生徒会秘書の近藤さん

YO-SUKE

第七話「大乱闘のクリスマスパーティー」(脚本)

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〇渡り廊下
  いよいよ運命のクリスマスパーティーが
  本番を迎えようとしていた
  『地獄谷山高校 クリスマスパーティー』
  体育館入り口に看板が設置されている。
  そこにマスクを被った三十数名の男たちが
  武装してやってくる。
マスクの男「・・・行くぞ!」

〇体育館の舞台
  大五郎を中心に十数人の生徒会役員たちが動き、多くの生徒たちが準備をしている。
マスクの男「そこまでだ! 生徒会ども!」
生徒会役員C「き、来ました・・・! マスクの連中です!」
花巻大五郎 「やはり来たな。群れないと何もできない ザコどもが・・・!」
  逃げ回る生徒たちの中で、
  生徒会役員たちが必死に戦う。
  男の一人が、
  金属バットで大五郎に襲い掛かる。
男「死ねぇぇぇぇ!!!」
  だが、大五郎は指二本で
  男の金属バットを止める。
男「な、な、なんだと!?」
花巻大五郎 「ぬるい・・・これならうちの秘書だった あいつのほうが、よっぽど強いぞ!」
  大五郎はバットを掴むと、
  男をそのまま放り投げてしまう。
  大五郎を中心に生徒会役員たちが
  盛り返していく。
マスクの男「さすがは生徒会長・・・ だがこれならどうかな?」
  マスクの男が合図をすると、
  拘束された裕司が連れて来られる。
山中裕司「は、離せ・・・! なんで僕を──」
花巻大五郎 「ゆ、裕司くん・・・!」
マスクの男「やはり・・・弁慶の泣き所は裕司だったか」
山中裕司「! そ、その声はまさか──」
  男がマスクを剥ぎ取る。
山中裕司「隼人・・・! どうして?」
佐々木隼人「俺は長い間、生徒会を憎んでいたんだ。 こいつらのせいで俺たちに自由はなかった」
佐々木隼人「このパーティーだって 俺たちは呼ばれなかったんだ」
生徒会役員C「それは違う。 参加希望者が多すぎて抽選になったんだ」
佐々木隼人「そんなの信用できるか! どうせ俺たち 非モテを差別してんだろ・・・!」
  隼人が大五郎に殴りかかる。
  だが大五郎はやられるままで立ち尽くす。
花巻大五郎 「くっ・・・!」
山中裕司「せ、生徒会長! 僕のことは構わず、戦ってください!」
佐々木隼人「ハハハ! それはできまい。 お前がこちら側にいる以上な」
山中裕司「なんで? どういうこと?」
佐々木隼人「怪しいと思って調査したんだよ。 そしたらこの生徒会長は裕司のことを──」
花巻大五郎 「やめろっ!!!」
  大五郎の怒声に、静まり返る一同。
佐々木隼人「・・・ふん。まあいい。二度とない 機会だから徹底的にやらせてもらう」
佐々木隼人「みんな、今こそ生徒会への 積年の恨みを晴らせ!」
  隼人の合図で、男たちが大五郎を
  取り囲んで暴行する。
  ボロボロになっていく大五郎。
花巻大五郎 「お、俺は何をされても構わない・・・ だが、その男には手を出す・・・な」
山中裕司「生徒会長・・・どうして? なんで僕なんかのために──」
花巻大五郎 「覚えてないかもしれないが、 お前が入学する前に、 ・・・俺たちは会っている」
山中裕司「え? 生徒会長と僕が・・・?」
花巻大五郎 「そ、その時から俺は・・・ お前のことが・・・す、す、す」
山中裕司「すすす?」
花巻大五郎 「す・・・すごく大切な人になったんだ」
山中裕司「大切な、人・・・」
佐々木隼人「とどめだぁ・・・! 死ねぇぇぇ!」
  隼人が武器を振りかぶった瞬間――。

〇黒
  体育館の照明が落ちて真っ暗になる。
佐々木隼人「な、なんだこれは・・・!」
  黒い影が動き回り、男たちの断末魔と共に
  バタバタと人の倒れる音がする。
佐々木隼人「だ、誰だ!?」
  黒い影は裕司の拘束を解く。
黒い影「逃げて・・・。ここは私がなんとかする」
山中裕司「その声は!? 近藤さん!?」
近藤アズキ「いいから早く!」
山中裕司「ダメだよ」
近藤アズキ「どうして!?」
山中裕司「生徒会長が残ってる。僕のために、 あんなに身体を張ってくれたんだ」
山中裕司「僕はずっと誤解していた。 ただ生徒会長を怖い人だって決めつけてた」
山中裕司「でも、本当は、生徒会長は僕のことを、 大切な人だって・・・」
近藤アズキ「あなた──」
山中裕司「だから今度は、 僕が生徒会長を助ける番なんです・・・! 近藤さん、僕を手伝ってもらえますか?」

〇体育館の舞台
  体育館の照明が戻る。
  裕司が逃げ出そうしている。
佐々木隼人「いた! 逃がすな! 裕司を捕まえろ」
  男たちが一斉に裕司に飛びかかる。
  だが裕司は見たこともないような素早い
  動きで、男たちをなぎ倒していく。
佐々木隼人「バカな・・・ あいつがあんなに強いはずはない──」
  裕司かと思われた男は、
  裕司の制服を着たアズキだった。
近藤アズキ「たいしたことないわね」
佐々木隼人「近藤アズキか・・・! く、くそ~! こうなったら──」
山中裕司「そこまでだ! 隼人!」
  アズキの制服を着た裕司が
  ステージの上に立っている。
山中裕司「これを見ろ! お前の仲間が持っていたスマホだ。ここ にはお前たちの悪事が全部メモされてた」
山中裕司「これを学校に渡せば、 お前たちは退学だぞ!」
佐々木隼人「ハハハ! 今さら退学なんて気にするもんか! これを見ろ!」
  隼人は懐からスタンガンを取り出すと、
  アズキの方に近づける。

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