偽りのトリアーダ

草加奈呼

エピソード13 ほんとうの気持ち(脚本)

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草加奈呼

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〇黒背景
  姉さん
リア「テオ・・・!?」
リア「ダメ・・・こないで・・・!!」
  姉さん
リア「えっ・・・?」
リア「テオ・・・?」
  ねえさん
リア「テオ・・・」

〇睡蓮の花園

〇部屋のベッド
リア「夢・・・」
リア「あの頃の・・・」
リア「楽しかった頃の・・・」

〇豪華なリビングダイニング
リア「先生、叔父様」
ポポロム「どうしました、リアさん?」
リア「・・・・・・」
リア「テオに、会わせてください」
カルステン「えっ」
ポポロム「リアさん、正気ですか!?」
リア「よく、考えました」
リア「私は今、テオに対してどんな感情を 持っているのか・・・」
リア「わからないんです。 まるで、心の中にモヤがかかったように」
リア「テオに会えば、それがハッキリと するんじゃないかと・・・」
カルステン「リアちゃん。それは、心の傷をさらに 抉るようなものだ」
カルステン「それでも、 君はテオ君に会いたいと・・・?」
リア「覚悟の上です」
ポポロム「・・・わかりました」
ポポロム「ただし、 マジックミラー越しで見るだけです」

〇田舎の病院の病室
テオドール「暇だなー」
テオドール「差し入れの本も、 もう全部読んじゃったんだよね」
テオドール「テレビはないし・・・」
テオドール「・・・・・・」
テオドール「この本、 読んじゃったから、もういらないよね♪」
「テオドールさん、 本は破らずに、大切に扱ってください」
テオドール「あはは、バレた」
テオドール「・・・つまらない」

〇小さい会議室
ポポロム「とまあ、毎日こんな感じです・・・」
ポポロム「まずは、物を壊さないようにと、」
ポポロム「人や、人の物を勝手に触らないことから ですね・・・」
ポポロム「それ以外は、おとなしいです」
リア「・・・・・・」
リア「テオ・・・」
リア(テオがした事は、 決して許されることではない)
リア(でも・・・)
リア(私は、テオを憎む事ができない・・・!)
リア(こんな事、お兄様に言ったら、 また叱られそうだけど・・・)
リア(テオは、私の大切な義弟・・・)
リア(私はまた、 兄弟3人で仲良く笑い合いたい・・・)
リア(それが、私の今の正直な気持ち)
ポポロム「リアさん、大丈夫ですか?」
ポポロム「辛いなら、ここを出ましょう」
リア「・・・・・・」
リア「大丈夫です」
リア「ここに来て、良かったです」
リア「・・・次は、お兄様と一緒に来たいです」
ポポロム「そうですか・・・」
テオドール「ねえ、ポポロム先生呼んでよ〜。 退屈で仕方がないよ」
「ポポロム先生は診察中です。 他の先生を呼びましょうか?」
テオドール「え〜。ポポロム先生がいいな。 あの人、おもしろいし」
カルステン「随分と慕われてるな?」
ポポロム「ええ、まあ・・・」
ポポロム(宣戦布告してしまったのが 仇となったか・・・)

〇クリスマスツリーのある広場
ポポロム「リアさん、もうクリスマスツリー 飾られてますよ!」
リア「ええ、綺麗ですね・・・」
リア(ポポロム先生と、こうしてデートを 重ねても・・・)
リア(心がざわざわする・・・)
リア(先生の事が嫌いなわけじゃない・・・ むしろ、とても優しい・・・)
リア(私は恵まれている。 でも・・・)
リア(記憶が戻ってから、 私はずっと違和感を感じている)
リア(それに、私の気持ちは・・・)
リア(もう、ここにはない──)
ポポロム「どうしました?」
リア「いえ、行きましょうか」
ポポロム「・・・・・・」

〇豪華なリビングダイニング
リア「先生・・・」
ポポロム「なんでしょう?」
リア「申し訳ありません・・・」
リア「私たちの関係を、 終わりにしていただけませんか?」
ポポロム「・・・・・・」
ポポロム「なぜですか?」
リア「先日、テオを見て思いました」
リア「やっぱり、私は、あの家に戻りたいと」
ポポロム「あなたが、家に戻る事に反対はしません」
ポポロム「ですが、 僕との関係を切る必要はないでしょう?」
リア「・・・・・・」
ポポロム「僕との時間は、幸せではなかったですか?」
リア「・・・っ、幸せでした」
リア「幸せすぎて、怖いくらいでした」
リア「でも、私は気づいてしまったんです」
ポポロム「アルフさん・・・ですか?」
リア(それもある・・・)
リア(だけど、私が感じている違和感は・・・)
リア(ポポロム先生・・・)
リア(私は、ポポロム先生と出会った 記憶がないんです・・・)
  あなたは、一体いつ、
  私と出会ったんですか!?
リア「・・・・・・」
ポポロム「なぜ?」
ポポロム「なぜ、僕を選ばない!?」
リア「申し訳・・・ありません・・・」
ポポロム「人間と結ばれたって、幸せになれない!」
ポポロム「僕は! 僕なら、リアさんを幸せにできる!」
リア「何が幸せかは、自分で決めます・・・!」
ポポロム「僕たちは、 一緒にいなきゃダメなんだ・・・!!」
リア「きゃあっ!!」
ポポロム「僕が・・・だって・・・昔から・・・!」
ポポロム「あんなに・・・惹かれあったのに・・・ あんなに・・・」
ポポロム「何が、足りない・・・? 何が不満なんだ・・・!?」
リア「先生、離してください!!」
カルステン「何やってんだ、ポポロム!」
カルステン「何、暴走してるんだ、バカヤロウ!!」
ポポロム「うぅっ・・・叔父さん・・・」
カルステン「ポポロム・・・。 おまえは、自分で気づいていないのか?」
カルステン「リアちゃんが、 同族であるが故に惹かれている事を」
ポポロム「それは・・・」
カルステン「リアちゃんはな、薄々感じていたんだよ」
カルステン「おまえ、もしリアちゃんが人間だったら、 リアちゃんを愛せたのか?」
リア「・・・・・・」
ポポロム「・・・・・・」
ポポロム「すみません・・・っ」
リア「叔父様、ありがとう・・・」
カルステン「いや・・・。俺は、リアちゃんを守って やる責任があるからね」
カルステン「しかし、許してやってくれとは言わないが、ポポロムの気持ちもわかってやってほしい」
カルステン「俺があいつを引き取ったのは、 あいつが6歳の時だ・・・」

〇戦場
  その時はまだ戦争中で
  あいつは人間の兵に追われていた。
  両親は人間に殺されているし、しばらくは
  荒れに荒れて、人間を憎んでいたよ。

〇豪華なリビングダイニング
  俺だって例外じゃない。手懐けるのに、
  どれだけ時間がかかったか。

〇豪華なリビングダイニング
カルステン「リアちゃんを初めて見た時は、 本当に嬉しそうだったよ」

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コメント

  • ポポロム…誰よりもゴンドル族としての宿命を背負いし物…。
    去来する感情がどこから来る物なのか。
    彼も苦しんだことでしょう。

  • まともに見えたと思った人が、また狂気に囚われてた……!Σ(゚口゚;
    もう、カルステンさんだけを信じるw

  • ポポロムくん、大暴走で終了……
    それにしても、リアの周りの男性方ってどいつもこいつも!もう、カールさんとでも結ばれてしまえー!(←これまでの繊細なストーリーが台無し)
    テオ君の今後と、アルフさんの過去、どちらもすごく気になっています!

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