〇低層ビルの屋上
甘音主乃「君バカでしょ」
数多声野「・・・へ？」
甘音主乃「いやいやいや、コレを馬鹿と言わずして何と呼ぶんだ」
数多声野（まさか政府公認のヒーローに罵られるとは思ってもみなかった・・・）
甘音主乃「言い返したりだとかって、君できないの？」
数多声野「出来る訳ないじゃないですか・・・」
甘音主乃「んじゃ、ずっとそのままだよ」
甘音主乃「君が何か行動を起こさない限りは、ね？」
数多声野（ん？ 甘音主乃の使う技、僕と同じような異能であれば・・・）
数多声野「──！ 主乃さん！」
甘音主乃「なんじゃいね？」
数多声野「僕に能力の使い方、教えて頂けませんか！」
甘音主乃「ほほう・・・ 大正解だ！」
数多声野「ん？」
甘音主乃「使ってる人に直接教えて貰うのが１番良い！　よく気づいたね〜」
甘音主乃「いいよ！　教えてやらぁ!!」
数多声野「──本当ですか?! ありがとうございます！」
数多声野「数多 声野（アマタ セイヤ）と申します！　本日から宜しくお願いします！ 教えていただく代わりと言ってはなんですが・・・」
数多声野「「仕え」としておいて頂けませんか！」
甘音主乃「──は?!」
甘音主乃（甘音主乃、何年と生きて来たけれど。 ヤベェ奴を仲間に引き入れてしまったみたいだわ、コレ・・・）
甘音主乃「う、うん・・・考えとくよ・・・ 宜しくね声野くん・・・」
数多声野「はいっ！　宜しくお願いしますね、主乃様！」
甘音主乃（前言撤回だわコレ、「〜しまったみたい」じゃない。 「〜しまった。」だわ）
　　甘音主乃、仲間として「数多声野」を引き入れた。
　　・・・が、ただのヤベェ奴かもしれない。

〇おしゃれな居間
　　──団体基地、広間にて
「──で、教えてもらうだけで良いのに態々自ら「仕え」になりたいと申し出された訳か」
甘音主乃「・・・うん」
「確かに使える能力だが・・・メンバーにそんな感じの奴入れて大丈夫なのか？」
甘音主乃「んー、どう思う？」
「いや、お前が決めろよ（ ；´Д｀） 主乃が団長・・・リーダーなんだからさ？」
　　主乃は自分の親友と、放送越しに話していた。
甘音主乃「んま、とりあえず訓練させるさ。それで決める」
「りょ。 んじゃ、なんか必要なのあったら言えよ？」
甘音主乃「うぃっ！」

〇古い大学
　　──スバル中央大学
甘音主乃「声野くん！ お迎えに来たよ」
数多声野「あれ？　随分とお早いですね？」
甘音主乃「そーなの、用事が早く済んだから」
数多声野「なるほど！　では、宜しくお願いします」
甘音主乃「よぅし！　んじゃ、レッツラゴー!!」

〇古い大学
　　スッ・・・
甘音主乃「ありゃりゃ、止まっちゃった？」
数多声野「すみません・・・って、え?! 何故動けるんです？」
甘音主乃「外部から受ける魔力に耐性があるからね、嫌でも影響受けないのよ」
数多声野「さすがですね！ でも、どうやって戻しましょう？」
甘音主乃「──て事で、じゃじゃん！」
数多声野「懐中時計？　針は動いてないですね。なんですか、コレは・・・」
甘音主乃「「補助用魔具」と呼ばれる物でね、魔力に影響して色んな事をしてくれるの。 魔力を上手く扱えない人用のやつだからね」
数多声野「なるほど？　で、どうすればいいのでしょう？」
甘音主乃「その時計に対して「時が動き出す」ようにイメージしてみて」
数多声野「──？ とりあえず・・・」
数多声野「・・・・・・」

〇古い大学
　　スッ・・・
数多声野「──!!」
甘音主乃「あっはは！　使いこなせたね！」
甘音主乃「そんで、君の魔力のタイプも分かった」
数多声野「タイプ？」