第十三話「叶った夢」(脚本)
〇おしゃれな居間
──団体基地
「おう、おかえり」
甘音主乃「わわっ! ただいま〜!」
数多声野「ただいま戻りました!」
「初陣だったんだろ? お疲れ様。 どうだった?」
猫野先都「緊張したし、主ちゃんったら無茶な命令するんだもん、ビックリしちゃった」
甘音主乃「許せ・・・」
「んま、そんなもんだろ。咄嗟の判断力が重要だからな」
猫野先都「あなたまでそれ言うの〜?」
甘音主乃「大体こんなもんよ。 俺ら以外に魔獣を倒せる団体は今のところ無いからね、俺らがやるんだ」
猫野先都「それもそっかぁ・・・」
数多声野「そういえば、放送越しの方はお名前はなんと言うのです? 姿も見た事がありませんが・・・」
猫野先都「えっ! 声野くんも見た事にゃいの?」
数多声野「ええ、どんな方なのかすらも聞かされてないのです」
甘音主乃「そのうち分かるんじゃない?」
猫野先都「主ちゃんは会った事あるの?」
甘音主乃「そりゃ勿論! この団体を築いたのも、俺とあの子だし。 名前も姿形も知ってるよん!」
甘音主乃「んま、これだけ言っとくと、「女の子」だよ」
数多声野「は、はあ・・・」
「んなの、聞かなくたって分かんだろ・・・ いつかきっと会えるからな、そん時までの辛抱だ。・・・辛抱する事無いけどな!」
「それと、猫野。お前に朗報だ」
猫野先都「ん? にゃに?」
「国立花丘中学高等学園に教師として就けるってさ」
猫野先都「・・・へ?! あの、主ちゃんの学校に?!」
「おう。しかも、高校の理科教師だとさ。 担任は持たないけど、その年も来るかもなってさ。良かったな」
猫野先都「や・・・・・・やったぁぁあ!!」
猫野先都「やった! やったよ主ちゃん!!!」
甘音主乃「良かったぁ!!」
数多声野「教師になれるんですか! おめでとうございます!」
数多声野「頑張って下さいね♪」
猫野先都「もちろんだよ!」
「教材とか心得とかは全部まとめて家に届いてるってさ」
猫野先都「マジか! 確認しにゃいとね・・・」
甘音主乃「今日のやる事は全部終えたわけだし・・・解散としましょか!」
数多声野「はい! お疲れ様でした!」
猫野先都「んじゃ、また学校でね! 主ちゃん」
甘音主乃「はいよー!」
こうして、先都の教師になるという夢が叶ったのであった。
〇謁見の間
──魔王城
マリア=ルルーシュ「レイは?」
赤月 零「はい、ここに・・・」
マリア=ルルーシュ「魔獣生産は? 活用は?」
マリア=ルルーシュ「ここ最近ではかなり厳しくなっているみたいだけど、何かあったの?」
赤月 零「ええと、それがですね・・・ヒーロー団体を立ち上げ、魔獣の侵攻を食い止めている者がいるようでして」
赤月 零「生産はできますが、向こうでの生存率が10%を切っています」
マリア=ルルーシュ「なんですって?!」
マリア=ルルーシュ「人間に魔力を持った者がいるとでも言うの?!」
赤月 零「はい」
マリア=ルルーシュ「誰?」
赤月 零「はっ、「甘音」という名字の者です」
マリア=ルルーシュ「「甘音」・・・そう、覚えたわ。レイ!」
赤月 零「はい?」
マリア=ルルーシュ「私立月光図書学院という学校で「文化祭」と呼ばれる催しがあるという話よ」
赤月 零「・・・」
マリア=ルルーシュ「察したかしら? 魔獣を送り込んで騒がせた後、あなた自身が破壊の限りを尽くしなさい・・・いいわね?」
赤月 零「はい、仰せのままに」
〇実験ルーム
──魔獣生産施設
赤月 零(魔力を使う人間、か・・・)
赤月 零(お母様はああ言っていたけれど、興味には勝てないよね!)
赤月 零「ちょっと挨拶しに行こっ!」
知らぬところで興味を持たれてしまった主乃。どうなることやら・・・