異能力者の非日常物語

にーな

1、異能者(脚本)

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〇荒廃した市街地
  ──とある世界
   とある場所
  大きな流星が飛来した
  大きな流星は空中で分離し・・・
  幾つもの流れ星として別れ、世界各地へと降り注ぐ
  世界が流星の行方を追う中、“異能”と呼ばれる力を持つ者達が現れた
  火を操る者 風を操る者 水を操る者
  様々な異能者がいた
  人々はそんな異能者を恐れ
  迫害していった
  異能者は己を守る為に罪を犯し
  やがて 異能者は犯罪者という共通認識となった
  異能者は居場所を失い 人寄り付かぬ奥へと追いやられた
  そんな異能者の居場所となったのは二つ
  異能者で結成され 異能者の為に戦う
  ─反抗組織 リベレ─
  そして 噂として流れる逃げ場所
  ─来る者拒まず カーサ─
  此は そんなカーサで暮らす青年の物語

〇中東の街
  ザーザー
???「ん?あれは・・・・・・」
  バチャバチャ
少年「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
少年「だいじょうぶだ、アン。おれがぜったいにまもるから」
少女「コウ・・・・・・!あぶない!」
  バシャッ!!
男「逃げ回りやがって。さっさと来い」
少女「コウ・・・・・・!!」
少年「くそっ!!はなせ!!」
男「ぐっ!?」
「!?」
???「よっと」
???「悪いな。見てしまった以上、ご退場願わせて貰うぞ」
男「ぐっ・・・・・・ぅ・・・・・・」
???「大丈夫か?」
少年「あ、うん・・・・・・」
???「この辺はあーいうのが巡回してるから。もっと奥に隠れた方がいいぞ」
「・・・・・・・・・・・・」
???「それじゃあ、俺は此れで失礼させてもらう」
「あっ」
少年「ま・・・待って!」
???「ん?」
少年「おれたち、どこにいけばいいの?」
少女「わたしたち、いくばしょなんて・・・」
???「じゃあ、取りあえず一緒に来る?」
「え?」
???「俺は咲哉。よろしく」
少年「光・・・輝・・・」
少女「杏奈・・・」
???「だからコウとアンか。よろしく」

〇教会の中
咲哉「・・・・・・」
光輝「お、居た居た」
光輝「探したぞ、サク」
咲哉「ん、どうした?コウ」
光輝「今日の仕事の事でアンが話があるんだって」
咲哉「今日の・・・となると、荷物運びのか。了解」
光輝「俺はちょっと休ませてもらうわ」
咲哉「巡回明けか?朝までご苦労さん。それに、伝言させて悪かったな」
光輝「俺が行くって言ったんだよ。じゃあ、お休み」
咲哉「ああ、ゆっくり休め」
咲哉「二人が此処に来て、もう10年以上になるのか・・・」
咲哉「さて、俺も行かないとな」

〇豪華な客間
杏奈「・・・・・・・・・」
咲哉「お待たせ、アン」
杏奈「あ、サク」
杏奈「私こそ、呼びつけてごめんね?」
咲哉「いや、大丈夫」
咲哉「それで、用ってなんだ?」
杏奈「次の仕事の荷物運びなんだけど、その帰りなはちょっと寄り道して欲しいの」
咲哉「寄り道?」
杏奈「最近番犬の動きが活発になってる話でね。私達のセキュリティを突破出来るとは思わないけど・・・」
咲哉「念の為、警戒したいって事か」
咲哉「了解。巡回がてら周辺見てくるよ」
杏奈「ありがとう、サク」
咲哉「どーいたしまして」

〇城の廊下
瑞希「あ、サク兄さん」
咲哉「ああ、ミズ。おはよう」
瑞希「おはよう。朝からサク兄さんに会うなんてラッキー」
咲哉「そうか?」
瑞希「だって、サク兄さん忙しいからさ」
咲哉「そうでもないさ。今から仕事か?」
瑞希「うん。今日はちょっと遠出するんだ」
咲哉「そうか。番犬が活発になってるらしいから気を付けろよ」
瑞希「りょーかい。サク兄さんも気を付けてね」
咲哉「ああ」
咲哉「・・・此処も随分と人が増えた」
  カーサでは、多くの異能者が身を寄せている。その異能者達を養う為、敷地内で畑や動物を育てている。
  その上で、異能者だからこそ頼まれる依頼をこなし、俺達は生きている。

〇荒れた小屋
咲哉「ほら、言われた物持ってきたぞ」
「確かに。中は見てないな?」
咲哉「今更そんな真似はしないさ。俺達はカーサの迷惑になる事はしない」
「そうか・・・・・・もう一つの方は?」
咲哉「報酬も倍にして貰ったからな、受けてもいい。ただし・・・・・・・・・」
咲哉「あくまで俺個人。他の者に手を出したり、余計な事をしたりすれば・・・・・・俺の刃はお前達を切り裂く」
「わ、分かっている」
咲哉「ならいい。決行は夜だから、ゆっくり待ってな」
「相変わらず、異能者以外には恐ろしい奴だ」

〇中東の街
咲哉「やれやれ・・・人間と言うのは恐ろしいな。 平気で迫害している相手を利用するのだから」
咲哉「ん?」
咲哉「この音と気配は・・・」

〇中世の街並み
瑞希「全く、しつこい!」
楓花「ホントにそれ!」
花音「あ、あの・・・」
彰人「大丈夫。僕達が護るから」
文弥「いい加減、犯罪者は犯罪者らしくお縄につけ!!」
有彩「大人しく捕縛されなさい!!」
「お断り!」
「!」
咲哉「よっと」
静哉「・・・・・・来たか」
瑞希「サク兄さん!」
楓花「ラッキー!」
咲哉「もう大丈夫。後は任せておけ」
瑞希「お願いします!」
楓花「頼んだよ!」
彰人「この人が来てくれたから、もう大丈夫。さ、行こう」
花音「え?あ、は、はい」
咲哉「・・・さて」
静哉「・・・・・・・・・」
「っ!!」
咲哉「うちの子が大分世話になった様だし・・・・・・・・・」
咲哉「覚悟出来てるんだろ?」
文弥「くっ」
有彩「威圧が凄い・・・」
静哉「覚悟を決めるのは貴様の方だ」
静哉「番犬の名に懸けて・・・今日こそ貴様を捕縛する!」
咲哉「やれるもんならやってみろ・・・ってな」
文弥「咲哉の異能・・・水操作。ただ、其れだけの筈なのに」
有彩「空気中の水分を集めて武器に変えてしまうなんて・・・」
静哉「其れが奴だ・・・お前達は手を出すな。奴は私の獲物だ」
文弥「はっ」
有彩「分かりました、隊長」
静哉「貴様だけは、私のだ」
咲哉「そんなにお兄ちゃんに構って欲しいのか?」
静哉「黙れ!貴様を兄だと思った事はない!」
咲哉「まぁ、そりゃそうだ」
咲哉「異能者と対等に戦う為の特殊武器チェイサー・・・それでも、俺の方が上みたいだな」
静哉「ぬかせ・・・─────」
光輝「いつまで遊んでんだよ、サク」
咲哉「あ、コウ」
光輝「あ、コウじゃないって。もう保護したから、さっさと帰るぞ」
咲哉「りょーかい」
咲哉「じゃーな、隊長さん。また遊ぼうぜ」
静哉「・・・逃げたか」
静哉「私以外には捕まるなよ」

〇中東の街
光輝「撒いたな。ったく、すぐ遊びたがるんだから、サクは」
咲哉「悪い悪い」
光輝「本当に反省してるんだか・・・」
咲哉「コウが来たってって事は、あいつ等は大丈夫か」
光輝「ああ。無事に家に着いたよ」
咲哉「見知らない女の子を連れてたみたいだけど」
光輝「仕事帰りに番犬に狙われていたのを保護したそうだよ」
咲哉「・・・・・・・・・」
光輝「どうかしたのか?」
咲哉「いや、何でもない。帰ろうか」
光輝「・・・そうだな」

〇立派な洋館
瑞希「あ、来た来た」
瑞希「サク兄さん、コウ兄さん。おかえり」
咲哉「ただいま」
光輝「ただいま。例の子は?」
瑞希「アン姉さんに診て貰ってる」
咲哉「・・・・・・そうか。今日はお互いに疲れてるだろうし、挨拶は明日にしようか」
光輝「・・・・・・・・・」
瑞希「うん、お礼したいって言ってたし、明日でいいから会ってあげて。それじゃ」
光輝「・・・サク」
咲哉「ん?」
光輝「・・・・・・いや、何でもない」
光輝「お前も今日は早めに休めよ」
咲哉「・・・コウは勘が鋭い。気を付けないと」

〇英国風の部屋
咲哉「さて、もう一つの仕事に行くか」
咲哉「今日は早めに来そうだし」
光輝「サク?入るぞ」
光輝「サク、今日こそお前の・・・夜の・・・」
光輝「はぁ、また逃げられた」
光輝「いい加減、一人で危ない仕事するの止めて欲しいんだけどな・・・」

〇中東の街
「はぁ、はぁ・・・!」
「そんな、たった一人に・・・!」
咲哉「逃げても無駄。お前達密売組織を一人残さず全滅させるのが俺の仕事だから」
「ひっ、に、逃がして・・・」
咲哉「本当に愚かだな・・・・・・・・・俺に命乞いなんて、無駄に決まってるのに」
咲哉「これが、コイツ等が密売していた流星の欠片」
咲哉「大分集まってきた。そろそろ報告しないとな」
「・・・・早く、解放しないと」

〇黒
  第一幕 終

次のエピソード:2、カーサ

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