4霊目 学校の階段の怪談?(前編)(脚本)
〇階段の踊り場
?「いつまでココに居たら良いの?」
?「誰か助けて・・・」
?「私をココから出して!!」
〇学校の校舎
〇教室
壱哉(いちや)「オカルト同好会が主催する 学校の不思議体験ツアーは本日開催!」
壱哉(いちや)「今夜8時に旧校舎玄関前に集合ですぞ!」
壱哉(いちや)「なお、幽羅と都成は強制的に参加であります!!」
「エエッ!?」
灯(あかり)「私たち、オカルト同好会じゃないよ」
琢磨(たくま)「右に同じだ」
壱哉(いちや)「フフ・・・これに見覚えはないのかい?」
灯(あかり)「昨日の小テストじゃない。 それがどうしたの?」
琢磨(たくま)「アアッ!?」
琢磨(たくま)「よく見たらカーボン紙が挟まっている!」
琢磨(たくま)「まるで入会書にサインしたように見えるぞ!」
琢磨(たくま)「普通に勧誘したら良いのに、小賢しい!」
灯(あかり)「今まで1人で活動してきたのに、 何で急に?」
壱哉(いちや)「旧校舎の2階の踊り場に、大きな姿見鏡があるだろう?」
灯(あかり)「通称『トワイライトゾーン』ね」
琢磨(たくま)「階段の段数を数えてから覗き込むと異世界に連れていかれる」
琢磨(たくま)「という設定の『アレ』な」
壱哉(いちや)「それが、昨日肝試しで立ち入った生徒が1人、本当に帰って来なくて大騒ぎなんだ」
琢磨(たくま)「マジなのかよ・・・」
壱哉(いちや)「生徒会が俺に秘密裏に調査を依頼してきたんだが」
壱哉(いちや)「調査の証拠としての動画を撮るカメラマンが居なくてな!」
琢磨(たくま)「自撮りでも良いではないか」
壱哉(いちや)「ぶ、ぶっちゃけ1人で夜の学校を徘徊するのが怖いんだよ〜!」
壱哉(いちや)「頼むから付いて来て〜!!」
琢磨(たくま)「今すぐオカルト同好会を解散しろ!」
灯(あかり)(この辺りで強力なユーレイは見たことないのよね)
灯(あかり)「今回だけなら良いよ!」
琢磨(たくま)「エ!? 灯くんが行くなら僕も!」
壱哉(いちや)「ココロの友たちよ!」
壱哉(いちや)「明日、必ず入会届を顧問に提出しておきますぞ!!」
「調子に乗るな!?」
〇豪華なリビングダイニング
帳(とばり)「夜の学校の不思議体験ツアー!?」
帳(とばり)「面白そう!オイラも行きたい!!」
ママ「私たち地縛霊なのに、 今更スリルを味わえるかしら?」
パパ「男子2人と夜の学校を探検!?」
パパ「灯よ」
パパ「いくらお前が可愛くても流石に男2人を手玉にとるのは小悪魔すぎるぞ」
灯(あかり)「そう言うのじゃないから!」
パパ「でも、若い女のコが夜のお出かけなんて 心配だな」
パパ「悪霊とか居たら困るし」
パパ「パパが付いて行こうかな〜」
ママ「パパが心配なのは、灯に悪い虫がつかないかよね」
灯(あかり)「大丈夫! 学校を一周するくらいだから、すぐに戻って来るよ」
灯(あかり)「みんな心配しないで!」
クロ(おかしな霊波を感じる)
クロ(なんだか嫌な予感しかしないぜ)
クロ(オレだけでもこっそり付いて行くか)
〇廃墟と化した学校
琢磨(たくま)「新校舎ができる前は通っていたのに」
琢磨(たくま)「夜来ると不気味だな」
灯(あかり)「取り壊しは先月だったハズよね?」
琢磨(たくま)「幽霊騒ぎで予定が延びたらしい」
灯(あかり)「先月から騒ぎにはなっていたのね!」
灯(あかり)(いつもなら強い霊気には気づくハズなのに・・・)
壱哉(いちや)「ママまさか、コココここまで来て」
壱哉(いちや)「ヒヒヒヒヒヨッている奴はいねーよな!?」
琢磨(たくま)「僕の後ろで震えながら言う台詞か!!」
壱哉(いちや)「ハッハッハッ! 2人を試しただけですぞ!」
壱哉(いちや)「冗談冗談!」
壱哉(いちや)「♪オバケなんかないさ〜 なんにもないさ〜♪」
琢磨(たくま)(コイツ震えで膝が笑ってるぞ! かなり無理しているな)
壱哉(いちや)「準備は良いか? さあ、付いてくるであります!」
琢磨(たくま)「だから、前を歩けよ!」
壱哉(いちや)「怖いんだよォォー!」
〇階段の踊り場
壱哉(いちや)「13段、14段・・・コレが14段であります!」
壱哉(いちや)「そして踊り場の鏡を覗き込むと・・・」
ウガッ!!!!
琢磨(たくま)「あービックリした! 僕らが映っただけか」
灯(あかり)「これが問題の鏡ね・・・ ずっと見ていたら吸い込まれそう」
琢磨(たくま)「本当だね」
壱哉(いちや)「ん? この鏡・・・曇りだしたぞ!?」
壱哉(いちや)「でッ、出た〜!!」
琢磨(たくま)「アワワワ・・・」
壱哉(いちや)「こっ、腰が抜けて立てない!」
灯(あかり)「あなたは誰なの?」
?「私に尋ねたの?」
灯(あかり)「私は幽羅灯!」
灯(あかり)「霊媒体質でユーレイとお話しできるんだよ!」
?「ユーレイ・・・私がユーレイですって?」
古森詩(こもり うた)「私は怪奇学校の風紀委員・古森詩(こもりうた)よ!」
古森詩(こもり うた)「お願い、私をココから出して!」
灯(あかり)「アナタに一体、何があったの?」
古森詩(こもり うた)「私は・・・分からない。 覚えていないの」
古森詩(こもり うた)「なぜユーレイになってしまったのか、 なぜ鏡の中に居るのか」
灯(あかり)(建物の中に居るということは、 地縛霊なのかしら?)
灯(あかり)(それとも、昨日神隠しにあった生徒!?)
灯(あかり)「ココに居れば保安局に成仏させられる心配はないけど・・・」
古森詩(こもり うた)「成仏だなんて!」
古森詩(こもり うた)「私はこんなトコロに居たくはない! ココは怖いし寂しい・・・」
古森詩(こもり うた)「家に帰りたい!!」
琢磨(たくま)「灯くん、 さっきから1人で何を言っているんだい!?」
琢磨(たくま)「一瞬、手が写ったように見えたが・・・ 幻覚か?」
壱哉(いちや)「余計に怖くなるから、 そういうのはヤメロよ!」
灯(あかり)(琢磨たちには鏡の手は見えたのに、古森さんの声が聞こえていない)
灯(あかり)(どういうことなのかしら)
古森詩(こもり うた)「何度も何度も鏡を壊したのに、また直ってしまうの」
古森詩(こもり うた)「もう嫌!ココから私を出して!!」
灯(あかり)「落ち着いて!」
灯(あかり)「私もアナタを鏡から出してあげたい」
灯(あかり)「一旦、家族に相談させてほしいの」
灯(あかり)「私の家族は地縛霊だから、 何か手がかりがあるかもしれない」
古森詩(こもり うた)「駄目よ!」
古森詩(こもり うた)「そんなこと言って、私をココから出さないつもりでしょ?」
灯(あかり)(雰囲気が変わった・・・!?)
古森詩(こもり うた)「逃さないから・・・」
灯(あかり)「イヤッ!」
「キャアアアア!!」
琢磨(たくま)「灯くん!」
壱哉(いちや)「アアア・・・ 灯と琢磨が鏡に吸い込まれた!?」
壱哉(いちや)「たっ、助けて〜!」
クロ「あれは・・・!」
クロ「ヤバイ奴に関わっちまった! 千比呂たちを連れてこよう!!」
〇豪華なリビングダイニング
クロ「家族揃ってあの世のスーパー銭湯に行っただと!?」
吐鬼(とき)「千比呂があんまり灯を心配するから、柳が気を利かせて連れ出したのじゃ」
吐鬼(とき)「俺様に留守番させてな!」
クロ「よく引き受けたな!」
クロ「う〜! 灯りの一大事になんたることだ!」
吐鬼(とき)「ほほう。 娘が一大事とな!」
吐鬼(とき)「面白そうな案件じゃのう」
吐鬼(とき)「犬コロよ、保安局の鬼である我に話してみろ」
吐鬼(とき)「場合によっては出動してやらんでもない」
〇露天風呂
パパ「ババンパバンバンバン!」
帳(とばり)「アー・ビパピパ!」
パパ「ババンパバンバンバン!」
帳(とばり)「アー・ヨッコイショ!」
ママ「帳、パパ〜。 そろそろ出ないと成仏するわよ〜!!」
「ハーイ」
パパ「アッ、しまった!」
帳(とばり)「も〜!パパ〜!! お風呂でオナラはマナー違反だよ!!」
パパ「ゴメンネ! 父ちゃんヘ(屁)タこいた!」
パパ「屁だけに!」
帳(とばり)「クサイ!サイテ──!!」
今回は一話で終わらず次回へと、しかも今までと違ってかなりなシリアスな展開、手に汗握ますね。
色々なシチュエーションの作品を作れるのが良いですね、元々家族が地縛霊だから、ホラー路線にシフトしても違和感がないですし。
スチルの波紋エフェクト、良かったです。カーボンシートにドリフは世代の近さも感じて面白かったです。
アノベ風ですが、本作は長編の要素が多めに入ってていいですね。そして今回シリアス展開!素敵!これが落選なのは松竹との相性でしかないです。おかげで作者による続編が読めて僕は嬉しい。
うちだったらラストの引きのために猫の緊張した辺りで止めていたと思いますが最後にほんわかで締めるのが作者の好みを感じました。
毎回のごとく、メインキャラを食ってしまう濃ゆさのサブキャラが…🤣
そして、唐突のスーパー銭湯!「そろそろ出ないと成仏するわよ~」に完全にヤラレました🤣🤣家族シーンの会話の楽しさは唯一無二ですね、特にパパの扱い……