偽りのトリアーダ

草加奈呼

エピソード12 ゴンドル族のお勉強(脚本)

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草加奈呼

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〇豪華なリビングダイニング
ポポロム「はい、リアさん。 あーん♪」
リア「あーん♪」
カルステン「・・・・・・」
リア「先生も、あーん♪」
ポポロム「あーん♪」
カルステン「・・・・・・」
リア「先生、頬についてますよ♪」
ポポロム「ああ、すみません・・・」
カルステン「おまえら・・・」

〇綺麗な一戸建て
「親の前でイチャイチャイチャイチャ するんじゃねぇーーーー!!!!!!!!」

〇本棚のある部屋
  その夜──
リア「先生・・・ お話ってなんでしょうか?」
ポポロム「リアさんは、赤ん坊の頃から ダニエルさん達に育てられましたけど、」
ポポロム「ゴンドル族の特性については、 ご存知ですか?」
リア「特性? 人間と耳が違う・・・とか、 そういう事ですか?」
ポポロム「耳もそうなのですが・・・」
ポポロム「1番厄介なのが、 アトラクター現象です」
リア「アトラクター・・・現象?」
ポポロム「やはり、ご存知なかったですか」
リア「すみません・・・」
ポポロム「いえ、謝る必要はないですよ」
ポポロム「ただ、知っておいた方がいい事なので、」
ポポロム「今から、僕と一緒に勉強しましょう」
リア「はい」

〇本棚のある部屋
ポポロム「アトラクター現象というのは、 ゴンドル族の異性同士が、 勝手に惹かれあってしまう事を言います」
リア「え、勝手に!?」
ポポロム「そうです。接近しすぎると、自分の意志と 関係なく、男女の関係になってしまう事があります」
ポポロム「ビジネス上の接近では、ある程度の緊張感を 持っているので大丈夫な人が多いですが、」
ポポロム「プライベートで自分の意志をしっかりと持っていないと、この現象が起きてしまいます」
リア「ええと・・・」
リア「もしかして、この間のお酒の時も・・・」
ポポロム「断言はできませんが、その可能性はあります」
リア「ちょ、ちょっと待ってください」
リア「もし、他のゴンドル族の生き残りがいて、 プライベートで近づくような事があったら・・・」
ポポロム「ええ、その通りです」
ポポロム「非常に危険な現象なんです」
リア「えぇぇええええ・・・」
ポポロム「あ、ちなみに、個体差はありますが、発症の 年齢時期は18歳前後から、50歳前後までと言われています」
リア「そ、そうなんですね・・・」
リア「でも、それじゃあ、ゴンドル族の夫婦や カップルは、浮気をしてしまうんですか・・・?」
ポポロム「そこです、いいところに気がつきましたね!」
ポポロム「実は、浮気や不倫を防ぐ方法があるんです!」
リア「そうなんですね、良かった〜」
ポポロム「その方法とは、“マーキング行為”です!」
リア「マーキング・・・?」
ポポロム「まあ、平たく言ってしまえば、」
ポポロム「身体の関係を持ってしまう・・・ という事ですね」
リア「あ、あ、あの、先生!」
ポポロム「はい、なんですか?」
リア「それって、手を繋いだり、キスでは ダメなのでしょうか!?」
ポポロム「ダメ・・・ではないのですが、 効果が薄いです」
ポポロム「しかも徐々に効果は薄れていくので、 定期的なマーキング行為が必要になります」
リア「ゴンドル族って・・・ 恐ろしい・・・・・・!!」
リア「な、なんでこんな大事な事、 今まで知らなかったんだろう・・・」
ポポロム「リアさんは、人間社会で生きてきました。 人間には関係のない事ですから、 学校でも学びません」
ポポロム「アトラクター現象は、人間に対しては起こりませんし、マーキング行為も、人間には効果がありません」
ポポロム「あくまでも、ゴンドル族同士の事なんです」
リア「でも、ゴンドル族の生き残りって、 私たち以外にいるのでしょうか・・・?」
ポポロム「少ないですが、実はいるんです」
リア「いるんですか!?」
ポポロム「見た目は人間と変わりませんし、 隠れて生きている方もいます」
ポポロム「実際、僕の勤めている病院にも、 ゴンドル族の患者さんはいるんですよ」
ポポロム「ゴンドル族の医者に診てもらいたい・・・ という方は、少なくないですからね」
リア「じゃ、じゃあ、私たちもその現象が 起きてしまう可能性が・・・」
ポポロム「大いにあり得ます」
リア「い、嫌です! 私、ポポロム先生以外の 人となんて・・・!」
ポポロム「僕も嫌ですよ」
ポポロム「だから、リアさん」
ポポロム「マーキング・・・試してみますか?」
リア「そ、そ、そ、それは、その! つまり、その!」
リア「とてもありがたいのですが、先生!」
リア「ロマンが足りません!」
ポポロム「そ、そうですね・・・」
ポポロム「すみません、僕はなんか・・・ 理屈っぽくて」
ポポロム「・・・リアさん」
ポポロム「おいで」
  ぎゅっ
ポポロム「ロマンは足りないかもしれませんが、 僕は、知識だけはあるので・・・」
ポポロム「たとえば・・・ここ」
ポポロム「こことか・・・」
リア「ふぁっ!?」
ポポロム「ふふ、ここなんかも」
リア「ふぁあっ!?」
リア「先生、遊ばないでくださいぃ」
ポポロム「すみません、 リアさんがかわいくて、つい・・・」
ポポロム「あと・・・」
ポポロム「名前で呼んでくれると、嬉しいです」
リア「・・・・・・」
リア「・・・ポポロム、さん・・・」
ポポロム「・・・はい」

〇本棚のある部屋
  私たちは、抱きしめ合い──
  そのまま夢のような時間を共にした。
ポポロム「リアさん・・・」
リア「・・・あっ」
リア(えっ・・・? なっ・・・)
リア(な に、こ れ・・・!?)
リア(比べたらダメだけど・・・)
リア(お兄様とも、テオとも全然違う・・・っ)
リア「・・・・・・・・・」
リア(・・・え?)
リア(なんで、テオが・・・?)
リア(・・・なんでテオが出てくるのっ!?!?)

〇黒背景
  姉さん────
  姉さん 大好き────

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コメント

  • ゴンドル族の出生率高そう

    記憶を取り戻して、いよいよ現実の多くの問題に向き合う必要が…。アルフ、テオがどのように立ち回るか…。

  • 「ロマンがない」が妙にジワりました笑
    リアが色々と思い出してしまいましたが、カールおじさんのおかげで場の空気も和み、私も和み……♡
    カールおじさん、サイコーです😆
    引き続き楽しませていただきますね!

  • いちゃらぶだ~、これ外で読めんやつ~、って思っていたらエグい!!Σ(゚口゚;
    これはエグい展開……。どこへ着地するんだ……。

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