第四話 上司の裁判(脚本)
〇個別オフィス
上司(話って何かしら...)
〇オフィスのフロア
上司(あの子と一緒に呼び出された後、別室に案内されたし)
〇個別オフィス
部長「すまない、待たせたな」
上司「いえ、ところで要件は何でしょうか」
〇SNSの画面
部長「これに見覚えはないかね?」
上司(これは私のSNSアカウントどうして?!)
部長「仕事中に私用でSNSをいじっているとは いい度胸だね...」
上司「ご、誤解です。SNSでやり取りしている人も仕事関係の方でして、その、 遊びというわけでは...」
部長「遊びだったらまだよかったよ」
上司(えっ)
部長「証券取引等監視委員会からの君と取引先とのインサイダー取引の証拠の書類だ」
上司「え?インサイダー取引なんて!?」
部長「あのね、いくら仕事の取引先だからって 社外秘の情報を漏らしたらいかんだろう」
部長「しかもこの情報はホームページで公開するまでは社外に出さないように警告した情報だ」
上司「でも、私、株なんて...」
部長「株に興味なくても、利益を得てなくても、情報を洩らしたらインサイダー取引をした事になるんだよ!」
部長「君が今後どうなるかは社長と証券取引等監視委員会の対応次第だからね」
上司「...わかりました」
〇警察署の資料室
一方その頃
証券取引等監視委員会「あなたがケンジさんですね」
ケンジ「そうですが...調査に協力して欲しいとは」
証券取引等監視委員会「そう堅苦しくなくて大丈夫ですよ。 簡単な質問に答えるだけですから」
証券取引等監視委員会「ケンジさんや御家族は株のやり取りはされていますか?個別株とか投資信託とか」
ケンジ「いや、個別株はして無いですね。 NISAで投資信託は毎月買ってますけど。 家族も株に興味なさそうだしどうかな...」
証券取引等監視委員会「そうですか。 では〇〇デザイン会社が202×年に新規事業を立ち上げる予定は知っていましたか?」
ケンジ「確か叔母さんが言っていたような... SNSでも投稿していた気がするし、会社の景気良さそうだなと思いました」
証券取引等監視委員会「身の回りで〇〇デザインの株を買った方をご存知ですか?」
ケンジ「うーむ」
ケンジ「あ!」
ケンジ「ボクの叔母の事をSNSでフォローしていた課長が「〇〇デザインについて知ってる事を教えて欲しい」と尋ねてきましたね」
ケンジ「でも〇〇デザインについて何も知らなくてその会社に叔母もカノ...」
ケンジ「...知り合いもいたんですけどいい加減な事話すのは良くないと思ったので」
ケンジ「〇〇デザインについては話してないです」
証券取引等監視委員会(どうやら『彼は』嘘をついていない様だな)
証券取引等監視委員会「わかりました。ご協力ありがとうございました」
ケンジ(何だったんだろうあの人。部長から呼び出されて空き部屋に来たらいたけど)
ケンジ(叔母さんに何かあったのかな?)
ケンジ(あっ)
ケンジ「いけない、ツムギの事は諦めないと。 叔母さんが付き合わない方がいいって言っていたし」
ケンジ「ボクには新しい彼女ができたのだから」
〇アパートのダイニング
ツムギへ
本当にごめんなさい。実は別に好きな人ができて別れて欲しいんだ。それで......
鈴木ツムギ「遅すぎ、もう貴方の事なんてどーでもいいから」
1行だけ読んでそのまま着信拒否をしてそのメールをゴミ箱に捨てた
鈴木ツムギ「あー疲れた」
鈴木ツムギ「嫌な事は呑んで忘れよっと」
鈴木ツムギ(そういえばしばらくBARにいってないな...)
鈴木ツムギ「いろいろ片付いたらあの落ち着く店に行きたいな〜マスターに会いたいし」
〇黒背景
上司(私はちっとも悪くないじゃない。誰がこの事をチクったのよ!)
上司(考えられるとするならば...)
上司(あいつか?)
職場がらみの件は大事になりましたね!
どのような構図になっていたのか、全容が明らかになるのが楽しみです。逆恨みもありそうな気配ですね。。。