教育再生プログラムー天才の復讐ー

YO-SUKE

第ニ話「かくれんぼ」(脚本)

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〇広い公園
同級生「おーい。輝明も遊ぼうぜ」
  小学生の頃、親が厳しかった俺は、
  毎日塾通いだった
  放課後、公園で友達と遊ぶ時間なんて
  許されなかった
伊良部輝明「ごめん。塾があるからまた今度」
同級生「ちぇ。あいつほんとノリ悪いよな」
伊良部輝明「・・・・・・」
貫地谷進「一緒に帰ろうぜ」
伊良部輝明「言っただろ。塾があるって」
貫地谷進「じゃあ塾まで一緒に歩こうぜ」
伊良部輝明「みんなと遊んでたんじゃないのか?」
貫地谷進「ああ。でもお前とも仲良くなりたいんだ」
  優しくて、友達想いだった
  貫地谷進(かんじやすすむ)
  俺の一番の親友だった・・・
  その進を殺した楠木良太を、
  俺は絶対に赦さない

〇教室
サクマ「改めて、第一の課題かくれんぼの ルールを説明しましょう」
サクマ「最初の3分間、皆さんはこの学校の 好きなところに隠れてもらいます。 ただし学校の外は禁止です」
小沼雄一郎「あ、あの! もし学校の外に出たらどうなるんですか?」
サクマ「今廊下で転がっている子と 同じ結末になりますね」
小沼雄一郎「! そ、そんな・・・」
サクマ「皆さんが隠れた後、こちらで用意した 3人の鬼が、30分間皆さんを探します」
サクマ「見つかってタッチされたら 皆さんの負けです」
サクマ「逆にタッチされなければ、 見つかっても構いません」
小沼雄一郎「どういうこと?」
伊良部輝明「体力に自信がない奴は上手く隠れればいいし、逆に自信があればタッチされないように逃げ回ればいいってことだろ?」
サクマ「タッチされた瞬間に その生徒は射殺されます」
サクマ「全員が生き残る可能性もあるし、 全員が死ぬ可能性もある」
サクマ「さあ、がんばってください」
久保桃子「冗談じゃない・・・! そんな課題、やるわけないでしょ!?」
伊良部輝明「・・・でも、やらなければ、 ただ無益に殺されるだけだ」
久保桃子「なっ・・・!」
サクマ「その通り。勘違いしないほうがいい。 底辺に生きるウジ虫以下の皆さんに 人権はありません」
サクマ「そして一週間後。皆さんは人として 大きな成長を遂げられるでしょう」
サクマ「それでは課題スタートです」
久保桃子「ちょっと! いきなり!?」
  ─03:00─
  ─02:59─
  ─02:58─
  ・・・・・・
「・・・・・・」
サクマ「・・・懸命な判断です」
サクマ「さあ、皆さんもお急ぎください」

〇学校の廊下
伊良部輝明「最初の課題で、 楠木をハメるのは厳しいだろう」
伊良部輝明「まずは復讐よりも 自分が生き残ることを考えないと・・・」
久保桃子「ね、ねえ! ちょっと待ってよ! 私も連れて行って」
伊良部輝明「なんで俺が?」
久保桃子「あんた何考えてるかよくわかんないけど、頭は良さそうだからさ」
久保桃子「私、バカだけど勘はいいんだよね。 文句言っても勝手について行くから 気にしないで」
伊良部輝明「体力に自信はあるか?」
久保桃子「え? ま、まあ運動神経は 悪いほうじゃないと思うけど」
伊良部輝明「校内は俺なりに色々調べた」
伊良部輝明「逃げ道はいくらでもあるし、 もし足に自信があるなら、 鬼を振りほどけるかもしれない」
久保桃子「え? じゃあ隠れないってこと?」
伊良部輝明「だが鬼は三人だ。この三人がバラバラで 動くのか、チームで動くのかはわからない」
伊良部輝明「もし、体力自慢の鬼だったら、 高校生の脚力で振り切れるとも思えない」
久保桃子「じゃあどうすんのよ・・・?」
伊良部輝明「たとえ見つかっても、タッチされなければセーフ。そこに活路はあると思う」
久保桃子「! だ、誰かが撃たれた!? 鬼がもう放たれたってこと!?」
伊良部輝明「俺は調理場に行く」
久保桃子「はあ? あんなところに隠れる場所なんて──」
伊良部輝明「別についてくる必要はない」
久保桃子「ま、待ってよ! 私も行くって!」
久保桃子「ね、ねえ! 調理場に行くなら、 右の廊下のほうが早いって」
伊良部輝明「向こうは一本道だ。 万が一鬼に挟まれたら逃げ場がなくなる」
伊良部輝明「それにさっきの悲鳴で 鬼の位置は予測できた。 おそらく右の廊下は──」
久保桃子「嘘・・・また悲鳴・・・ しかも右の廊下から・・・ あんたって一体──」
伊良部輝明「そんなことより急げ! もうすぐだ!」

〇広い厨房
伊良部輝明「ここならあれがあるはずだ・・・!」
久保桃子「もう嫌・・・! また銃声が・・・!」
伊良部輝明「大丈夫。そんなに近くはない」
久保桃子「悠長なこと言わないで! すぐに見つかっちゃう! どうするのよ!?」
伊良部輝明「あった・・・! あれだ!」
  奥の方に、料理を運ぶ
  小さなエレベーターがある。
久保桃子「これって、学食に料理を運ぶやつ!?」

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