〇地下に続く階段
唯川（・・・須藤さん）
唯川（どうして僕をここに連れてきたんだ？）
唯川（理由が知りたい）
唯川（なんだ？この心臓の音は）

〇地下に続く階段
マチ「あれ、薫子さん。るるみさんは？」
薫子「気分が悪いから、後から来るって」
薫子「ねえ、それよりあなた、凄い活躍だったわね」
マチ「いえ、そんな」
薫子「・・・あなたになら打ち明けてもいいかな」
薫子「私ね。虐待されてたの」
薫子「ずっと悩んでて、とある占い師の先生に見てもらったの」
薫子「宇宙には大いなる魂があるって教えてもらったら、大分気が楽になったわ」
マチ（宇宙？突然なんの話・・・）
薫子「あなた、私に似てるわ」
薫子「ずっと、世界の隅にいるって、感じているんじゃない？」
マチ「・・・」
リン「さて、皆さん。次のゲームです」
リン「これから行ってもらうのは・・・」
唯川「須藤さん！ちょっと待って！」
リン「・・・」
唯川「君が酷い目にあってたこと、 今まで知らなくてごめん！」
リン「はあ」
唯川「僕は、君を救いたいと思ってる！」
唯川「二人で話さないか？」
タクト「お前・・・ポイント稼ぎはいい加減に──」
唯川「賞金は放棄する！」
リン「・・・！」
唯川「ただ君と話したいんだ」
唯川「お願いだ」
タクト「あ？消えた・・・」
タクト「なんなんだよ。ゲームはどうなった」

〇秘密基地のモニタールーム
リン「うそ」
リン「何これ、え、嘘でしょ」
錫仮面「リンさん？どうしました？」
リン「・・・唯川さん、まさか」
リン「作戦を、変えなきゃ」

〇地下に続く階段
タクト「お、戻ってきた」
リン「次のゲームです」
唯川（駄目か）
唯川（いや、諦めない。まだチャンスはある）
リン「『階段降りゲ〜ム』」
タンドリー（あれ？）
錫仮面（ゲームが違う 食事会場に案内するんじゃなかったのか？）
リン「錫仮面さん、誘導と司会をお願いします」
錫仮面「は！」
タンドリー（次は給仕タンドリーの出番だったのに）
リン「右足チームと左足チームで分かれます」
リン「この２チームは一心同体なので──」
リン「10段以上離れたら、体が引き裂かれる罰ゲームがあります」
唯川「『引き裂かれる？』」
薫子「どういう意味・・・？」
リン「そのままの意味です」
「・・・!!」
リン「ただし、勝利すれば罰ゲームは免除されます」
リン「引き分けでも両チーム罰ゲームなしです」
マチ「引き分けって・・・？」
リン「ではスタート！」
リン「まずは『右足チーム』 先輩と唯川さんから」
リン「『東京の都庁所在地は？』」
マチ「あ、それは──」
唯川「新宿！」
マチ「さすが」
唯川「マチさんだって答えられたよね？」
リン「正解した右足チームは５段降りてください」
マチ（そっか。引き分けっていうのは、 両チームとも『足並みを揃えて』降りていけばいいってことなのね？）
マチ（良かった。こんなに簡単なら大丈夫そう）
マチ（このまま塔から出してくれるつもりなんだ）
マチ（須藤さん。やっぱりいい子）
タクト（今の、正解分からなかったの、俺だけ？）
リン「次、左足チーム」
タクト「頼んだぞ。薫子！」
薫子「任せて」
薫子（この人、東京育ち東京生まれなのに、 分からなかったのかしら？）
リン「その前に──薫子」
リン「あなたの一番信じるものは、なんだっけ？」
薫子「はい？」

〇レトロ喫茶
薫子「リン・・・可哀想な子」
薫子「宇宙の魂のお守りをずっと持っていれば、 あなたを救ってくれるわ」
リン「私は別に救われなくてもい──」
薫子「お願い 私を救うと思って持っていてほしいの！」
薫子「お金はいらないわ 私とあなたが心友になった証だから」
薫子「リンは、私と似てるから・・・」
　　そう言って無理やり渡された指輪が
　　実は月10万円のサブスクだって
　　教えてくれたの、半年後だったっけ？
　　お金は『今は』いらないって、月末に払ってね、って意味だったんだね

〇地下に続く階段
タクト「スピリチュアルグッズのサブスク!?」
マチ（そんなのあるんだ・・・）
薫子「サブスクリプション契約の方が、 長期契約の特典がついてお徳に決まってるじゃない！」
薫子「あなたのためだったのに・・・」
リン「・・・」
リン「うん、そうだよね、薫子」
リン「宇宙の魂様が、最良の判断をしてくださるんだよね？」
薫子「ええ、もちろん」
リン「じゃあ、クイズの答えは宇宙の魂様に聞いてみるのが一番だと思う」
薫子「ん？」
リン「特別に、あなたにはこのカードで答える権利をあげる」
薫子「カードで、答える・・・？」
リン「宇宙の魂が宿ったカードの中に、 一枚だけ答えを忍ばせた」
薫子「・・・」
リン「当たり（答え）引けるよね？」
薫子「・・・」