ハーレム塔から逃がさない

ふゆ

5.しんじつの心(脚本)

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ふゆ

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〇地下に続く階段
薫子(なんとか10階まで降りてきたけど、 正答率は50%・・・)
薫子(このままじゃ、いつか破綻する・・・)
マチ「薫子さん!」
マチ「間違えるのは」
マチ「宇宙への思いが弱いからじゃないですか!?」
唯川「え?」
「は?」
マチ「あなたは、私がずっと世界の片隅にいるって」
マチ「見抜いたじゃないですか」
唯川「・・・」
「・・・・・・」
錫仮面「・・・ええと」
錫仮面「そんな誰にでも当てはまりそうな言葉で、 この女の話を信じたってことか?」
薫子「あなた・・・」
マチ「私、スピリチュアルを嘘と決めつけるのは 違うと思ってて」
マチ「だって信じて元気になれるなら、 その人にとっては嘘じゃないじゃないですか」
薫子(こんなに簡単に・・・)
薫子(あっさり、信じる人がいるなんて)

〇レトロ喫茶
  今までは勧誘をする度に
  『どう話をかわそう』って、顔をされたり
  『うわあ』って言葉を隠して
  連絡がとれなくなったり

〇SNSの画面
  SNSや掲示板で晒されたり
名無し「綺麗でなんでもできる人だったのにね スピってほんと怖いわ」
名無し「けっこう正論だから厄介でさ」
名無し「でも全然話通じねえの。目が怖くて合わせられないw」
名無し「西洋と東洋の宗教いいとこどりの神様なんだよね」
名無し「支離滅裂なの、本人だけ気づいてない」
名無し「神様より自分を見つめ直さないと、 ずっと無限ループなのにな」

〇地下に続く階段
薫子「・・・」
薫子「引くわ」
薫子「あなた」
薫子「私がこのカードを摘んだとき、 唾を飲み込んだわね?」
錫仮面「はあ?」
薫子「ふ」
薫子「何度」
薫子「神様の話をするたびに、 何度そんな反応されたと思ってるの?」
薫子「腐るほど見てきた喉の動きよ!」
薫子「『ああ、まずい。早く終わらないかな』って、あなたは思ってるわ!」
薫子「これが正解ね!」
錫仮面「正解・・・」
薫子「ふ」
錫仮面(・・・この中二病女め。 いちいち挙動が大袈裟なんだよ)
薫子「今ため息をついたわね?」
薫子「『大袈裟なんだよ』ってうんざりしてるでしょう」
薫子「『この中二病女が。早く○ね!』ってね」
錫仮面「○ね、までは思ってない!」
錫仮面「ていうか、あんた・・・」
錫仮面「今までどんだけ拒否されてきたんだよ!?」
薫子「数えきれないわね・・・」
薫子「でも」
薫子「宇宙エネルギーを実践してきた積み重ねが今花開いたんだから、意味はあったのよ」
錫仮面「いや、普通に努力した結果だろ!」
錫仮面「てか宇宙エネルギーで答え当たる話どこ行った!?」
マチ「薫子さん、私たちも頑張ります!」
薫子「お願い!」
錫仮面「く・・・」

〇らせん階段
薫子「はあ、はあ・・・」
タクト「すげえ」
タクト「3階まで来たな!」
薫子「どう、あなたも宇宙を信じたくなったでしょう」
タクト「俺はいいや」
タクト(あれ、この場合、誰に賞金が出るんだ?)
「薫子さん、ナイスです!」
マチ「正答率80%だなんて!」
薫子「あなたのおかげよ!マチ!」
薫子「外に出られたら、ゆっくり話をしましょう」
薫子「心友・・・なんだから」
薫子「二人で美しい世界を作りましょう」
錫仮面「やれやれ、普通に出られそうな流れだな」
錫仮面「まあ、リンにとっちゃその方がいいか」
錫仮面「こんなゲーム、あいつに良くねえわ」
マチ「え?」
錫仮面「・・・あんた、なんでこのゲームが始まったか、本当の理由知ったらぶっ飛ぶぞ」
マチ「どういうことです?」
錫仮面「おっと」
錫仮面「はい」
錫仮面「了解です」
錫仮面「・・・ま、やっぱり諦めないよな」
錫仮面「次の問題は、我々がトランプになります」
薫子「はあ?」
錫仮面「どちらかの司会があなたにとって正解でしょう?」
薫子「・・・意味が分からないけれど、どちらか選べと言われたら」
薫子「鳥の仮面のあなた──」
薫子「と言うと思った?」
薫子「ずっと感じ悪かったわね。消えて」
錫仮面「おや、嫌われたか。ははっ」
錫仮面「しかし、大当たりですよ。薫子さん」
錫仮面「カードの中身をオープン!」
薫子「どうして」
錫仮面「ゲーム外だったから、我々が介入したんだよ」
るるみ「おーい、姉さん、このスピ女 信じたらあかんで!」
るるみ「この女、私を後ろから突き落としたんやからな」
るるみ「殺人犯や」
薫子「う、うそよ。マチ、信じて!」
るるみ「録画も残ってるで」

〇ホールの広場
薫子「ポイントなんて関係ないわよ みんなリタイアさせればいいんだから」
「・・・助けて!梯子を降ろして!」
薫子「うふふ。まずはひとり」
薫子「あははは。全員殺すわよ!」

〇らせん階段
薫子「違う・・・!こんなこと言ってない 捏造よ。合成音声よ!」
るるみ「落としたことは認めるんやな?」
「・・・・・・!」
薫子「るるみさんが、あんまりにも見苦しいことをするから、もう見たくなくて」
薫子「皆だって、この人に怒ってたでしょう?」
タクト「それでも、殺したりはしねえよ・・・」
薫子「た、魂のステージが下がると、地獄で苦しむことになるのよ?」
薫子「だからこの世で罰を受けさせてあげたんじゃない・・・」
タクト「何いってんだお前」
リン「薫子」
リン「ゲームの続きをしましょう」
リン「るるみちゃんが司会で」
薫子「・・・」
薫子「マチ・・・私頑張るね!?」
マチ「・・・・・・」
薫子「そんな目で見ないで」
薫子「応援してよお」
リン「・・・薫子は」
リン「誰かに宇宙の力を肯定してほしいんだよね」

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次のエピソード:最終話.わらいながらまた会えるように

コメント

  • リンよ…図星なのかい?どうなんだい!?

    ゲーム以外の殺人を許さないクリーンな運営で良かったです☺️
    次回の最終回、楽しみに待っております!

  • ここから最終話。意外と人も死なずに進んでいく一見ザバイバルゲーム的な嫌がらせの終着点はどうなるんだろう。
    彼女は罰せられるのか。

  • マチさん、すっごいピュア……!惚れてしまいそうですw
    そして、今話のラストで安定のゲームマスターという立場が揺らぎはじめたリンさん、どんな対応をするのか気になりますね!

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