神様と神職、そしてアレな参拝者(脚本)
〇学校の部室
──文芸部・部室──
ぶちょー「ねぇ、もうすぐ冬休みだけど、 何か予定は決まっているの?」
るる「えーっと、予定は・・・」
るる「おせち食べて寝て、 お雑煮食べて寝て、 おせちに飽きたらカレー食べて寝て・・・」
ぶちょー「それじゃ完全にダメ人間じゃない!」
ぶちょー「せめて初詣くらい行ったらどうなの?」
るる「あっ、初詣! 今年は行こうと思ってました!」
るる「竜王から「世界の半分をやろう」と 言われたいので、ちゃんと祈ってきます!」
ぶちょー「それ、どこの世界の話・・・」
るる「でも、参拝のやり方が難しくて、 何かテキトーになっちゃうんです・・・」
るる「鈴を鳴らすのを忘れていて、 後から縄を引っ張り回してみたり・・・」
???「それじゃ、ご利益は期待できないわ」
せんせー「ちゃんとした参拝をしないと、 神様からご利益を得ることができないわよ」
るる「あっ、せんせー!!」
ぶちょー「いつも唐突な登場ですね・・・」
るる「せんせー! せっかくなので、 ちゃんとした参拝方法を教えてください!」
せんせー「参拝方法は、基本的に「二礼二拍一礼」 と覚えておけばいいわ」
るる「2回ペコリ、2回パンパンしてお祈り、 最後におまけに1ペコリ、ですよねっ!」
せんせー「作法としては間違ってないわ 表現はともかく・・・」
せんせー「でも、それは神社におわす神様が 「天津神」の場合の話ね。 「国津神」は「二礼四拍手一礼」なのよ」
るる「あまつかみ?くにつかみ?なべつかみ?」
ぶちょー「「なべつかみ」は関係ないでしょ!」
せんせー「「天津神」というのは天孫降臨で 高天原から天降った神様たちのことで、」
せんせー「「国津神」はそれ以前に豊葦原におわす 神様のことを言うわ」
るる「ほぇー、むずかしい・・・」
せんせー「ま、ほとんどの神社が「天津神」だから 参拝は「二礼二拍一礼」でいいのだけど、 出雲大社とか一部が違うと覚えればいいわ」
ぶちょー「じゃあ、参拝前にチェックしておけば バッチリですね!」
せんせー「大抵が「二礼二拍手一礼」の神様だけど 念のために事前確認しておけば万全ね」
ぶちょー「わかりました!」
せんせー「それと、鈴を鳴らすのは拝礼の前だから。 それからお賽銭を入れる運びになるわ」
ぶちょー「お祈りの前にお賽銭は知ってましたが、 鈴も先なんですね!」
せんせー「そうよ。 鈴を鳴らすのは神様に対して「来ました」 とお知らせする意味もあるから」
せんせー「鈴を鳴らさないと神様が気付けないから。 知らぬ間に参拝客に勝手に賽銭入れられて あれやこれや願い事されたってね・・・」
るる「神様に「知らんがな」と言われそう!」
ぶちょー「ちなみに、鈴が無い神社の場合は どうしたらいいのですか?」
せんせー「その場合は、賽銭→参拝の流れでいいわよ」
せんせー「ちなみに、鈴にはお清めの意味もあるから 設置されている場合は必ず鳴らすことね」
るる「知らなかった・・・」
せんせー「ちなみに2人は、どんな願い事を 神前でするつもりなの?」
るる「はーい! 世界の半分をくださいって願います!!」
ぶちょー「私は、一年間の健康と、学業成就と、 あと、ステキな男性と結ばれるように、と」
せんせー「そうね、どちらも分不相応なお願いね」
るる「えー、そーなんですか・・・」
せんせー「そりゃ神様だって得手不得手もあるから。 「八百万の神」と呼ばれ、それぞれが 異なるものを司っている存在よ」
せんせー「縁結びが得意だったり、 学問成就が得意だったり、 神様ごとに違って当然じゃない」
ぶちょー「確かに・・・」
せんせー「参拝先の神様とそのご利益についても、 事前に知っておくといいかもね」
ぶちょー「そういえば・・・ 前に『記紀』のお話を伺ったときも、 いろんな神様が出てきましたよね!」
るる「日本最古のスカト■の神様とか!」
せんせー「オオゲツヒメ(大気都比売神)のことね 彼女は食物を司る神様であって、 スカト■ジーの神様って訳ではないから」
せんせー「で、その時に話した 「日本最古の公然わいせつ」こと アメノウズメ(天宇受賣命)は 芸能にご利益がある神様とされているわ」
せんせー「その優れたストリッパーの才能に あやかれるようにと参拝する人もいるとか」
ぶちょー「本当なんですか・・・?」
せんせー「このアメノウズメは、 サルタヒコ(猿田毘古神、猿田彦命)と いう神様と結婚するのだけど、」
せんせー「サルタヒコは、ニニギノミコトの天孫降臨 の際に道案内をした神様ということから、」
せんせー「「良い方向へおみちびき」のご利益がある とされている神様なの」
せんせー「それが転じて「道が開ける」ということで 特に車関係の交通安全にご利益があると されているわね」
るる「車の神様なんだー!」
せんせー「伊勢の猿田彦神社には、 車専用のご祈祷所があるくらいだから」
ぶちょー「えっ、すごい!」
せんせー「考えてみたら、不思議な夫婦神よね! タイプもご利益も全く違うのだから」
るる「ええと、公然わいせつの神様と、 車の神様・・・」
るる「この神様達が一緒にいるときって、 きっとカーセッ・・・」
ぶちょー「罰当たりなことを言わないっ!」
〇学校の部室
るる「何か、初詣に行きたくなってきました!」
るる「可愛い巫女さんにも出会えるかもだしっ!」
ぶちょー「あー、ちょっとわかるかも・・・」
ぶちょー「あの赤い袴の巫女装束、可愛いですよね! 男性の方はまた別の袴の色だったような」
せんせー「そうね、男性の神職は職位によって 袴の色が定められているのよ」
せんせー「神社トップの宮司と補佐役の権宮司は 紫色の袴。その下の位の 禰宜(ねぎ)・権禰宜(ごんねぎ)は 浅葱色の袴というようにね」
ぶちょー「神主さんって、そんなに細かく位が 分けられているのですね・・・」
るる「ネギさんって聞くと、 全身青白くてヒョロっとしてそう・・・」
ぶちょー「ちょっと、それは失礼だって!」
るる「あっ・・・」
るる「ネギさんの股間のネギも、 やっぱりヒョロっとしてるのかなっ?」
ぶちょー「ちょっとやめてよっ、 想像するとネギが食べられなくなる・・・ 毎食ネギ食べたいくらい好物なんだから!」
せんせー「実際は、股間は下仁田ネギみたいに 極太なのかもしれないわよ」
ぶちょー「先生っ!!」
るる「ネギさんの股間には極太シモネタネギ・・」
ぶちょー「色々と間違ってるからっ!」
〇学校の部室
るる「ぶちょーは来年も初詣に行くんですか?」
ぶちょー「当然行くわよっ 毎年元旦に行っているのだからね」
ぶちょー「よかったら、一緒に行かない?」
るる「んー、やめときます・・・」
ぶちょー「えっ、なんで!?」
るる「だって、ぶちょーは神社に行ったら 別行動するんですよね?」
ぶちょー「えっ、別行動? どういうこと?」
るる「だって、ぶちょーは、好物のネギさんの ネギを食べに行くのですよね?」
ぶちょー「へっ??」
るる「さっき、ネギさんが好物で食べたいって 言ってたー!」
せんせー「あらあら、年初めから姫始めなのねー!」
ぶちょー「せんせー!!」
るる「だからネギさんの極太ネギを 美味しく食べちゃうんですよねっ!」
せんせー「それだったら、竿酒ならぬネギ酒で 御神酒を頂いたらいいじゃない!」
るる「しかも神様の前でですよね!? ちゃんと鈴を鳴らして神様を呼ばないと!」
せんせー「神前で神職さんとなんて、すごく背徳的!」
せんせー「神様のご加護もあるから、 すぐに子宝に恵まれそうね。 「安産祈願」のお守りも買わなきゃ!」
ぶちょー「い い か げ ん に し ろ ー」
ぶちょー「罰当たりにも程があります! 一度祟られて反省してください!」
今まで初詣をサボってばかりいたので
こちらで勉強してからと思ったのですが……
後半怒涛の下仁田(?)のほうは頭に残っているのですが
はて?
ともあれ、お節もいいけどカレーも食べないといけませんね(使命感)
ましまるさんて日本と下ネタの知識が豊富ですよね!神社や神様の話、全然知りませんでした。勉強になりました!
でも次に神社を参拝したときネギを思い出しそうで辛いです。思い出し笑いしてたら変な目で見られそうです…😦
面白かったです🤣
初詣の作法?は、コメディジャンルの作品です。年末年始や冬休みについて考える時期に、初詣についても考えるというストーリーです。主人公のるるが竜王から「世界の半分をやろう」と言われ、初詣で祈りを捧げるという展開があります。しかし、参拝のやり方が難しくてテキトーになってしまうるるの姿が笑えます。先生のせんせーが正しい参拝方法を教えてくれますが、神社によって異なることも知りました。作品は笑いを提供してくれるコメディ作品です。初詣に行きたくなる気持ちや可愛い巫女さんに会いたいという気持ちも共感できます。全体的に軽やかな雰囲気で、笑いと癒しを提供してくれる作品です。