『愛情ヒーロー』

SCPキミト

第十二話「初陣」(脚本)

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〇おしゃれな居間
  ──次の日
数多声野「どうも、こんにちは!」
甘音主乃「はいはい〜! 声野くん、今日は声野くん以外の人も来るからね!」
数多声野「そうなんですか!」
猫野先都「し、失礼しまーす・・・」
数多声野「ね、猫の・・・獣人?!」
数多声野「初めて拝見しました! 素敵ですね♪」
猫野先都「えっ? えっ? ありがとう!」
数多声野「数多声野です!」
猫野先都「猫野先都だよ、よろしくね!」
甘音主乃「仲良し〜!!」
  ピーピーピーピー・・・
猫野先都「え、にゃ、にゃに? なんかスピーカーから流れたよ?」
甘音主乃「情報を!」
「豊島区池袋西口公園にて魔獣出現。 レベルは3、範囲攻撃およびスタミナ特化型。 場所が場所だから気をつけろ」
甘音主乃「2人とも、覚悟はいい?」
甘音主乃「君たち2人の、初陣だ!!!」
数多声野「う、初陣?!」
猫野先都「闘えと?! この状態で?!」
甘音主乃「俺もびっくりだけど仕方ない。 良い機会だから、2人とも行くよ!」

〇池袋西口公園
  池袋西口公園──
  グキャアアアアアア!!
  民間人)きゃああ!
  警察)通報してきた!! 早く逃げろ!
  ドタドタドタドタドタ・・・
甘音主乃「うひょお、こりゃまた元気な魔獣ちゃんだこと!」
猫野先都「ワクワクしてるの、主乃ちゃんくらいよ・・・」
猫野先都「私たちこんなに緊張してるのに」
甘音主乃「緊張したってどうにもならないだろ? なら、思い切って自分のできる事やるべきだよ」
数多声野「それもそうですね! よし、どんなことをすれば良いでしょう?」
甘音主乃「俺が飛び込んでいくから、その内に民間人に怪我人が居ないかを先都がまとめて確認!」
猫野先都「了解!!」
甘音主乃「声野くんは、先都が確認してる間に攻撃がきたらそれを弾いてね」
数多声野「了解致しました!」

〇池袋西口公園
  スッ・・・
甘音主乃「やあ、魔獣ちゃん。 こんなによく暴れられるね」
  グギャアアアアアア!!!
甘音主乃「ハイハイ、そんなに焦らずとも。 すぐ解放するからね・・・!」
  ギャァァァァァァ!!!!!!!!!!
甘音主乃「よっと・・・本当に元気だね・・・」
  ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!
甘音主乃「でりゃあ!!」
甘音主乃「避けたには避けたが・・・うし! 声野くん! 被弾対応頼んだよ!!」

〇池袋西口公園
数多声野「え"っ、急です!!」
数多声野「・・・!」

〇池袋西口公園
数多声野(止めた・・・! そうしたら・・・)
  スッ・・・
数多声野「──!」
数多声野「これで攻撃が全て防げると良いのですが・・・」

〇池袋西口公園
  スッ・・・
  時間が動き始めると共に、仕掛けたナイフが一気に落ち、魔獣の攻撃に全て当たる。
数多声野「出来る限りの無効化完了しました! 先都さん! 漏れていたらお願いします!」
猫野先都「問題ないよ! 1つも届いてない!」
数多声野「それは良かったです! 引き続き宜しくお願いします!」

〇池袋西口公園
甘音主乃「おっ、上手くいったみたいだ!」
  ウガアアアアアアア!!!
甘音主乃「そうだね、君の相手もそろそろしてあげないと」
甘音主乃「・・・」
甘音主乃「”魔剣・弍ノ型”」
甘音主乃「”『横一文字斬り』”!!!!」

〇池袋西口公園
甘音主乃「・・・」
  民間人)すげぇ!!!
  民間人)さすがね! 甘音主乃!
  民間人)いやいや! 猫の人も凄かっただろ! 医者なんて皆逃げ出してたのに!
猫野先都「えっ、私?」
  民間人)ああ! あの場で1人だけだぜ、手当てに向かったのは!
猫野先都「んー・・・にゃんかむず痒い・・・」
  民間人)あの赤髪の男の子・・・? も、凄いよね!
  民間人)しっかり周り見ててさー!
数多声野「! ありがとうございます!」
  民間人)お兄さん、武器は何?
数多声野「投げナイフ・・・です」
  民間人)そうか、攻撃全部避けてくれたの、お兄さんだったのか。ありがとう。
甘音主乃「あっはは! 2人ともさすがだね! よくがんばりました〜!」
数多声野「主乃様、あのご命令は急すぎます・・・」
数多声野「失敗していたらどうしていたおつもりです?」
甘音主乃「問題ないよ、そもそも民間人が集まってる所に俺が結界張ってたし。 被弾当たっても民間人に届く事は無かったさ」
甘音主乃「瞬間で対応できるかどうか試してたのさ」
数多声野「全部・・・試練だったわけですか」
猫野先都「私それに巻き込まれてんの?」
甘音主乃「先都に対しては、正しい治療をできるのか、それと被弾が届きそうな時に急に動けるか。それを試してたんだよ」
猫野先都「えええ?!?!」
甘音主乃「あんな場面はこれから、数え切れないほど出会う。 そんな中でどれだけ動けるか、どれだけ判断し切れるか、それを図ってた」
甘音主乃「黙っていて申し訳ないけれど、その程度の力は最低限必要だ。厳しくしていく」
甘音主乃「でも安心してよ」
甘音主乃「「ここ(団体)」にいる限り、君たちは守り切る。人を助ける人間を、仲間を、見捨てる事は絶対にしないからね!」
甘音主乃「それが、君たちを勧誘した俺の義務で、戦いが続く限り一生の試練だ」
数多声野「──! これからも、宜しくお願いします!!」
猫野先都「私だって、人を守っていく1人だ! 守られてばかりも嫌だからね、強くなってみせるよ!」
甘音主乃「あはは! よぉし、一旦戻ろうか!」

次のエピソード:第十三話「叶った夢」

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