エピソード3(脚本)
〇教室
キラ「私はとてもかわいい」
キラ「まあ端的に表現して「顔がいい」」
キラ「(キラッ☆)」
キラ「ほら、な」
アイリ(ウチは今、どのタイミングでキラを殴るべきか考えてる)
キラ「しかも成績優秀スポーツ万能、加えて生徒会副会長」
キラ「非の打ち所がない完璧美少女。それがこの私、郡山綺羅(こおりやま キラ)」
アイリ(ここ、だな)
キラ「痛い」
キラ「なぜ殴る 私は真実を語っているだけなのに」
アイリ「ごめん我慢できなかった」
キラ「アイリ、いくらお前が私やレナより顔が悪いからってそう僻むなよ」
アイリ「いやまあ僻んではないけども」
アイリ「純粋に腹がたったというかなんつーか」
アイリ「てか顔の話ならウチも中の上くらいの可愛さあるっしょ」
アイリ「(アイリーン♪)」
キラ「下の中」
アイリ「聞こえたよね、友情に亀裂が入る音」
アイリ「もっかい殴るぞ!?」
キラ「情緒不安定だな」
アイリ「気になってた男子のLINOのトプ画が彼女とのツーショになってました、篠宮愛梨(しのみや アイリ)です」
キラ「n回目の失恋か、かわいそうに」
アイリ「自然数ぅ・・・」
キラ「それより今日はレナはどうした」
アイリ「それな、ウチも知らん」
キラ「また男子から告白されてたりしてな」
アイリ「・・・・・・『また』?」
キラ「しまった、これオフレコか」
アイリ「なになになに、あの子そんなしょっちゅう男子からアプローチされてるわけ?」
キラ「隠しても仕方ないだろうから言うが、その通りだ」
アイリ「あんな初心な感じで、清楚で、静かなツッコミするレナが」
アイリ「大人しくて、性欲のかけらすら見せない純真そうなあのレナが」
アイリ「・・・恋愛に貪欲なウチよりモテるの、フツーに禁止カードでしょ」
キラ「禁止もなにも恋愛にリミットレギュレーションは無い」
アイリ「神様は何も禁止なんてしない、ってコト?」
キラ「そも「顔がいい」からな、私とレナは 異性から好感を抱かれやすい」
キラ「私だってたまに交際を申し込まれる程度の能力を持つぞ」
アイリ「うっそでぇ」
キラ「毎回断ってるだけだ 他人から向けられる性欲ほど気持ち悪いものはないだろう」
アイリ「パンツ食うやつに気持ち悪いとか言われたないわ」
キラ「美少女のパンツが主食、郡山綺羅です」
キラ「具体的には顔の良さランク中の上以上の18歳以下の女子」
アイリ「具体的に言われると吐くほどキモい」
アイリ「てか基準あったのね、どうりでウチのパンツには手を出さないわけだ」
アイリ「人生敗者だもんな・・・・・・とほほ・・・・・・」
キラ「でも恋愛はしたいんだろ?」
アイリ「恋愛のその先にある性的行為に興味があります」
キラ「正直は美徳なんだが、どうしてこう汚れて見えるのか」
「ふふ、君たちおもしろいね」
アイリ「お、お前は隣のクラスの『白騎士(ヴァイスリッター)』、サトウ!?」
キラ「いや誰だよサトウ」
アイリ「サトウ知らないとかあり得ねー! 学年一のイケメンで、しかも『白騎士』なんだよ!!」
サトウ「サトウです」
キラ「サトウはなぜ白騎士なんだ?」
サトウ「『白騎士』になれば全体バフと全体デバフが同時に使えるスキルが開放されるんだ」
キラ「倍率はいかほど」
サトウ「バフが攻撃5%増、デバフが防御継続10%減(カード不可)」
キラ「つっっっっっよ」
アイリ「え、てかさサトウ何でここ来たん? ウチに用とか?」
サトウ「はは、用があったのはいつも君たちといる黒髪ボブカットの娘だったんだが」
サトウ「いないみたいだね」
キラ「ああ、あいにく席を外してる」
サトウ「すまない、邪魔をした 失礼するよ」
アイリ「・・・・・・・・・」
アイリ「マジかよ」
キラ「気があるんだろうな、『白騎士』も」
アイリ「ウチのキープがひとり消えちゃった」
キラ「キープできていたと思い込んでいらっしゃるか」
アイリ「ねね、ぶっちゃっけさ」
アイリ「ウチがモテないの何でだと思──」
キラ「顔」
アイリ「はっ倒しますわよ?」
アイリ「もう顔はいいの別に 顔以外、改善できるところ!!」
キラ「・・・・・・・・・」
キラ「敢えて言うなら、そうさな」
キラ「・・・・・・私と仲が良いから、だと思う」
アイリ「え、なんでそれがモテない理由になるんスかセンパイ」
キラ「センパイじゃないが教えよう」
キラ「はっきり言って私は変態だ その上美少女で勉強もスポーツもできる高嶺の花」
キラ「そんなやつとしょっちゅうつるんでる女子と関係を持ちたくない──と思う男子が多いんじゃないだろうか」
キラ「私たち3人が集まり始めて、これでもレナが男子に声をかけられる回数は減ったらしいし」
キラ「アイリというより私が避けられている、というわけだ」
アイリ「寂しいことを言いおるなお主」
キラ「モテたいなら簡単だ、私を捨てればいい」
アイリ「・・・」
アイリ「じゃー別にモテなくてもいいや」
アイリ「ウチらズッ友でしょ」
キラ「・・・」
キラ「なんかいい話風になってしまったな」
アイリ「いい話だったじゃん、風じゃなく」
キラ「しかし、レナが遅い」
アイリ「どうしたんだろね、まさか体育倉庫で」
アイリ「フラッチなことでもしてんじゃないの!?」
キラ(不埒とエッチが交尾してしまってるな)
キラ「もうしばらく待って、来なかったら先に帰るか」
アイリ「おけ、LINOしとく〜」
〇高い屋上
一方その頃、屋上では──
火の精イフリート「シュァァアアアアアアア!!」
レナ「こ れ は 本 当 に ど う い う こ と ! ?」
レナ「うわぁっ、ちょ、アツいアツいアツい!!」
レナ「なんで!!どうして!!」
サトウ「ちぃっ、遅かったか!」
レナ「だ、誰???」
火の精イフリート「ヴァジャジャジャ・・・」
サトウ「俺は隣のクラスの『白騎士』──中村・ヴァン・サトウ」
サトウ「君の、君だけの騎士だ・・・・・・!」
レナ「えぇ・・・」
サトウ「さあかかってこい、イフリート!」
火の精イフリート「グヴゥゥルルルガアッシュァァア!!」
レナ「・・・・・・・・・」
レナ「・・・もう嫌だ」
レナ「あのー、中村くん、わたし帰るから!」
サトウ「うおおおおっ」
火の精イフリート「グギュルァァアッッッッ!!!!」
レナ「・・・」
──つづく!!