エピソード8 留守番(脚本)
〇綺麗な一戸建て
今日は、ポポロムとカルステンが学会に
出かける日であった。
ポポロム「じゃあ、リアさん。 行ってきますね」
リア「いってらっしゃい」
リア「あっ、お父様、 ちょっと待ってください」
リアは、カルステンの頬に口づけした。
「うおっ!? ええっ!?」
リア「行ってきますのキスです」
リア「お父様も」
カルステン「あ、ああ・・・」
カルステンは、おそるおそるリアの頬に
口づけした。
カルステン(ダニエーール!! おまえ、なんてうらやま・・・ けしからんことを!!)
リア「久しぶりなので、恥ずかしいですね」
カルステン「そ、そうだな・・・」
カルステン(むしろ初めてだよ!!)
ポポロム「叔父さん、ずるーい」
カルステン「ずるーい、じゃない! 心臓持たんわ!!」
ポポロム「じゃあ、リアさん。絶対に、誰が来ても 開けちゃいけませんよ」
リア「わかりました」
ポポロム「ないとは思いますが・・・ テオさんが来てもですよ?」
リア「え・・・テオもダメなんですか?」
ポポロム「ダメです」
ポポロム「以前も言いましたが、テオさんは警察に 追われている身なんです」
ポポロム「匿ったりしたら、リアさんも共犯になって しまいますからね」
ポポロム「では、いってきます」
リア「いってらっしゃい・・・」
〇豪華なリビングダイニング
リア「テオが警察に・・・」
リア(先生から聞いた時は信じられなかったけど・・・)
リア(ニュースにまでなっていたから、 もう、信じざるを得ない・・・)
リア(でも、 もしテオが助けを求めていたら・・・)
リア(私は、ちゃんとテオを正しい道に・・・ 導く事ができるの・・・?)
リア「誰だろう・・・?」
リア「どちら様ですか?」
「ああ、リアちゃん。あたしよあたし。 隣のばあばよ」
〇シックな玄関
リア「おばあちゃん、どうしたの? 今日はお父様はいないんだけど・・・」
女性「昨日、忘れ物しちゃったのよ。どこかに、 ハンカチ落ちてなかったかしら?」
リア「そういえば────」
リア「はい、おばあちゃん」
女性「ありがとうねぇ。 リアちゃん、1人でお留守番なの?」
リア「ええ。今日は、先生もお父様も学会で──」
女性(お父様・・・ねぇ・・・ かわいそうに・・・)
リア「どうしたの、おばあちゃん?」
女性「いいえ、なんでもないわ」
女性「後で、おやつの時間になったら お菓子でも持ってきましょうかね」
リア「わあ、嬉しい。 私も、お茶を用意しておきます」
リア「・・・あっ、 今日は誰も入れちゃダメなんだった」
女性「まあまあ。 リアちゃんは不用心ね」
リア「でも、おばあちゃんなら大丈夫です」
女性「じゃあ、2時ごろにもう一度来るわね」
リア「はい、お待ちしてます」
リア(隣のおばあちゃんなら・・・いいよね?)
リア「あれっ? おばあちゃん、また忘れ物かな・・・?」
リア「おばあちゃん────?」
テオドール「姉さん、久しぶり──」
リア「テオ!?」
リア「どうしたの? よくここがわかったわね」
テオドール(・・・・・・あれ?)
テオドール(俺があれだけ傷つけたのに──)
テオドール(なんで、そんなに笑って・・・?)
テオドール(俺が、こわくないの・・・?)
テオドール「姉さん、傷の具合はどう?」
リア「傷?」
リア「傷って、何のこと?」
テオドール(覚えて──ない?)
テオドール(ショックで忘れちゃった・・・?)
テオドール(ふーん・・・)
テオドール(まあ、いいや)
テオドール(忘れてるなら、好都合だよ)
テオドール(そういえば姉さん・・・ スマホ番号変えてるんだよね・・・)
テオドール「ねえ、姉さん 俺、スマホ忘れちゃった」
テオドール「兄さんと連絡取りたいから、 姉さんのを貸して?」
リア「えっ? お兄様と連絡を取るの・・・?」
テオドール「うん」
リア「テオ、実はね、私はテオと会っちゃ いけないってことになってるの」
リア「だから、お兄様に連絡を取るのは、 ちょっと・・・」
テオドール(ちぇっ・・・ 騙されないかぁ〜)
リア「本当は家にも入れちゃいけないのよ。 でも・・・」
リア「テオ、あなた一体、何をしたの・・・?」
テオドール(疑いの目・・・)
テオドール(姉さんから、はじめての・・・)
テオドール(いいなぁ・・・。 今度は、優しくできるかな・・・?)
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テオ…。ぬるっと侵入してきた…。
絶体絶命…。もはや今のリアの状態が思ったよりテオの琴線に触れないことを祈るしか…。
いや、一人にしたらアカンでしょ!😂
せめてばあちゃんにでも一緒にいるよう頼んでおいてくれー!
ひぇ……Σ(゚口゚;
サイコパス来た……!!