第9話 『マザー』(脚本)
〇東京全景
〇名門校の校門(看板の文字無し)
〇お嬢様学校
〇学校の廊下
???「・・・んしょ」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「なんだよ、もう・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「深夜の学校なんて 肝試しでも来たことないよ」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「なんなんだろ、あのオジサン」
〇黒背景
〇ビルの裏
ノイマン所長「あなたに・・・大事な話があるんだ」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「『大事な話』・・・?」
ノイマン所長「そう、あなたと・・・」
ノイマン所長「この『彼』に関わる・・・ね」
〇魔法陣のある研究室
〇ビルの裏
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え・・・!?」
ノイマン所長「知ってるかな、彼を」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「これ・・・先生!?」
ノイマン所長「先生・・・!? やはり彼を知っているのかね!?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「は、はい・・・友達のパパで、 私もお世話になってて・・・」
ノイマン所長「な・・・!!?」
ノイマン所長「パ、パパ・・・だと!?」
ノイマン所長「まさか・・・」
ノイマン所長「・・・」
ノイマン所長「その子は『ヨウタ』くん という名前では!?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え・・・そ、そうですけど」
ノイマン所長「なんと・・・! まさか生きていたとは!」
鳴海 イオ(なるみ イオ)(・・・? なんだと思ってたの?)
鳴海 イオ(なるみ イオ)「ていうか、よったんのことも 知ってるんですか!?」
ノイマン所長「『ヨッタン』・・・? そういう愛称か」
ノイマン所長「なるほど、キミたちはそれほど 親しい間柄というわけだ」
ノイマン所長「そうか、そうか・・・ わかってきたぞ」
ノイマン所長「となると、もしかして・・・」
ノイマン所長「ヨウタくんはキミに何か気になることを 言っていなかったかい?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え──?」
〇街中の公園
遥太(ようた)「もう、僕の前に現れないでくれないかな」
遥太(ようた)「それが・・・イオのためでもあるんだ」
〇ビルの裏
鳴海 イオ(なるみ イオ)「・・・」
ノイマン所長「何か、言っていたんだね?」
ノイマン所長「やはり・・・」
ノイマン所長「ククク・・・」
ノイマン所長「ハッハッハッハ!!!」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「えっと・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)(なんかヤベー人に関わっちゃったかな)
鳴海 イオ(なるみ イオ)「あの、それで・・・ 先生に何か用が?」
ノイマン所長「ああ、失礼! そう、彼とは古い友人なものでね」
ノイマン所長「久しぶりに『遠いところ』から 会いに来たのさ」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「あ〜、なるほど・・・?」
ノイマン所長「それにしても、あの彼が 『父親』とはな・・・」
ノイマン所長「10年もかけて親子ごっこか 合理的なキミらしくもない」
ノイマン所長「しかし、興味深いアプローチだ」
ノイマン所長「実に面白い・・・」
ノイマン所長「それだけに・・・ 本当に残念だよ」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え・・・?」
ノイマン所長「すまない、マザー・イオ」
ノイマン所長「『話』の続きはまた今夜にしよう」
ノイマン所長「深夜0時、 キミたちの通う学校で待っている」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「は?」
ノイマン所長「ヨウタくんが何を考えているか・・・ 私には答えてあげることができるだろう」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え・・・!?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「オジサン、いったい何者・・・」
ノイマン所長「おっと! 続きはまた今夜!」
ノイマン所長「それでは失礼!!」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え、ちょ・・・!!」
〇黒背景
〇学校の廊下
鳴海 イオ(なるみ イオ)「・・・怪しいオジサンだったな」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「何でノコノコ来ちゃってるんだろ、私」
〇土手
〇街中の公園
〇学校の廊下
鳴海 イオ(なるみ イオ)「よったん・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「よったんが何考えてるか 私にはわからないよ・・・」
〇おしゃれな教室
鳴海 イオ(なるみ イオ)「あの〜」
〇階段の踊り場
鳴海 イオ(なるみ イオ)「・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「どこにいるのかな?」
〇非常階段
〇黒背景
〇高い屋上
???「やあ・・・」
ノイマン所長「待っていたよ、マザー・イオ」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「ずっと気になってたんですけど・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「その『マザー』って何なんですか?」
ノイマン所長「・・・」
ノイマン所長「母なる原初の存在・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え・・・?」
ノイマン所長「科学史・・・いや、人類史に その名を刻まれるべき偉大なる母よ」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え〜っと・・・ ちょっと話が見えないんだけど」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「あの女の子にも『マザー』って 呼ばれたし・・・流行ってるの?」
ノイマン所長「女の子・・・?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「と、とにかく!!」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「『大事な話』ってなんですか?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「先生・・・絢斗さんとよったんに 何か用があるんですか?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「それならなんで私だけ こんな所に呼んで・・・」
ノイマン所長「・・・」
ノイマン所長「それは彼らを交えて話そうか」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え!? よったんたちも来てるの?」
ノイマン所長「ああ・・・」
ノイマン所長「ほら、ちょうど校舎に入ってくるところだ 下を見てごらん」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え、どこどこ?」
ノイマン所長「・・・」
〇お嬢様学校
〇高い屋上
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え、どこにもいなくない・・・?」
ノイマン所長「・・・」
ノイマン所長「キミの名は・・・」
ノイマン所長「後世まで永遠に語り継がれる」
ノイマン所長「『イオ・システム』・・・」
ノイマン所長「人類初の時空転移技術を 生み出したあの天才・・・」
ノイマン所長「彼がタイムマシンの『父』なら・・・」
ノイマン所長「幼い彼にそのきっかけを与えたキミは・・・」
ノイマン所長「さしずめ、タイムマシンの『母』」
ノイマン所長「すまない・・・」
ノイマン所長「決して無駄にはならないよ」
ノイマン所長「キミの『犠牲』は・・・」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え・・・? 何か言っ・・・」
ノイマン所長「人類と『あの子』のために・・・」
〇黒
死んでくれ
〇高い屋上
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え──?」
〇黒
???「うおおおおおお!!!」
〇高い屋上
???「はぁっ・・・はぁっ・・・!!」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「え・・・?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「せ、先生!?」
鳴海 イオ(なるみ イオ)(白衣・・・!?)
ノイマン所長「Mr.トキトウ・・・久しぶりだな」
ノイマン所長「10年分歳を取っても相変わらず・・・」
ノイマン所長「キミは私をイラつかせる天才だな」
絢斗「それはこっちのセリフですよ ノイマン所長」
絢斗「俺の跡を追っていると聞いて 何をしてるかと思えば・・・」
ノイマン所長「邪魔しないでくれ」
ノイマン所長「つらいのはわかるが 人類の未来のためにも・・・」
ノイマン所長「・・・すべてを正さなければ」
絢斗「やはりそういう魂胆だったか・・・!!」
〇低層ビルの屋上
エーファ「アヤトさん・・・」
エーファ「Dr.ノイマンは『シンギュラリティ』理論 のことを知りません」
エーファ「『歴史を変えることは不可能』・・・」
エーファ「彼があなたの跡を追って 行方不明となったのは・・・」
エーファ「それが実証される9年も前でしたから」
エーファ「もしかしたら 彼がこの時代に来たのは・・・」
エーファ「アヤトさんが変えようと している歴史を・・・」
〇東京全景
自分の手で『正す』ため・・・!
〇高い屋上
絢斗「こんな汚いやり方で『正す』だと・・・?」
絢斗「科学者が聞いて呆れるな!!」
ノイマン所長「・・・」
絢斗「誰かの犠牲の上にしか成り立たない 発展など未来とは呼ばない!!」
絢斗「そんなもの・・・!!」
絢斗「俺は・・・!!」
絢斗「この不条理を否定する!!!」
ノイマン所長「・・・」
ノイマン所長「やはりキミは歳を取っても青臭いままだな」
ノイマン所長「そうやって事あるごとに 不条理だ何だのと喚き立てて・・・」
ノイマン所長「正直・・・昔から不快だったよ」
絢斗「・・・行こう、イオ姉ちゃん」
鳴海 イオ(なるみ イオ)「う・・・うん」
鳴海 イオ(なるみ イオ)(姉ちゃん・・・?)
ノイマン所長「・・・」
ノイマン所長「なるべくスマートに 済ませたかったが・・・」
「・・・!!!」
ノイマン所長「死して『マザー』となれ」
〇お嬢様学校
ノイマン、そういう事でしたか…
まだ謎が多いので、次に行ってきます!💨
科学者というのは頭がいいだけにやはり自分の理論に固執、執着してしまうもの…なんでしょうか。とても緊迫感の伝わる回でした。
役者達が最後の舞台に集まりだしましたね!
ノイマン所長の暴挙をおさえイオ姉ちゃんを救えるのか⁈
遥太と絢斗の一挙手一投足が見逃せない!