魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

第18章 新たなる決意(脚本)

魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

今すぐ読む

魔道士は虹色の夢を見る
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇ヨーロッパの街並み
ヴィオラ・コーディエ「なんでミスルトさんがここに?」
ミスルト・ブレイジャー「・・・やはりな こうなるとは思ったが」
ミモザ・クラリティ「学園の方・・・? 皆様のお知り合いですか?」
ミスルト・ブレイジャー「・・・学園長が記憶を封じたのは どうやら本当のようだな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「聞いていたのですか?」
ミスルト・ブレイジャー「用があって城を訪れたのだが なにやら揉めている様子だった」
ミスルト・ブレイジャー「その声を風精術で拾ったら きみたちだったというわけだ」
ヴィオラ・コーディエ「風精術ってそういうこともできるんだ」
ミスルト・ブレイジャー「遠くの音を拾うこともできるし 音を遠くに拡散させることもできる」
ミスルト・ブレイジャー「攻撃力こそ他の属性に劣るが 風精術は補助に長けているからな」
ミスルト・ブレイジャー「それはともかく、だ」
ミスルト・ブレイジャー「本当にミモザくんを連れて行くのか?」
ノエル・エンジェライト「ええ」
ミスルト・ブレイジャー「きみたちは王女をかどわかした罪人となる」
ミスルト・ブレイジャー「スペサルト王は追っ手を差し向けるだろう」
ミスルト・ブレイジャー「きみたちを殺すつもりでな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「そうですね」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ナギット様にとって ヴィオラとノエルは目障りでしょうし」
シグバート・フォン・ブラッドショット「オレを殺せば ブラッドショットに大打撃を与えられる」
ヴィオラ・コーディエ「だからってミモザを置いてけってのかよ!」
ノエル・エンジェライト「納得できません」
ミスルト・ブレイジャー「しかし・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「先輩、わたしたちは 一刻も早く王都を離れなければなりません」
ミスルト・ブレイジャー「では、ひとまずカナリーへ移動しようか」
ヴィオラ・コーディエ「あのオッサン 前みたいにポータル止めてないよな?」
ノエル・エンジェライト「ええ 急がなければ」
ナギットの私兵「見つけたぞ!」
ナギットの私兵「姫を返してもらおう!」
ヴィオラ・コーディエ「ふざけんな!」
ナギットの私兵「このガキ!」
ミスルト・ブレイジャー「風精よ! 我らに天駆ける力を!」
ナギットの私兵「くそっ! どこへ・・・」

〇海沿いの街
  スペサルト王国
  カナリーの町
シグバート・フォン・ブラッドショット「ひとまず窮地は脱したな」
ノエル・エンジェライト「ですが、スペサルトに留まるのは危険です」
ヴィオラ・コーディエ「急いで買い物してくるよ!」
ミスルト・ブレイジャー「しまった・・・ つい反射的に」
シグバート・フォン・ブラッドショット「先輩 おかげで助かりました」
ミスルト・ブレイジャー「・・・共犯となった以上 わたしも腹を括るしかない」
ミスルト・ブレイジャー「ミモザくんを連れて行くのなら力を貸そう」
シグバート・フォン・ブラッドショット「よろしいのですか?」
ミスルト・ブレイジャー「旅に同行することはできないが」
ミスルト・ブレイジャー「それに今回の事態 わたしにも責任の一端がある」
ノエル・エンジェライト「・・・どういうことですか」
ミスルト・ブレイジャー「きみたちとクレーブス島へ行っただろう?」

〇おしゃれな食堂
ミスルト・ブレイジャー「その話を友人にしていたら」
ミスルト・ブレイジャー「バーバラ先生が血相を変えて飛んできた」
ミスルト・ブレイジャー「そしてすぐどこかへ去って行った」
ミスルト・ブレイジャー「そのときは理由がわからなかったが」

〇海沿いの街
ミスルト・ブレイジャー「きっと学園長に報告していたのだろう」
シグバート・フォン・ブラッドショット「なにを話していたのですか?」
ミスルト・ブレイジャー「・・・怒らないでくれよ?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「内容にもよります」
ミスルト・ブレイジャー「・・・ああ ミモザくんを混乱させてしまうな」
ミスルト・ブレイジャー「シグバートくん、こちらへ」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ミモザ・クラリティ「・・・あ、あのっ!」
ノエル・エンジェライト「はい」
ミモザ・クラリティ「お、重いですから・・・ 下ろしてください・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・いえ 問題ありません」
ミモザ・クラリティ「でも・・・」
ノエル・エンジェライト「足に怪我をしたら大変ですから」
ミモザ・クラリティ「うう・・・」
ミモザ・クラリティ(は・・・恥ずかしい! すごく見られてる・・・!)
ミモザ・クラリティ(ヴィオラ様もシグバート様も、あの先輩も)
ミモザ・クラリティ(この方がわたしを抱えるのを 当然のように見ている)
ミモザ・クラリティ(デアネイ様も・・・ この方のことを何度も言っていた)
ミモザ・クラリティ「あの・・・」
ノエル・エンジェライト「はい」
ミモザ・クラリティ「あなたは本当に・・・ ただの同級生なのですか?」
ノエル・エンジェライト「・・・ぼくは・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「そんなことを話していたのですか!?」
ミスルト・ブレイジャー「し、仕方ないだろう 先生に聞かれるとは思わなかったんだ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「だからといって・・・」
ミモザ・クラリティ「どうしたのでしょうか・・・」
ヴィオラ・コーディエ「お待たせー!」
ヴィオラ・コーディエ「靴と服買ってきたよ」
ヴィオラ・コーディエ「とりあえず靴だけ履いちゃおうぜ」
ノエル・エンジェライト「・・・では、下ろします」
ミモザ・クラリティ「ありがとうございます・・・」
ヴィオラ・コーディエ「あのさ、ノエル」
ヴィオラ・コーディエ「きっと戻ると思うんだ ミモザの記憶」
ヴィオラ・コーディエ「・・・父さんと戦ってるとき 一瞬、父さんの動きが止まったんだ」
ヴィオラ・コーディエ「たぶん記憶を取り戻したんだと思う」
ヴィオラ・コーディエ「あのとき気づいてれば・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・すみません」
ヴィオラ・コーディエ「なんで謝るんだよ?」
ノエル・エンジェライト「彼を倒そうと言ったのはぼくですから」
ヴィオラ・コーディエ「・・・仮面の戦士はあたしたちの敵だった」
ヴィオラ・コーディエ「倒して神器を奪い返そうとするのは 当たり前だよ」
ヴィオラ・コーディエ「父さんのことはノエルのせいじゃない」
ヴィオラ・コーディエ「だからミモザのことは ノエルに任せるからな!」
ヴィオラ・コーディエ「あ! もちろんあたしも頑張るよ」
ノエル・エンジェライト「・・・はい」
シグバート・フォン・ブラッドショット「人を賭け事に使わないでいただきたい!」
ミスルト・ブレイジャー「すまない!」
ミスルト・ブレイジャー「しかしだな きみに賭けた者はいなくて不成立に・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「そういう問題ではありません!」
ヴィオラ・コーディエ「シグバート、なに怒ってんだよ?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「まあ、先輩には助けられましたから 差し引きゼロにしましょう」
ミスルト・ブレイジャー「本当にすまないな」
ノエル・エンジェライト「・・・ミスルトさん なぜスペサルタイト城にいたのですか」
ミスルト・ブレイジャー「欠席届を出したら学園長に頼まれたのだ」
ミスルト・ブレイジャー「・・・スペサルトへ行くならば きみたちとミモザくんの接触を防げ、と」
ミスルト・ブレイジャー「きみたちの恋愛は 学園長にとってよほど都合が悪いようだな」
ミモザ・クラリティ「きみ・・・たち?」
ヴィオラ・コーディエ「ミスルトさんは知ってたんだ? このふたりが・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ヴィオラ」
ヴィオラ・コーディエ「おっと・・・」
ミスルト・ブレイジャー「気づかないほうがどうかと思うが」
「・・・・・・」
ミスルト・ブレイジャー「まあ、それはいい」
ミスルト・ブレイジャー「どうも嫌な予感がして 様子を見ていたんだ」
ミスルト・ブレイジャー「均衡を保つために同盟は重要だが 婚姻以外にも同盟を組む方法はある」
ミスルト・ブレイジャー「別の理由があるはずだ」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「わたしもそう思います」
ヴィオラ・コーディエ「神への復讐と関係あるのかな?」
ミスルト・ブレイジャー「待ってくれ それはどういうことだ?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「実は・・・」

〇西洋の円卓会議
宰相グレゴリー・シーン「兵士たちへの根回しは完了しました 姫様がたを追うことはないでしょう」
デアネイ・フォン・スペサルト「ご苦労でした」
宰相グレゴリー・シーン「ただ、陛下の私兵には手が回らず・・・」
宰相グレゴリー・シーン「それと賞金稼ぎに依頼する可能性も」
デアネイ・フォン・スペサルト「父上・・・ プレーンを乗っ取るの、諦めてないのかな」
宰相グレゴリー・シーン「そうであれば、姫様を連れ戻し」
宰相グレゴリー・シーン「ヘンリー王のお妃として 差し出すかもしれませんな」
デアネイ・フォン・スペサルト「そんなの許せない!」
デアネイ・フォン・スペサルト「お願いノエルさん 絶対に姉上を守って」
デアネイ・フォン・スペサルト「記憶を取り戻してあげて・・・!」
宰相グレゴリー・シーン「陛下は変わってしまわれましたな」
宰相グレゴリー・シーン「ヘンリー王への不満を 以前からこぼしておられましたが」
宰相グレゴリー・シーン「なぜあれほどまでに 野心を抱いてしまわれたのか」
デアネイ・フォン・スペサルト「なにが父上を変えたの・・・?」

〇海沿いの街
ミスルト・ブレイジャー「・・・なるほど」
ミスルト・ブレイジャー「学園長が神の遺物を あれほど求める理由がわかったな」
シグバート・フォン・ブラッドショット「信用していただけるのですか?」
ミスルト・ブレイジャー「ヴィオラくんは嘘が吐けないだろうからな」
ミスルト・ブレイジャー「わたしたちは学園長にとって 復讐のための駒なのだろうか」
ノエル・エンジェライト「ぼくたちが・・・駒」
ミスルト・ブレイジャー「わたしの両親は神器の調査隊員だった」
ミスルト・ブレイジャー「調査のさなかで父は死に 母は足を失った」
ミスルト・ブレイジャー「多くの犠牲を出してまで 復讐を果たしたいのか?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「学園長の真意を確かめなければ」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザの記憶も戻してもらわなきゃな!」
ミモザ・クラリティ「わたしの・・・記憶・・・」
ノエル・エンジェライト「どうしましたか」
ミモザ・クラリティ「・・・ごめんなさい なんでもないのです」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「エレスティアへ渡航しよう」
シグバート・フォン・ブラッドショット「今、プレーンを通過するのは危険だ アラゴン山脈を越えて行くぞ」
ヴィオラ・コーディエ「山を越えるのかあ ミモザ、だいじょうぶ?」
ミモザ・クラリティ「はい・・・」
ミスルト・ブレイジャー「母をプレーンから連れ出すつもりだったが」
ミスルト・ブレイジャー「きみたちを助けた以上 スペサルトにはいられないな」
ヴィオラ・コーディエ「ごめんミスルトさん」
ヴィオラ・コーディエ「けど・・・」
ミスルト・ブレイジャー「心配するな 後悔はしていない」
シグバート・フォン・ブラッドショット「先輩、これをお持ちください」
シグバート・フォン・ブラッドショット「母に渡せば ブラッディ城に無期限滞在できます」
シグバート・フォン・ブラッドショット「どうかご無事で」
ミスルト・ブレイジャー「ありがとう きみたちも元気でな」
ミスルト・ブレイジャー「ミモザくんの記憶が戻ることを願っている」
ヴィオラ・コーディエ「ありがと、ミスルトさん!」
シグバート・フォン・ブラッドショット「乗船の手続きをしてくる」
ヴィオラ・コーディエ「あたしも!」
ミモザ・クラリティ「あっ、ヴィオラ様!」
ミモザ・クラリティ(この方とふたりでいると ・・・胸がざわざわする)
ミモザ・クラリティ(なるべくふたりきりにならないほうが いいのかしら・・・)
ノエル・エンジェライト「・・・ミモザさん」
ミモザ・クラリティ「はっ、はい!?」
ノエル・エンジェライト「学園長と相対するのは・・・ ・・・恐ろしいですよね」
ノエル・エンジェライト「・・・ですが 貴方はぼくが守ります」
ノエル・エンジェライト「今度こそ・・・絶対に」
ミモザ・クラリティ「あ・・・ありがとう」
ミモザ・クラリティ「あの、ノエル様・・・」
ヴィオラ・コーディエ「おーい! 乗船の準備ができたよ!」
ノエル・エンジェライト「・・・行きましょう」
ミモザ・クラリティ「は、はい・・・」

〇ファンタジーの学園
バーバラ先生「学園長 お出かけですか?」
キープレート学園長「ええ ディアマンテへ向かいます」
キープレート学園長「王都ディアの王立図書館に用がありまして」
キープレート学園長「ヴィオラくんたちはエレスティアへ向かったと報告を受けました」
キープレート学園長「合流して今後のことを 話し合えるかもしれません」
キープレート学園長「留守のあいだ学園を頼みます」
バーバラ先生「承知しました お気をつけて」
キープレート学園長「・・・・・・」
キープレート学園長(そろそろアイオを片付けねば)
キープレート学園長(それにヴィオラのことだ プルウィルストーンを入手したら)
キープレート学園長(ミモザを連れ出そうとするだろう)
キープレート学園長(・・・もしかしたらノエルも・・・)
キープレート学園長(ミスルトはあくまで保険)
キープレート学園長「あまりこの手は使いたくなかったが」
キープレート学園長(ノエルの心を折るためだ)
キープレート学園長(あれに眠る天使の力 失うわけにはいかない)

次のエピソード:第19章 それぞれの思い

コメント

  • ミスルト、いい人と思ったけれどやっぱりこの先でもキープレートに使われちゃうんですかね?ひええ…….
    ミモザもいい子だから、皆の負担になってると思ってると思うし、ナギットもまだミモザを利用しようとしてるっぽいし……。
    学園長の目的はやっぱりノエルの力を目覚めさせることなんですね🤔
    複雑に絡んだ思惑が、今後どうなっていくのか楽しみです😊

ページTOPへ