サンビタリア症候群

香久乃このみ

第八話 崩壊の足音(脚本)

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〇街中の道路
  ──あらすじ──
  信吾の目的は
  陽花を自分に依存するよう仕向け
  見捨てるというものだった
楠原陽花(はるか)(新作の数量限定サンド、買えてよかった)
楠原陽花(はるか)(今日はオフィスで食べよう)

〇オフィスのフロア
楠原陽花(はるか)(あれ?)
紅林信吾(しんご)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)(ヘッドホンで音楽聞きながら、お弁当?)
楠原陽花(はるか)(サラダチキンにブロッコリーに トマト・・・モデルの食事みたい)
楠原陽花(はるか)(ん? スマホに表示されてるのは、 TOEIC!? 音楽じゃない・・・)
紅林信吾(しんご)「何か用?」
楠原陽花(はるか)「あ、ごめんなさい、邪魔しちゃった?」
紅林信吾(しんご)「いや」
楠原陽花(はるか)「食事しながら勉強?」
紅林信吾(しんご)「習慣だからね」
楠原陽花(はるか)(昼に用事って、このことだったのかな)
楠原陽花(はるか)「ストイックなお弁当ね」
紅林信吾(しんご)「油断するとすぐ太る体質だからね。 知っているだろう?」
楠原陽花(はるか)「あぁ。 ・・・自分で作ったの?」
紅林信吾(しんご)「うん」
楠原陽花(はるか)「ふぅん」
楠原陽花(はるか)(誰かに作ってもらったんじゃないんだ)
紅林信吾(しんご)「弁当を作ってくれるような彼女なんて いないよ」
紅林信吾(しんご)「言ったよね、 僕はハルちゃん一筋だって」
紅林信吾(しんご)「・・・安心した?」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
紅林信吾(しんご)「そう言ってほしそうな顔してたよ」
楠原陽花(はるか)「!!」
楠原陽花(はるか)「別に、私は・・・」
紅林信吾(しんご)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)(お昼食べようっと)
紅林信吾(しんご)「ねぇ。 合コンでまた一人哀れな犠牲者を 生み出したって?」
楠原陽花(はるか)「誰がそんなことを?」
紅林信吾(しんご)「田所さん」
紅林信吾(しんご)「『楠原先輩が童貞狩りして  見事な一本釣り決めてましたぁ』って」
紅林信吾(しんご)「朝からあちこちで吹聴してたけど」
楠原陽花(はるか)(予想を裏切らなかった・・・)
楠原陽花(はるか)「好きに言わせとく」
紅林信吾(しんご)「事実と異なるなら、 訂正した方がよくない?」
楠原陽花(はるか)「誰が何を言おうと、人は自分の 信じたい人間を信じるものでしょう」
紅林信吾(しんご)「それで君は、自分を信じる人間の方が 多いと自信があるわけだ」
紅林信吾(しんご)「でなきゃそんな物言いはできないよ」
楠原陽花(はるか)「・・・思ってない」
紅林信吾(しんご)「そう」
紅林信吾(しんご)「で、実際のところは? 口説き落とした?」
楠原陽花(はるか)「下品ないじりをされていた人がいたから、 ちょっとフォローを入れただけ」
楠原陽花(はるか)「それ以上でもそれ以下でもないわ」
紅林信吾(しんご)「ふぅん」
楠原陽花(はるか)「あ」
楠原陽花(はるか)「文具フェスへのお誘いか、面白そう」
紅林信吾(しんご)「誰?」
楠原陽花(はるか)「セケルの人」
紅林信吾(しんご)「あぁ、合コン相手の」
紅林信吾(しんご)「それ、フォロー入れてやった人から だったりする?」
楠原陽花(はるか)「えぇ」
紅林信吾(しんご)「・・・・・・」
紅林信吾(しんご)(君にその気はなくても、 向こうは違うかもね)

〇空

〇渋谷のスクランブル交差点
小田真希也(まきや)「楠原さぁん、こっちこっち!」
楠原陽花(はるか)「小田君」
楠原陽花(はるか)「今日はお誘いありがとう」
小田真希也(まきや)「いえ、この文具フェス、 ぜひご一緒したいと思ってたんですよ!」
小田真希也(まきや)「工夫を凝らした世界中の文具が 集結してるので、色々参考になると思って」
楠原陽花(はるか)「確かにね。動画で解説する際にも、 知識がある方が有利だし」
小田真希也(まきや)「ですよね!」
小田真希也(まきや)「行きましょう、楠原さん。 時間がもったいない」

〇雑貨売り場
楠原陽花(はるか)「ドイツのものが今回特に目を引くわね」
小田真希也(まきや)「分かります」
小田真希也(まきや)「ドイツのは機能面を重視した結果、 優れたデザイン性に繋がっているのが いいですよね」
楠原陽花(はるか)「えぇ」
小田真希也(まきや)「それから・・・」
デザイン会社社員「あれぇ? 小田君?」
デザイン会社社員「本当だ、小田君も来てたんだ」
小田真希也(まきや)「あっ、会社のみんな」
小田真希也(まきや)「すみません、ちょっと行ってきます!」
楠原陽花(はるか)「え? えぇ・・・」
楠原陽花(はるか)「・・・・・・」
楠原陽花(はるか)(同伴者を放置して、知り合いと長話・・・)
楠原陽花(はるか)(ま、恋人でもないし束縛はできないか)

〇ビジネス街

〇オフィスのフロア
楠原陽花(はるか)「えっ、動画の仕事を 紅林君にバトンタッチ?」
木田部長「彼が多言語に通じていると知ってね。 なんと7か国語を使いこなせるらしい」
楠原陽花(はるか)(7か国語!?)
楠原陽花(はるか)「すごい・・・」
紅林信吾(しんご)「はは、それほどでも」
木田部長「彼に出てもらえば、翻訳の必要もなく 世界中に情報を発信できる」
木田部長「それに、市場に金を落とすのは 若い女性に多くてね」

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コメント

  • 前話に引き続き、しんちゃんの心情が気になりますね~✨はるちゃんにだいぶ執着してる😰
    合コンの男……もうカレシ気取りかな?それとも童貞の勘違い⁉️
    次話いきます✨

  • しんちゃん、動画の件で一瞬無言になったのが気になる〜。それは愛憎どちらなのか。
    え、もしかしてマキヤ付き合ってると思ってるの!? 前々回の最後でそういう話が裏であったのかなと思ったけど、陽花にその気全然ないやん!!😂 これ絶対修羅場になるやつ!!

  • シンちゃんの言動の端々から狂気が、、、日常会話をしているだけで背筋がゾッとするようになりました。。。刀展ですか、、余程のマニア同士じゃないと会話が盛り上がらないようなw(経験談)

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