〇古い大学
数多声野「──タイプ？」
甘音主乃「そ、タイプ。 んま、ここで話すのもなんだし基地行きますかね」

〇おしゃれな居間
　　──団体基地
数多声野「お、お邪魔します・・・」
甘音主乃「ようこそ、団体基地へ！」
「・・・あ"？　よぉ、おかえり。主乃──と、客か？」
数多声野「えっ、あ、どうも？」
甘音主乃「やあやあ、ただいま！」
「お前か、主乃の言ってた「ヤベェかもしれねぇ奴」って」
数多声野「ヤベェ奴・・・？」
甘音主乃「出会って早々「仕えにしてほしい」なんて頼む奴は誰がどう見ても「ヤベェ奴」でしょ」
数多声野「そ、そうですか・・・？　後悔はしてませんよ！」
甘音主乃「してくれ・・・」
「で？　訓練するって言ってもどうするつもりだ？」
甘音主乃「それなんだけどねー、貰った時計を用いてやってみようかと！」
「そゆこと？　んじゃ、見守ってっからやっててくれ」
甘音主乃「うぃ！　宜しく〜」

〇おしゃれな居間
甘音主乃「さて、早速。 時計出してみ？」
数多声野「はい？」
甘音主乃「よし、じゃあそれに対して「時が止まるように」魔力を注ぎ込むのをイメージしてみ？」
数多声野「また想像ですか・・・？」
甘音主乃「うん、魔術はイメージ！　想像力で結構変わるからね」
数多声野「なるほど・・・」
数多声野「──」

〇おしゃれな居間
数多声野「・・・」
数多声野「!!」
数多声野「止まっ、てる?!」
甘音主乃「そう！　サポートしてくれるのよ。 慣れるまではその時計使って訓練してこ！」
数多声野「了解しました！」
甘音主乃「じゃあ、とりあえずそのままで〜」
甘音主乃「何か変化が出て来たらすぐに言ってね！」
「無理すんなよ、坊主〜」
数多声野「主乃様のご友人も耐性あるんですか・・・」
「私がいる部屋にだけ魔力耐性結界が張ってあるからな、万が一だ」
数多声野「は、はぁ・・・？ 無理するなってどういう意味ですか？」
「魔力の量は人それぞれだが、誰しも切れる時が来る。無理して使い続けると命・・・寿命削っていくからよ」
「そろそろ切れるぞって時にゃ、体のどこかに異変が現れるから、自分の体が訴え始めたらすぐに言ってくれ」
数多声野「い、命?!?!」
甘音主乃「俺はそのリミッター外しちゃったから、限界とか無いんだけどね・・・」
「坊主、絶対真似すんじゃねぇぞ？」
数多声野「誰も真似しようだなんて思いませんから大丈夫です」
「あ？　私は真似たぞ」
甘音主乃「え"っ?!?!」
「・・・お前頭おかしいよ、主乃」
「やってみてよ〜く分かったぜ」
数多声野「やったんですか・・・」
甘音主乃「それは俺でも初耳だよ・・・」
　　そんな雑談をかれこれ30分強続けていた。

〇おしゃれな居間
数多声野「・・・？　主乃さん！」
甘音主乃「んー？」
数多声野「手が少し痺れてきましたけど・・・コレは？」
甘音主乃「おー、じゃあ時間再開させよっか。 止めた時と同じように、今度は再開するようにイメージしてみて」
数多声野「わかりました・・・」

〇おしゃれな居間
甘音主乃「どぉ？」
数多声野「──あ、できました！」
甘音主乃「さっき、手が痺れた感覚があったって言ったよね？　あれが、魔力切れの前兆」
数多声野「あれが・・・ですか」
数多声野「んー、最初ですから、まだまだです・・・ね」
甘音主乃「いやいや・・・訓練なしで初っ端から30分は凄いよ？」
「おう、お帰り。 ざっと30分強か？　ジョー出来じゃねえの」
甘音主乃「だよねぇ？」
数多声野「そうなんですか・・・それならよかったです。 で、タイプとは？」
甘音主乃「あー、そんなこと言ったね」
「タイプってのは、そのまんま。「魔力の属性」だ」
数多声野「属性なんてあるんですか?!」
「お前名前は？」
数多声野「数多声野です！」
「んー、数多の魔力属性は「簡易上位操作系」だな」