生徒会秘書の近藤さん

YO-SUKE

第六話「生徒会狩り」(脚本)

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〇川沿いの道
  師走。アズキが生徒会を去って
  二か月が経とうとしていた
  そして、伝統ある地獄谷山高校に
  ある変化が起こっていた
生徒会役員A「ったく、生徒会長も前以上に 人使いが荒くなったよなぁ。 こんな遅くまで仕事させて」
生徒会役員B「近藤さんがいなくなってから、 ピリピリしてんだよ。 生徒会も何かと風当たりきつくなってるし」
マスクの男「おい、お前たち」
生徒会役員A「ん、なんだ?」
マスクの男「生徒会役員だな」
生徒会役員B「そうだが・・・ なんだお前、そのマスクは?」
生徒会役員A「お、おい、周り見て見ろ!」
  マスクの男たちが
  生徒会役員A・Bの周りを囲んでる。
生徒会役員B「お、お前たちは一体・・・!」
  マスクの男たちが二人に襲い掛かる。
「うわああああ!」

〇学校の校舎
佐々木隼人「なあ、クリスマスパーティーの ダンスパートナーは決めたか?」
山中裕司「そんな相手が僕にいるわけないじゃん」
佐々木隼人「パーティーの最後、ダンスパートナーに なったカップルは幸せになれるっていう 伝説は知ってるだろ?」
佐々木隼人「近藤さんを無理にでも誘えばいいのに」
山中裕司「そんなことできるわけ──」
佐々木隼人「ちょっと待て! あれは何だ・・・?」
  人だかりの中をかき分けると、
  掲示物にペンキでバツが書かれている。
山中裕司「あぁ! クリスマスパーティーのお知らせが」
佐々木隼人「これって宣戦布告みたいなもんだよな、 生徒会狩りの・・・」
山中裕司「生徒会狩りなんて噂話だと思ってたけど、 本当にあったのか・・・」
佐々木隼人「生徒会狩りに遭った奴は、 みんな病院送りにされているらしい」
佐々木隼人「それにしてもあの生徒会に逆らう 奴らが出て来るなんて・・・ 二か月前では考えられなかった光景だな」
山中裕司「やっぱり・・・ 近藤さんが生徒会にいないと」

〇学校の屋上
  アズキが退屈そうに遠くを眺めている。
山中裕司「近藤さん・・・話があります」
近藤アズキ「何度もしつこい。私は生徒会には戻らない」
山中裕司「でも近藤さんがいなくなってから、 色々おかしくなっています」
近藤アズキ「関係ない。 私はもう生徒会秘書でもなんでもない。 解任されたの」
  背を向けて、悔しそうに俯くアズキ。
近藤アズキ「生徒会長にとって・・・ 私なんか必要じゃないの」
山中裕司「近藤さん・・・! 本当は戻りたいんじゃないですか?」
近藤アズキ「! そ、そんなわけない!」
山中裕司「でも、生徒会にいるときの近藤さんのほうが、今よりもずっと活き活きしていました」
山中裕司「僕はそんなあなたに惹かれたから、 告白したんです」
近藤アズキ「・・・私のことは放っておいて」
  アズキは寂しそうに立ち去っていく。
山中裕司「生徒会のクリスマスパーティーには 来てください! 待ってますから!」
近藤アズキ「そんなもの・・・行くはずないじゃない」

〇生徒会室
  大五郎を中心に生徒会役員たちが集まり、
  話し合いをしている。
花巻大五郎 「生徒会狩りを名乗る連中の 目星はまだ付かないのか?」
生徒会役員C「はい・・・ですが、 おそらく校内の誰かだとは思います」
生徒会役員C「生徒だけじゃない。 先生やPTAなど、我々の敵は多いので」
花巻大五郎 「このままだと、クリスマスパーティー 当日も何をされるかわからないか・・・ これ以上好きにさせてたまるか」
花巻大五郎 「ゆ、裕司くん!?」
山中裕司「あ、あ、あの・・・! せ、生徒会長に 大事なお話があって来ました!」
生徒会役員C「一生徒のくせに生徒会長に意見するとは 生意気な!」
花巻大五郎 「だ、大事なお話・・・裕司くんが」
生徒会役員C「生徒会長。 こいつを追い出して構いませんよね?」
花巻大五郎 「い、いや・・・一生徒の意見を聞くのも 生徒会長の役目・・・ お前たち、少し席を外してくれ」
  生徒会役員たちが出て行く。
  二人きりになり、モジモジする大五郎。
花巻大五郎 「だ、大事なお話とはなんだ?」

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