邂逅!」
MEGU「だが。しかし。そう。このクソガキどもがクライマックスで窮地を救ってくれる伏線になるに決まってる!」
MEGU「だからここは天然不思議少女なお姉さんを装って広い心で接しておいて、イの一番に手なずけておくに限るぜひっひっひ!」
MEGU(あら~可愛い妖精さんが三人も!)
MEGU(私、MEGUっていうの!ヨロシクね!)
MEGU(てへっ!)
勝「それ本音と建前が逆、のパターンだよ」
MEGU「ぬかったあああああああああああッ!」

〇水玉2
MEGU「また来週」
  つづく

次のエピソード:接触(1)

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