鬼面人の唐紙

キリ

-侍・環-(脚本)

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〇寂れた村
  二人の目の前にやってきて、
  声をかけてくれたのは──
  以前出会った女の子だった
環「この前の・・・」
町娘A「ええ 見知らぬ男から 助けていただきましたね」
町娘A「わたし、用心棒を探しておりまして」
町娘A「男性は怖いので、女性を求めているの」
町娘A「だけど、女性の方は辞められたと聞いて」
環「そ、それは...」
町娘A「わたしが雇い"主"になりますゆえ」
町娘A「よろしければ、わたしのために またこの村をお助けくださいませんか?」
環「私に決める権利は...」
「環...! ?」
環「っ!」
  駆け足で町娘の跡を追ってきたのは、
  お役人だった
環「お役人殿・・・」
お役人「ほお、まさか求めてた侍が お前のことだったとはな」
町娘A「どうか、お願いです!」
環「・・・」
お役人「・・・」
お役人「・・・なってやれ」
環「えっ」
環「しかし、わたしは首を切られたのですぞ?」
お役人「首切りのお前でも、こんなに求められてる 人材なんだ、断るなんて人間腐るぞ」
町娘A「では♪」
お役人「ああ、環のことをよろしゅう頼む」
町娘A「ありがたきですわ~♪」
環「ということは、私はまた刀を振るえる...」
環「・・・」
唐紙「・・・・・・っ」

〇桜並木
唐紙(お侍様、また...)
「唐紙殿?」
環「どうしたのだ、足取りが重いようだが」
唐紙「・・・」
唐紙「オイラ、もう鬼と出会ってほしくないんだ」
唐紙「お侍様に戻ってしまったら、 また、いつ鬼に襲われるか・・・っ」
環「っ!」
環(そうか、唐紙殿は、紫苑という人間と 私を重ねているのか・・・)
環(まったく、鬼なのかが怪しまれる)
環「私は人間だ」
環「だが、己の身は己で守り抜く」
環「もちろん、唐紙殿も、この私が守る」
環「そなたが、人間を守るというのなら 手助けいたす」
環「・・・どうだ?私が侍になることを 許してもらえぬだろうか」
唐紙「そっそれは・・・」
???「おいあんたら・・・」
環「っ?」
???「ちとついてきてくれねえか? 会いたがってるお方がいるんでぇ」

〇森の中
???「連れてきやしたぜ」
なまはげ「うぬ」
  見知らぬ男が出会わせてくれたのは
  神様である なまはげだった
唐紙「なまはげ殿、どうしてオイラたちを?」
なまはげ「用があるのは人間の方だ」
環「わたしに用が?」
なまはげ「ああ〜だが、いまは侍モドキかな」
環「・・・っ」
なまはげ「おいおいそのような顔をするな」
なまはげ「ほれ」
環「かっ、かたな・・・?」
なまはげ「それは"妖刀"だ、人間どもが持ってる刀と 似たような造りにしてやった」
なまはげ「見た目では判断が難しいからなあ」
環「では、これで」
環「鬼を斬れるということか・・・?」
なまはげ「うぬ」
環「・・・っ」
環「あっ」
環「唐紙殿、この妖刀を持っていれば 許してくれるか?」
唐紙「・・・」
唐紙「・・・・・・」
唐紙「・・・うん」
唐紙「ただし!条件がある」
唐紙「オイラ、お侍様のお供になる!」
環「っ!」
環「・・・っ」
環「遅れを取るでないぞ?」
唐紙「そっちこそ!」
  こうして──
  ひとりの女侍と、
  共食い鬼は
  世の鬼退治を志したのだ

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