第二話・ブリつる(脚本)
〇女の子の一人部屋
地元の伯母さんからの電話だ。
伯母さん「ミチルちゃん、突然の電話でゴメンね~」
伯母さん「毎年バアちゃんが作っているイクラだけど 今年は無しになっちゃったんだよね~」
ミチル「えっ、バアちゃんに何かあったのですか!?」
伯母さん「バアちゃんはいつも通りに元気すぎるけど 問題は鮭のほうなのよね~」
伯母さん「ここ数年、鮭が不漁じゃない。 筋子もどんどん値上がりしちゃって・・・」
伯母さん「海流の関係だか、海水温の問題だか、 原因はよくわからないんだけど・・・」
伯母さん「さらに、売られている筋子の質が悪くて バアちゃんが嫌気さしちゃったのよー 魚屋さんで悪態ついて帰っちゃって・・・」
ミチル「バアちゃんらしいキレっぷりですね!」
ミチル「でも、今年のを食べられないのは ちょっぴり残念ですね・・・」
伯母さん「ミチルちゃん、バアちゃんのイクラを 毎年誰よりも楽しみにしているから、 すぐ連絡入れなきゃって思ってね・・・」
ミチル「あはは、バレちゃってましたか!」
ミチル「すごいショックですけど、 来年の鮭が豊漁になるのを願ってますね!」
伯母さん「うん、ごめんね~」
〇女の子の一人部屋
ミチル「えー、バアちゃんのイクラ、 今年は無しなんて・・・」
ここ数年、鮭の漁獲高は落ち込む一方
他の魚が豊漁という現象が起きている。
ちなみに、不漁なのは鮭だけでなく、
イカやサンマといったものまでもだ。
北海道の主要な魚が軒並み獲れない模様。
ミチル「はーぁ、テンション下がるなー」
ミチル「こういう時は憂さ晴らしにっ」
〇飲み屋街
そんなこんなで酒飲みの口実を得たところ
〇大衆居酒屋(物無し)
ミチル「んー美味しい! 今日はお魚のヤケ食いと決めているから、 やっぱり日本酒だよね!」
ミチル「今日は本醸造の冷酒にしちゃった。 単体では味が痩せた感じだけど、 お魚との相性がいいからね!」
そうして、日本酒で口を湿らせたところで
お店のスタッフさん「お待たせしました~」
お店のスタッフさん「ブリのタタキでございます~」
ミチル「んー、美味しそう!」
ここ数年、北海道の漁場において
鮭の代わりに豊漁なのは、
このブリなのだ。
ミチル「今の私からしたら、にっくき仇! 食い尽くしてやろうじゃない!」
ミチル「それじゃ、いただきまーす!」
ミチル「んー!!」
ミチル「久々のブリ、やっぱり美味しー! タタキにすると独特の臭いも引っ込んで 旨味が口の中いっぱいに広がってくる」
ミチル「これに合わせるのは・・・」
ミチル「後口スッキリ、食も酒も進んじゃう!」
ミチル「こんなに美味しいお魚なのに、 北海道じゃブリの知名度が低いんだよねー」
ミチル「この前、職場でブリの話をしたときも、 若い世代には食べたことがないって人が 多かったし」
ミチル「ハマチの成魚がブリというのも 知らない人ばっかりで衝撃だったなー」
ミチル「だからなのか、北海道ではブリは 「売れない」「高値がつかない」なんて 言われちゃうんだよね・・・」
ミチル「北陸では冬の定番のお魚で、 縁起物だったりするのに・・・」
ミチル「せっかく豊漁なんだから、 こうしてどんどん食べないと!」
ミチル「美味しかったー! ごちそうさまっ!」
「憂さ晴らし」という絶好の口実で、
ブリと日本酒を楽しむミチル。
翌日には一転、
やっぱりバアちゃんのイクラが食べたいと
愚痴っていたとか。
ブリ(´,,•﹃•,,`)美味しそう~
(語彙力がなくなります)
北海道でブリはたしかにイメージない…
というより富山のイメージが強すぎるんですよね。
きときと!
ぶりのたたき、美味しそう...🌟
ブリを生で食べたことないんですよね...
北海道の魚事情を勉強しながら、美味しい思いもできるって、最高じゃないですかぁ...✨