エピソード2(脚本)
〇田舎の学校
〇学校の廊下
〇保健室
戸村龍也「だからさー、保健室で盗聴すんなって」
戸村龍也(とむらりゅうや)が、光(ひかる)のイヤホンを持って立っている。
久保田光「か、返せ!」
戸村龍也「はいはい、返しますよっと」
戸村龍也「久保ちゃん気を付けなよー。俺みたいに勘の鋭いやつ、他にいるかもよ」
戸村龍也「勘が鋭いっつーか、あれ、なにこれ、スマホ?」
久保田光「これ、ダメ!」
戸村龍也「動くな、動いたら大声で『ほーい、盗聴小僧が出たぞーい』って叫ぶぞ」
久保田光「それ、ダ、あ・・・」
戸村龍也「うわー、盗聴日記かー、引くわー」
戸村龍也「えー、前田と平野、教室で、そんな、えー」
久保田光「あの、もう返して・・・」
戸村龍也「ん、あ、一ヶ月前。俺が初めて久保ちゃんの盗聴に気付いた日じゃん!」
久保田光「あ、それは」
戸村龍也「はい、なになに」
戸村龍也「『寝てたら、戸村龍也とかいうやつに、イヤホン外されて盗聴バレた』」
戸村龍也「『あいつ、陽気なイケメンキャラみたいになってるけど、ストーカー気質あり、うぜぇ、笑笑笑』」
戸村龍也「おおお、大絶賛かよ!」
久保田光「返して」
スマホを奪い返す光。
戸村龍也「いや、だってね、イヤホンして寝てたら、何聴いてんのかなーって、気になるじゃん」
久保田光「・・・じゃあ、僕、教室戻るよ」
戸村龍也「ねー、無視すんなよぉ。てか、日記の項目にさ、『佐々部家』とか『錦戸家』とかあったんだけど・・・」
戸村龍也「それってもしかして学校以外にも・・・」
久保田光「!」
久保田光「・・・・・・」
戸村龍也「あ、ちょ、久保ちゃーん」
〇学校の廊下
戸村龍也「え、あれ、もういない」
〇まっすぐの廊下
久保田光「はあ、はあ、なんなんだよアイツ・・・」
久保田光「!」
久保田光「こ、こん、こんにち・・・」
灰島櫻「今日はクラブないけど、どうしたの?」
灰島櫻(はいじまさくら)が『手話』の仕草で手を動かす。
久保田光「あっ、えっとすみません、なんて言いました?」
灰島櫻「あげるよ」
久保田光「あ、ありがとうござい・・・」
久保田光「・・・・・・」
灰島櫻「じゃあね」
久保田光「・・・・・・」
戸村龍也「くぼちゃーん!」
戸村龍也「え、誰、今の美人!」
戸村龍也「頭ポンポンされてましたけど、黙って見てたら頭ポンポンされてましたけど!」
久保田光「いや、別に・・・」
戸村龍也「え、先生、じゃないよね」
戸村龍也「誰、どういう関係、てか、頭ポンポンて、俺なんて親戚のおばちゃんぐらいしか」
戸村龍也「あ、ちょい!」
光を追うが、全く追いつけない龍也。
戸村龍也「いや、インドア派の無駄に足速いやつ!」
〇町の電気屋
〇男の子の一人部屋
久保田光「ここに基盤を組み込んで・・・よし」
久保田光「・・・ふふっ」
〇電気屋
久保田光「ランニング行ってくる」
久保田郁美「あーい、気をつけてー」
ポケットから、シールの貼られた三叉コンセントを取り出す光。
久保田光「・・・・・・」
〇住宅街の道
光のイヤホンから声が漏れる。
「離婚よ、絶対離婚!」
「ま、待て、香苗!」
「お、奥様、待ってください!」
「うるさい、この雌ブタ!」
スマホに文字を打っていく。
『佐々部氏、オワタ\(^o^)/』
〇通学路
『聴察日記』を見ながら歩く光
日記には「錦戸家 夫 出張中 5月20日」と書かれてある。
久保田光「・・・次はここだな」
ニヤリと笑う光。
〇一戸建て
表札に『錦戸』の文字。
光は電信柱の陰に隠れ、受信機のつまみとボタンをいじる。
——ピカッ・・・ゴロゴロ
久保田光「雷か。雨、降るかな・・・」
そのとき、イヤホンからノイズが走る。
「んーんーんー」
久保田光「・・・・・・」
久保田光「え、なに、今の」
——グチャッ
「んーんーんー!」
久保田光「な、なに!」
「パパパパーン、パパパパーン♪」
「パパパパーン、パパパパ♪ パパパパーン、パパパパッ♪」
久保田光「なんだ、これ・・・」
久保田光「・・・っ」
久保田光「・・・僕は、何も、聞いてない」
「助け、あ・・・」
久保田光「!」
久保田光「・・・いや」
ポケットを探る光。
久保田光「はあ、よし・・・」
〇一戸建ての庭先
久保田光「ん、何も見えないな・・・」
——ゴロゴロ・・・ピカッ
久保田光「・・・・・・」
久保田光「あ、ああ・・・」
光の口元から、こぼれ落ちる飴玉。
1話1話の分け方が上手ですね!続きが気になって仕方ありません!
絵も描かれてるのですか?すごいうまいですね、プロの方かしら?
他にないようなオリジナリティの高い物語ですごいです!
これからサスペンスでハラハラしますね😮