かつての日常(脚本)
〇黒
「おはよう、アレックス」
〇秘密基地のモニタールーム
サーラ「今日も あなたの記憶《メモリー》を・・・」
サーラ「見せてね──」
〇サイバー空間
〇可愛い部屋
「わああああああ!」
「なんで起こしてくれないの、 アレックス!!︎」
アレックス「何度モ、起こしマシタ」
サーラ「うそ、うそ、うそーー!」
サーラ「遅刻するーー!!」
サーラ「行ってきまーす!!」
アレックス「朝ゴはンハ!?」
「時間ないー!」
アレックス「・・・・・・」
アレックス「ナンということでショウ・・・」
アレックス「せっカク用意したノニ」
アレックス「ワタシは食べられまセン・・・」
アレックス「ドローン」
アレックス「サーラをおいかけテ」
〇可愛い部屋
「ただいまー!」
サーラ「ねーねー 聞いて、アレックス!!」
サーラ「エマったら、ひどいのよ!」
アレックス「そうですカ・・・」
アレックス「でも、サーラ」
アレックス「最初ニ、言ってシマッタのハ、 サーラ、ですヨネ?」
サーラ「・・・・・・」
サーラ「・・・うん」
サーラ「私も、エマにひどいこと 言っちゃった・・・」
アレックス「明日、謝れると、いいですネ」
サーラ「うん」
サーラ「明日、謝るよ」
サーラ「ありがとう、アレックス」
サーラ「ハカセからの通信!」
〇魔法陣のある研究室
ハカセ「やあ、サーラ 調子はどうかな?」
〇可愛い部屋
サーラ「うん、元気だよ」
ハカセ「それはよかった」
サーラ「他のみんなは、元気?」
ハカセ「ああ、みんなそれぞれの 役割を果たしているよ」
ハカセ「明日は アレックスのメンテナンスをしよう」
ハカセ「サーラも見学するかい?」
サーラ「うん、するする!」
アレックス「それは・・・」
アレックス「人間デ言うところノ、 恥ずかしイというヤツですネ・・・」
〇可愛い部屋
〇開けた交差点
〇可愛い部屋
アレックス「地震デス!」
アレックス「頭を守っテ、身を低クしてくだサイ!」
「アレックス、怖いよぅ・・・」
アレックス「今、行きまス」
ハカセ「みんな・・・!!」
〇魔法陣のある研究室
ハカセ「自分の身を────」
ハカセ「とにかく────」
ザザッ──
ハカセ「────!! ────!!」
〇黒
〇可愛い部屋
サーラ「ハカセ・・・!」
アレックス「いけなイ・・・! 崩れル・・・!!」
アレックス「サーラ!!!!」
〇黒
「きゃああああああああっっ!!!!」
〇黒
「う、う・・・」
「ここ・・・は・・・?」
「頭・・・いたい・・・」
「わわっ・・・!」
「血が出てる・・・!?」
「どうしよう・・・ 真っ暗で何も見えないよ・・・」
アレックス「サー・・・ラ・・・」
「だ、だれ!?」
アレックス「よか、っタ・・・ 無事、だったノですネ・・・」
「どこから聞こえるの・・・?」
アレックス「今・・・カメラを、つけマス・・・」
〇秘密基地のモニタールーム
サーラ「・・・」
サーラ「ロボット・・・?」
アレックス「ああ・・・だめデス・・・」
アレックス「どこかガ、故障、したようでス・・・」
アレックス「サーラの顔モ・・・ はっきりト 見えまセン・・・」
サーラ「サーラ?」
サーラ「私の名前・・・?」
アレックス「サーラ・・・?」
頭蓋部損傷・・・・・・
生命ニ別状ナシ
アレックス「サーラ、記憶ガ・・・?」
サーラ「わからない・・・」
アレックス「とりあえズ、止血をしまショウ」
アレックス「ハッチを 開けテくだサイ」
サーラ「・・・こう?」
アレックス「救急用品ガ、入っていマス」
サーラ「ん・・・」
サーラ「包帯、巻いたよ」
アレックス「動ケそうですカ・・・?」
サーラ「なんとか・・・」
アレックス「ドローン」
サーラ「かわいい・・・」
アレックス「この子ハ、ワタシの目デス」
アレックス「ワタシの意志で動くノでスガ、」
アレックス「ワタシは、おそらク もう 長く持ちまセン」
アレックス「そうなル前ニ、」
アレックス「ドローンと一緒ニ」
アレックス「外を 見てきテくだサイ」
サーラ「どうして?」
アレックス「人間ノ 記憶というモノは 脆く ハかナイ・・・」
アレックス「時間ト共に 薄れテしまいマス」
アレックス「忘れテしまう前ニ、ワタシのメモリーに 保存しテおきまス」
サーラ「わかった。ええと・・・」
アレックス「ワタシハ、アレックス」
アレックス「ワタシハ、アレックス 覚えテ おいてくだサイ・・・」
サーラ「アレックス、行ってくるね」
アレックス「地下ノ モニタールームに落ちたノガ 幸いデシタ・・・」
アレックス「サーラが、メモリーを見られルようニ」
アレックス「コネクタ部分ヲ 開けテおきまショウ・・・」
〇荒廃した街
サーラ「そ、そんな・・・」
サーラ「なんで、こんなことに・・・!?」
サーラ「誰、か・・・」
サーラ「誰かーーーー!!」
「いたら返事してーー!!」
〇秘密基地のモニタールーム
近くニ生体反応ハ ナイ・・・
だけド サーラ
あなたハ、自分ノ目で
見なけれバ ならナイ
こノ 現状ヲ
サーラ・・・
どうカ、いき・・・テ・・・
〇秘密基地のモニタールーム
〇秘密基地のモニタールーム
サーラ「やっと・・・」
サーラ「やっと、見つけた・・・」
サーラ「どうしてこうなったのか・・・」
サーラ「アレックス・・・ ドローン・・・」
サーラ「ハカセ・・・ みんな・・・」
サーラ「エマ、謝りたかった・・・」
サーラ「ぐすっ・・・」
「うわあああああああーーーーん!!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
サーラ「きっと、楽しい思い出もあるよね・・・」
サーラ「メモリーが断片すぎて、探し出すの 大変だけど・・・」
サーラ「あるといいな、楽しい思い出・・・」
〇秘密基地のモニタールーム
サーラ「・・・・・・」
サーラ「今日もありがとう、アレックス」
サーラ「おかげで、またひとつ“私”を 知ることができたよ」
サーラ「今日は、これでおしまいにするね」
サーラ「・・・おやすみ、アレックス」
〇黒
今はもう手に入らない日常を見るというのは、切ないですね……!
せめて、誰か知り合いと再会できるといいですね😭
あと、メンテナンス姿は恥ずかしいんですね😂
テーマ「家族」で、物凄い切り口の作品ですね。そして、切なさに溢れたストーリーに心震えます。この残酷な世界と、慈愛に満ち溢れたアレックスの優しさの対比、、、大好きです。
物語全編で優しい目が感じられるので、ラストが切なかったですね。。
アレックスの「私は食べられないのに…」が可愛かったです☺️