お嬢様の家族になりませんか?

ヒナタクチ

読切(脚本)

お嬢様の家族になりませんか?

ヒナタクチ

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〇大広間
お嬢様「おはようございます〜お父様、お母様!日直なので早く学校に行ってきまーす!」
ホームレス「おう、お嬢。気をつけろよ〜」
シングルマザー「学校行ってらっしゃい」
お嬢様「ポチ、タマ、学校行ってきまーす」
タマ「チリン(ベルを鳴らす音).」
ポチ「ウホホッ」
お嬢様「エミュ、バルバルーン行ってきまーす」
エミュ「イッテラッシャイマセ」
バルバルーン「お土産はチョークね」
お嬢様「チョークはダメ!」
バルバルーン「ごめんごめんー! ジョークだよ〜」

〇西洋の城
執事「お嬢様、準備できましたか?」
お嬢様「ヒツジさんできたよ〜」
ソラ「ヒツジじゃ無くて執事だよ!」
執事「メェメェ、ソラ様の言う通り〜」
ソラ「執事がボケたらアカンやろ!!」
執事「失礼いたしました。 お嬢様、学校に向かいましょう」
お嬢様「ソラくん、行ってきまーす!」
ソラ「気いつけろよ」

〇大広間
シングルマザー「にしてもホムさん、だいぶ生活に馴染んできましたね」
ホームレス「まぁ...な。最初はびっくりしたけど慣れたよ」

〇住宅街の公園
  1ヶ月前
ホームレス「おーい、そこの兄ちゃんとお嬢ちゃん」
ホームレス「これ、落としたぜ」
執事「ありがとうございます。 良かったですね、お嬢様」
お嬢様「じぃー」
執事「お嬢様?」
お嬢様「そこの貴方、私の家族になりませんか?」
執事「良いですね。そうしましょう!」
ホームレス「ハハハ、面白い冗談だな」
執事「隙あり!」

〇貴族の部屋
ホームレス「...」
ホームレス「ハッ、俺は一体⁈」
執事「お目覚めですか? ここはお嬢様の別荘です」
ホームレス「一体何のつもりだよ!?」
執事「まずは毎回の日課、こちらのVTRをどうぞ」
ホームレス「毎回の日課だと!? どういう意味だよ」
執事「大人の事情です」
執事「...」
執事「...」
執事「間違えました。こちらをどうぞ」

〇空

〇貴族の部屋
ホームレス「オイ、飛行機が爆破したぞ!? どういうことだ」
執事「これは、去年の飛行機事故の映像です。私とお嬢様の家族はこの飛行機に乗っていました」
ホームレス「...確かに去年デカい飛行機事故があったって聞いたな」
執事「幸い、私とお嬢様は無事でしたが旦那様と奥様は...」
ホームレス「...なるほどな」
ホームレス「でもな!何で身分の分からんホームレスを家族にするんだよ!!意味わかんねーぞ!!!」
執事「いえ、身分はわかりましたよ」
ホームレス「俺が昔出した離婚届!」
ホームレス「俺の履歴書!!」
ホームレス「中学の時の家庭科のテストまで⁈」
ホームレス「あっあんた、一体どうやって...」
執事「秘密ですよ」
ホームレス(喰ねぇ奴だ)
執事「まあ、ここまでにして。何故お嬢様が 家族に固執するのかをお話しします」

〇西洋の城
「お嬢様は裕福な家庭で育てられていたのですが旦那様にも奥様にも愛されてなかったのです」

〇ラブホテルの部屋
  旦那様は遺産を食い尽くして女遊びばかり

〇豪華なクルーザー
  奥様も遊んでばかりで家にほとんど帰ってこない

〇西洋の城
  そんな様子を見てお嬢様は気づいていたのです。自分が家族から愛されていない事を

〇田舎の病院の病室
  爆破事故の後、お嬢様が...
お嬢様「本当に私の事を大事にしてくれる家族が欲しいから一緒に探そう!!」
  そう言ったのです。

〇貴族の部屋
執事「というわけで貴方はお嬢様の家族です」
ホームレス「俺に拒否権は」
執事「ありません」
ホームレス「クッ...」
執事「ちなみにあなたが最後の9人目の家族です」
ホームレス「そうなのか! 他のやつは」
「執事さん?」
シングルマザー「あら、その方は新しい方ですか?」
執事「丁度いい機会です。この方はシングルマザーのソノエさん」
執事「あと...窓の外にいるのは」

〇原っぱ
タマ「ペロッ」
ソラ「アハハくすぐってぇ!!」
ポチ「ウホホ」

〇貴族の部屋
執事「ソノエさんの息子のソラくんとお嬢様が森で拾ってきたゴリラのポチとシカのタマです」
ホームレス「森のどこにゴリラを拾えるんだよ!?シカはともかく!!」
シングルマザー「確かアフリカのどこかでお嬢様がライオンを見に行った時よね」
執事「そうですよね〜ライオンに噛まれた時は大変でしたねハハハ」
ホームレス「アンタ...よく無事だったな」
  執事さん
エミュ「執事さん、掃除終わりました」
バルバルーン「ポチとタマのゴハン作りました」
ホームレス「ウワァ!ろ、ロボット!?」
エミュ「新しい家族の方。エミュです。お掃除担当ロボットです」
バルバルーン「ボクはエンタメ兼クッキングロボットだよーん。バルバルーンと呼んでね」
執事「お城暮らしで家族が多いと大変だからってお嬢様がロボットも家族に入れたんですよねー」
シングルマザー「家事も育児もペットのお世話までするバルバルーンさんとエミュさんは凄いわぁ」
ホームレス(いろんなやつが沢山いるな... 俺はこんな奴らと家族になるのか)

〇大広間
ホームレス「いろんな奴らと家族になれるか心配してたけど慣れたら楽しかったぜ」
シングルマザー「ならよかった」
「ただいま」
シングルマザー「お嬢様、おかえりなさい!? どうしたの?」
お嬢様「校長が「有給とりたいから、学校はお休みよ♡」って言ってた。意味がわからないよ...」
ホームレス「金持ちの学校ってとんでもない事いい出すんだな」
お嬢様「お休みになっちゃったら仕方ないよね〜ポチとタマ、ソラくんとキャッチボールして遊んでくるね♪」
シングルマザー「行っちゃった」
ホームレス「お嬢も天気みたいだなぁ」

〇原っぱ
ソラ「おい、お前学校は?」
お嬢様「お休みになっちゃったからキャッチボールしようよ!」
お嬢様「とってきてね〜」
  ウォォォオオオウォォォオオオ
お嬢様「ポチとタマ、どっちがキャッチするかな?」
ソラ「これ?キャッチボールと言えるのか?」
バルバルーン「ボクがキャッチしましたぞ!!」
  バルバルーンがキャッチした!?
エミュ「お掃除が終わりましたのでエミュも参加していいですか?ロボvs動物チームでサッカーやりましょう」
ソラ「いいなそれ! 楽しそうだぜ」
お嬢様「サッカーやった事ないから楽しみ〜」
ソラ「やった事ないんかーい!! 何でサッカーボール持ってんだよ!?」
お嬢様「持ってるだけだよ〜えへへ」

〇大広間
ホームレス「窓の方みるとみんな楽しくサッカーしてるな」
シングルマザー「ソラくん、病弱だけど最近お嬢様との生活が楽しくて元気になっているんですよね。 本当に良かった」

〇西洋の城
執事「お城の見回り中の執事さんです。 今日の家族も平和で何よりだ」
執事「本当に良かったですね。お嬢様...」
お嬢様「あ、ひつじさん見つけた!」
ソラ「なあ、執事!動物チームに入ってくれよ、ロボ達強すぎて大変なんだ!!」
執事「まだ、お城の見回りが残っていますが...」
執事「お嬢様とソラくんの頼みなら仕方がないですね、サッカーやりましょう!」
  おわり

コメント

  • まともなツッコミのできる感覚の持ち主が元ホームレスのホムさんだけというユニークな家族ですね。何気に不死身の執事さんが一番不思議な存在感。エンタメ兼クッキングロボットがいたら我が家でも養子にしたいです。

  • 切ない設定なのに、あったかくてほのぼのした雰囲気でした😄

  • 愛情に飢えていたお嬢様らしい新しい家族選びはとても魅力的で切なさを感じさせますね。執事さんがたよりになる方だったというのも幸いでしたね。お嬢様を中心に、新しい家族の方楽しく暮らせていけそうな気がします。

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