魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

第15章 忍び寄る影(脚本)

魔道士は虹色の夢を見る

星月 光

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〇黒背景
???「誰か・・・」
???「どうして泣いているんだ?」
???「・・・わたくしの声が聞こえるのですか?」
???「ああ だからもう泣かないでくれ」
???「あなたはいったい・・・?」
???「おれはアイオ ムーヴ村の剣士だ」
???「わたくしの名は──」

〇綺麗な港町
ヴィオラ・コーディエ「じゃ、とりあえず情報収集しよっか」
ノエル・エンジェライト「・・・ええ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「ヴィオラ ノエルについてやれ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「今のノエルをひとりにすると、なにをしでかすかわからないからな」
ヴィオラ・コーディエ「まかせとけって!」
ムーヴ村のおばさん「ヴィオラちゃん!?」
ヴィオラ・コーディエ「えっ・・・!?」
ムーヴ村のおばさん「学園に行くって出て行ったきりだったから心配してたのよ」
ヴィオラ・コーディエ「おばさん、なんで・・・」
ムーヴ村のおばさん「あの日は王都にいたのよ だから無事だったんだけど・・・」
ムーヴ村のおばさん「せっかく帰って来たんだもの お墓参りしてくでしょう?」
ムーヴ村のおばさん「あたしも最近行けてないから ヴィオラちゃん、お願いね」
ヴィオラ・コーディエ「う、うん・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「おまえの故郷はここから近いのか?」
ヴィオラ・コーディエ「・・・まあ」
シグバート・フォン・ブラッドショット「では行くぞ」
ヴィオラ・コーディエ「けど、プルウィルストーンを探さなきゃ・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「多少の寄り道は問題ないだろう、ノエル」
ノエル・エンジェライト「ぼくはかまいません」
ヴィオラ・コーディエ「・・・・・・」

〇西洋の円卓会議
ナギット・フォン・スペサルト「レオナがウーウァを告発したそうだな」
ナギット・フォン・スペサルト「肉親殺しなど王族にはつきものだろうに・・・」
デアネイ・フォン・スペサルト「・・・・・・」
ナギット・フォン・スペサルト「ひとまずは静観だな」
デアネイ・フォン・スペサルト「レオナ様がプレーンの王になるのでしょうか?」
ナギット・フォン・スペサルト「ウーウァが大人しく王位継承権を放棄するとは思えぬな」
ナギット・フォン・スペサルト「それに、レオナが王になることをあのヘンリーが認めると思うか?」
ナギット・フォン・スペサルト「おそらく、ウーウァとヘンリーはレオナを攻撃するだろう」
デアネイ・フォン・スペサルト(そうなれば、レオナ様は周辺国に援軍を求めるかもしれない・・・)
デアネイ・フォン・スペサルト(その相手はオペラ様かカーネリア、もしくはボクたち・・・)
ナギット・フォン・スペサルト「ブラッドショットと組むよりも、プレーンを内側から崩壊させるほうが得策かもしれぬ」
ナギット・フォン・スペサルト「ミモザとシグバートの婚約を解消させ、ウーウァに嫁がせるか」
デアネイ・フォン・スペサルト(やっぱり・・・!)
デアネイ・フォン・スペサルト(けど姉上は、今夜城を出る 父上の思いどおりにはいかない!)
デアネイ・フォン・スペサルト(お願い、ノエルさん 姉上のこと、守ってあげて・・・)
ナギット・フォン・スペサルト「・・・・・・」

〇寂れた村
ヴィオラ・コーディエ「・・・帰って来ちゃった」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・6年前にさ 村が魔物に滅ぼされたって先生に聞いたとき・・・」
ヴィオラ・コーディエ「信じたくなくて・・・ ずっと帰って来なかった」
ヴィオラ・コーディエ「けど・・・ ほんとに、もう・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「・・・犠牲者への追悼をしよう」
ヴィオラ・コーディエ「・・・うん」
ヴィオラ・コーディエ「あれ?」
ヴィオラ・コーディエ「・・・花?」
シグバート・フォン・ブラッドショット「少ししおれているが、枯れていない 最近供えられたものだな」
ヴィオラ・コーディエ(墓標の文字が消えかかってるけど・・・ ここ、母さんの墓だ)
ヴィオラ・コーディエ(けど、誰が・・・?)

〇貴族の部屋
ミモザ・クラリティ(ヴィオラさんはお元気かしら シグバート様とケンカしてないといいけど)
ミモザ・クラリティ「・・・・・・」
ミモザ・クラリティ(ノエルさん・・・)
ミモザ・クラリティ(もし・・・ ヴィオラさんやデアネイの言ったことが本当で・・・)
ミモザ・クラリティ(・・・わたしと同じ気持ちでいてくれてるのなら・・・)
ミモザ・クラリティ(シグバート様とオペラ様には申し訳ないけど・・・)
ミモザ・クラリティ(・・・自分の気持ちに嘘をつくのは、もう終わりにしたい・・・)

〇森の中

〇山中の川
ノエル・エンジェライト(ミモザさん・・・ 城で悲しい思いをしていないだろうか)
ノエル・エンジェライト(・・・デアネイさんがいるから、心配はいらないか)
ノエル・エンジェライト(・・・なぜぼくは、こんなに余計な心配をしてしまうのだろう・・・)
ヴィオラ・コーディエ「ノエル! 訊きたいことがあるんだ」
ノエル・エンジェライト「・・・なんでしょうか」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザが城に残れって言われた理由」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」

〇城の廊下
ナギット・フォン・スペサルト「・・・来たか」

〇山中の川
ヴィオラ・コーディエ「知ってるんだろ?」
ノエル・エンジェライト「・・・ええ」
ノエル・エンジェライト「・・・学園長は、ぼくがミモザさんに懸想していると誤解しています」
ヴィオラ・コーディエ「誤解・・・じゃないと思うけど・・・」
ノエル・エンジェライト「各国の均衡を保つため、ブラッドショットとスペサルトの婚姻同盟は不可欠でしょう」
ノエル・エンジェライト「ですから、ぼくの間違った想いを断つように、距離を置くため・・・」
ヴィオラ・コーディエ「なんだよそれ! 間違いとか間違いじゃないとか・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・ノエル、前に言ったよね あたしが感情的だって」
ヴィオラ・コーディエ「だからこそわかるけど・・・」
ヴィオラ・コーディエ「感情ってさ、理性とか理屈で押さえられるものじゃないんだよな」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「ノエルもさ、いろいろ理由をつけて否定してるけど・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・やめてください」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザのこと、好きなんだろ?」

〇華やかな裏庭
ミモザ・クラリティ(見張りが遠ざかった・・・)
ミモザ・クラリティ(今夜、王都を出て・・・ 明日の朝、カナリーを発つ)
ミモザ・クラリティ(みんなと合流できなくても、スペサルトを出れば・・・)
キープレート学園長「こんばんは、ミモザくん」
ミモザ・クラリティ「・・・学園長・・・!?」

〇山中の川
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・彼女はシグバートさんの婚約者でしょう」
ノエル・エンジェライト「それにぼくは・・・ 感情を律するように学園長から・・・」
ヴィオラ・コーディエ「シグバートと学園長は関係ないだろ?」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザのこと、ノエル自身はどう思ってるんだよ!」
ノエル・エンジェライト「やめてください!」
ノエル・エンジェライト「貴方やシグバートさんにわかるわけがない!」
ヴィオラ・コーディエ「ノエル・・・」
ノエル・エンジェライト「ぼくは罪人です 血に汚れた手を彼女に差し出すことはできない!」
ヴィオラ・コーディエ「・・・ミモザがそれを望んでも?」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ノエル・エンジェライト「シグバートさんはぼくと違います 光の射す場所をまっすぐに進む・・・」
ノエル・エンジェライト「彼とともにいたほうが、きっと幸せになれる・・・」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザの幸せはミモザが決めることだ!」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザが納得するなら、どういう結果になってもいい」
ヴィオラ・コーディエ「けどそうやって、自分の気持ちもミモザの気持ちも無視するのはやめろ!」
ノエル・エンジェライト「・・・貴方になにがわかるのですか」
ヴィオラ・コーディエ「おまえこそ、ミモザのなにがわかるんだよ!」
ヴィオラ・コーディエ「ミモザはおまえを・・・!」
ノエル・エンジェライト「・・・もう、話すことはありません」
ヴィオラ・コーディエ「・・・ノエル・・・」

〇華やかな裏庭
ミモザ・クラリティ「学園長、わたし・・・」
キープレート学園長「・・・・・・」
ミモザ・クラリティ「皆さんの力になりたいのです どうか特別試験を支えさせてください」
キープレート学園長「皆さん、ね」
キープレート学園長「はっきり言ったらどうです? ノエルと一緒にいたいのだと」
ミモザ・クラリティ「いえ、あのっ・・・!」
ミモザ・クラリティ「・・・いいえ 学園長のおっしゃるとおりです」
ミモザ・クラリティ「物わかりがいいふりをして、なにもかもを諦めるのは・・・もう、嫌なのです」
キープレート学園長「・・・・・・」
ミモザ・クラリティ「ですから、学園長・・・」
キープレート学園長「ミモザくん 闇精術の性質を知っていますか」
ミモザ・クラリティ「死、静寂、睡眠、精神・・・でしょうか」
キープレート学園長「そのとおり」
キープレート学園長「ですが、もうひとつ 学園では教えていないものがあります」
キープレート学園長「記憶です」
ミモザ・クラリティ「記憶・・・?」
キープレート学園長「相手の魔力を上回っていなければ、記憶を封じることはできないのですが・・・」
キープレート学園長「あのときはノエルの魔力を借りたので造作もないことでした」
ミモザ・クラリティ「・・・あのとき?」

〇ファンタジーの教室
ミモザ・クラリティ「ノエル様!? おやめください・・・!」

〇華やかな裏庭
ミモザ・クラリティ「・・・!」
キープレート学園長「思い出したようですね」
ミモザ・クラリティ「あのとき、ノエルさんは わたしのために魔法を・・・!」
キープレート学園長「以前からあれは きみのことになると妙に感情的でした」
キープレート学園長「もっと早く気づくべきだったのでしょうが」
キープレート学園長「あいにく、下等生物の繁殖プロセスには 疎いものでね」
ミモザ・クラリティ「学園長・・・ あなたはいったい・・・」
キープレート学園長「1000年の時を経て わが悲願が達成されようとしている」
キープレート学園長「わが行く手を阻むものはすべて排除します」
ミモザ・クラリティ「・・・なにをするおつもりですか!?」
キープレート学園長「抱くべきでない想いを 消させていただくだけです」
キープレート学園長「あれに人間の感情など必要ないのですから」
ミモザ・クラリティ「光れっ・・・!」
キープレート学園長「させません」
ミモザ・クラリティ「あっ・・・!」
キープレート学園長「・・・変わりましたね、ミモザくん」
キープレート学園長「変えたのはヴィオラくんでしょうか? それとも・・・」
ミモザ・クラリティ「なにをするの!? やめて・・・!」
キープレート学園長「あのときは、その場にいた者たちの 記憶を封じる必要があった」
キープレート学園長「ゆえに、ひとりひとりへの封印は 弱くなってしまいましたが」
キープレート学園長「ですが今回はきみひとり 強力な封印術をかけることができます」

〇テントの中

〇華やかな裏庭
ミモザ・クラリティ「あっ・・・ああ・・・!」

〇建物の裏手

〇華やかな裏庭
キープレート学園長「仮面の戦士・・・」
キープレート学園長「・・・いえ アイオにしたようにね」

〇西洋の市場

〇華やかな裏庭
ミモザ・クラリティ「ノエルさ・・・ わたし・・・あなた・・・を」
キープレート学園長「・・・・・・」
ナギット・フォン・スペサルト「うまくいったのか?」
キープレート学園長「ええ 陛下が魔力を貸してくださったおかげで」
ナギット・フォン・スペサルト「わたしの魔力は戻るのだろうな?」
キープレート学園長「半月もあれば完全に戻るかと」
ナギット・フォン・スペサルト「しかし、これが脱走を企てるとはな」
ナギット・フォン・スペサルト「デアネイが吹き込んだのだろうが、それにしても・・・」
キープレート学園長「恋愛をすると人は変わるそうですから」
ナギット・フォン・スペサルト「そなたの養い子もか?」
キープレート学園長「・・・そうかもしれませんね」
ナギット・フォン・スペサルト「わたしはこれを部屋へ戻す くれぐれも城の者に見つからぬようにな」
キープレート学園長「承知しております」
キープレート学園長(・・・さて 次の手を打たねばな)

〇森の中
ヴィオラ・コーディエ「おはよ・・・」
シグバート・フォン・ブラッドショット「今日は王都エレンで情報収集をするぞ」
ノエル・エンジェライト「・・・・・・」
ヴィオラ・コーディエ「あのさ・・・ノエル 昨日は・・・」
ノエル・エンジェライト「・・・誰か来ます」
仮面の戦士「おまえたちは・・・」
ヴィオラ・コーディエ「・・・仮面の戦士!?」

次のエピソード:第16章 対決、そして・・・

コメント

  • ミモザがー😱ミモザとノエルはくっつけない運命なんですかね? あんなにみんなで冷やか……頑張ったのに!
    そしてついに仮面の戦士と三人が出会いましたね!もしかして彼とノエルって繋がってますかね?🤔うーん、続きも楽しみにしています!

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