白い月の光

ましまる

恋の遁走曲(脚本)

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〇テーブル席
美由紀「ところでさー アンタは学生時代にバンドに誘われた ことはあるの?」
美由紀「アタシは鍵盤が弾けるから、キーボードで 誘われることが多かったんだけどさ。 ま、全部断ったんだけどね」
わたし「んー、あることにはあったのですが・・・」
わたし「それ以上に、 バンドっぽいことをしている人達から 目の敵にされることが多かったんですよ」
美由紀「えー、なんで!?」
わたし「それはですね・・・」

〇教室
バンドキッズ(笑)「クラシックなんて制約だらけ! 俺達は自由を求めて音楽をするんだー!!」
バンドキッズ(笑)「クラシック好きなんて、 大人に飼いならされたクズ羊に過ぎない!」
バンドキッズ(笑)「俺達にはルールは無用、 何にも縛られずに、 ただ自由に表現するんだー!」

〇テーブル席
わたし「・・・みたいな人からしたら、 クラシックを聴く存在自体が敵!?みたいな」
美由紀「あー・・・ 思春期を拗らせまくってるわね・・・」
美由紀「で、そんな輩には、 どうやって対応してきたの?」
わたし「はい・・・」
わたし「「何にも縛られない」って言っている 彼らのそのバンド編成がですね・・・」
わたし「どのバンドも全て決まって ヴォーカル・ギター・ベース・ドラム の画一的スタイルだったのですから、」
わたし「「一番ルールに縛られているのは 貴方達じゃないの?」と言うと、 だいたい涙目で逃げちゃってましたね・・」
美由紀「うわー、本当にアンタは 相手の痛いところをグリグリ突くわね・・」
美由紀「あんなモン、アイツらの憧れの対象が ビジネスで「反体制」してるだけなのに アイツらって本気で真似しちゃうのよね」
わたし「はい、「自由」を履き違えた 残念な輩としか見れませんでしたね」
わたし「なにせ「自由」と言っておきながら、 律儀に12音階を使っての音楽を しているのですから」
美由紀「それは流石に、12音階から逸脱するのは 難しいんじゃないの?」
わたし「いやいや、紀元前の中国では 1オクターブ内に60音階を見出して いたのですから、その気になれば!」
美由紀「それは流石に無理難題だから・・・」

〇テーブル席
美由紀「でもさー、そのバンドキッズ(笑)クンの 気持ちはわからなくもないのよね」
美由紀「現代音楽ならともかく、 バロックとか古い時代って、 様式が決まっていたりするじゃない」
わたし「はいはいっ、 サラバンドとかジーグとか、 アルマンドとかクーラントとかですね!」
美由紀「それそれっ! もう何が何だかって感じだから!」
わたし「確かに、理屈で説明しようとして 「〇拍子でアクセントの位置は・・・」 とは言えるのですが、 結構感覚的な話になりますよね」
美由紀「そうなのよ! おうどんを出されて、関東風と関西風とか 讃岐風とか九州風とか言われてるようで もうアタシは知らんって感じ!」
わたし「実際のところ、その喩えのようなもんです ある程度の違いはあるけど、 細かい部分は感覚的な理解になるので」
わたし「そういった要素を含む舞曲は、 どんな特徴か尋ねられたとしても 曖昧に説明してましたね・・・」
美由紀「アンタって、そんなのまで聞かれてたの!?」
美由紀「相手はやっぱり音大志望者とか?」
わたし「いえ、意外かもしれませんが、 文学少女系の人達からなんですよ・・・」
美由紀「へっ、何で!?」
わたし「彼女たちの読むライトノベル系の作品で、 タイトルや章タイトルとかに 舞曲名を使われることが多かったのです」
美由紀「「恋のフーガ」みたいに? ・・・てか、古っ!」
わたし「まあ、定番はロンド(輪舞曲、rondo) だったのですが、それ以外のものについて 高確率で私に質問してきましたね」
美由紀「あー、王子様が出てくる作品だと、 タイトルとかに舞曲名が入ると それっぽくなるものね!」
美由紀「その文学少女たちは、 そういった王子様とのラブストーリーを 好んで読むタイプだったの?」
わたし「はい、身目麗しい王子様と恋に落ちる 純愛小説とか、」
わたし「身目麗しい王子様が、 男共にバチクソにヤられるお話とかですね」
美由紀「へっ、ソッチ系!?」
わたし「はい、彼女達はイケメンの2人組を見ると 勝手に脳内で彼らの肉体関係を想像する タイプの輩だったのですよ・・・」
美由紀「そんなのまでが身近に!?」
美由紀「で、そんな音楽に縁遠い人に、 どうやって舞曲の説明をしたの?」
わたし「まあ、専門用語を使うと混乱しそうなので わかりやすい舞曲だけ説明していましたよ」
美由紀「わかりやすい舞曲って・・・ カノンとかフーガとか?」
美由紀「どっちも主題を追いかける形だから、 ある程度は理解できそうだけど。 フーガはちょっと複雑かな」
  【カノン】(追走曲,Canon,Kanon)
  提示された主題部に対して、他声部が厳密に模倣して追走する形式。
  代表的な作品として、
  パッヘルベル(Johann Pachelbel)の
  3声カノン "Canon in D" がある。
  【フーガ】(遁走曲,fuga)
  バロック期に J.S.Bach らによって
  確立された様式。
  主題部に対して別声部が応唱する形式はカノンと似ているが、応唱が反行・拡大・縮小など様々な形をとる。
わたし「それでも、音楽に日頃から触れていない 人にとっては難しいと思うので、 喩え話を使ってましたね」
美由紀「そりゃそうだけど・・・」
美由紀「アンタのことだから、 どーせ卑猥な例でも出したんじゃないの?」
わたし「いえいえ、ちゃんと文学少女達に合わせた 喩え話にしましたよ」
わたし「たとえば・・・」
わたし「カノンは、恋人同士の追いかけっこ。 2人は同じペースで走っているから、 ずっと等間隔で追い続けてしまっている」
わたし「フーガも追いかけっこだけど、 追う側がいろんな手段を使うこともあり 意外な展開を孕んでいることもある」
わたし「で、3人目、4人目のキャラが登場して 色々と複雑化するのは、 恋愛もカノン・フーガも同じ、って」
美由紀「何それっ!? アンタらしくないイイ喩えじゃない!」
わたし「んー、褒められているのか複雑です💦」
わたし「それで、実際に音楽を聴かせて、 その様式の理解を深めてもらいましたよ」
美由紀「やっぱり、パッヘルベルのカノン? アレってイイ曲だよねー!」
わたし「いえ、モーツァルトの "Leck mich im Arsch" です!」
美由紀「えっ、ソレってこの前話していた 「俺の尻を舐めろ」のヤツだよね!?」
わたし「はい、男声6声のカノンのスタイルだから 様式理解にはちょうど良かったですよ」
わたし「ただ、聴いていた文学少女達は皆そろって 「下半身丸出しの男6人が数珠繋ぎの姿」 を想像したみたいですよ!」
わたし「妄想力豊かっていうのも、 本当に困りものですね・・・」
美由紀「アンタ、絶対にわかってやっているよね!?」
わたし「イイエ、ソンナコトナイデスヨー!」
美由紀「そこで片言にならない!!」

次のエピソード:聖夜のキャロル

コメント

  • 言われてみれば、ボーカル、ギター、ベース、ドラムって思いっきり型にハマってますね😆
    確かにロンド、カノンとかラノベとかでよく見るイメージですね!
    今度は思春期男子ではなく、腐ってるタイプの人たちが相手だとそれはそれで妄想膨らませてきて強敵そうw
    下半身丸出し男6人が数珠繋ぎ、、、インパクト強すぎる😵

  • 久しぶりのクラオタトーク、面白かったです😆
    カノンとフーガをキャラクターと展開で例える想像力、わかりやすくて腑に落ちました🌟男女混合はカオスですね🤣

  • 今回は最初のジャブが弱めだったので、このまま逃げ切れるかと思っていたのですが、最後の強烈なアッパーに陥落です。
    文学少女ではなくBL好き強火腐女子に置き換えて読ませていただくと、トテモフニオチルハナシダトオモイマシター。

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