初色の(脚本)
〇水中トンネル
マリエ「キレイ! 可愛い! これ、割れたりしないの?」
大惨事じゃん、ないない。
マリエ「あ、何あれ変なのがいるわ?!」
えっと・・・シュモクザメだって。
もしかして水族館も初めて?
だから寄りたいってこと?
マリエ「そうよ! 動画でエア水族館体験はしたけど!」
わお。
・・・じゃあ、うん、よし。
〇ラーメン屋のカウンター
マリエ「へえ、これがラーメン屋さん?」
ああ近い近い、作ってる邪魔に・・・
ならないか。
マリエ「ねえ、オーダーが入ってから作るなんて 本格的なのね?」
んん? うん、本格的? かな? うん。
ああ湯切りの腕が透けてる、ウケる。
店員さんもゾクゾクしてるみたいだから
こっちで大人しくしててよ。
マリエ「はーい」
あ、食べれないじゃん・・・ごめんね。
マリエ「いいのよ、死んだらお腹空かないし 食べなさい?」
じゃ、はい、いただきます。
マリエ「ウフフ」
〇ゲームセンター
マリエ「なあに?! ここはどこ?!」
ゲーセンですよ、ゲームセンター。
マリエ「思ってたのと違うわ! ヤンキーがたむろしてない! ギャルが床に座ってない!」
マリエ「明るい! 清潔! ああこれはヌイグルミを取るのね?!」
まあ平日昼間だから学生はいないし、
そのイメージは絶妙に古いし、
そうですヌイグルミです、やりたい?
マリエ「ふんっ」
代わりに動かすから指示して?
マリエ「ふんふんっ」
〇映画館の座席
マリエ「映画館なんて何十年ぶりかしら?」
タイミング的に怪獣映画しかなくて
ごめんね。
マリエ「私、怪獣とか戦うの好きよ? 嬉しい!」
そうなの? 意外。
まあ楽しいと思うよ、大人でも。
マリエ「あ、始まるわ、ウフフ・・・あら?」
マリエ「・・・なあに?」
4Dだよ。
座席動くし風来るし匂いもするよ。
マリエ「・・・今は・・・現代は そんなに凄い事になってるのね?」
これ、3Dメガネは持っててあげるから
覗いてみ?
マリエ「・・・楽しいわ・・・!」
マリエ「・・・か、怪獣が存在してるわ・・・」
うふふふ。
〇占いの館
マリエ「占いなんて想像もつかないわ・・・」
占い師「ようこそ、何を占いましょう?」
じゃあ私の将来をお願いします。
フワッとで良いので全体的に
成功か失敗か、みたいな。
占い師「かしこまりました、それでは・・・」
占い師「・・・失礼ですが、あなたは・・・ いいえ、何でもありませんでした・・・」
はい? はい。
占い師「・・・あなたは・・・確実に成功します」
やったー、普通に嬉しい。
占い師「これまで通り努力を怠らず・・・ いえ、やはり何かおかしいですね?」
はい?
占い師「あなたの運命は大きく波打つように ねじれています」
占い師「悪い意味ではなく、良い方へ こう・・・グイッと直角に向いたような?」
・・・はい?
占い師「申し訳ありません、 私もこういった運勢を見るのは初めてです」
・・・はあ、なるほど。
占い師「とにかく物凄い勢いの『何か』に 憑かれているのか護られているのか・・・」
占い師「あなたの未来は真っ白に光り輝いています それこそ見えないほどに」
そうですか、心当たりがあります。
ありがとうございました。
占い師「・・・さ、寒気が?!」
ああすみません、笑ってるので出ます。
・・・占いというかアナタは本物ですね。
正直そっちの方がビックリです。
占い師「はあ、ありがとうございます」
失礼しまーす。
〇大衆居酒屋
さーて晩ご飯だ、お腹空いた。
あっという間だったね、今日一日。
カンパーイ、いただきまーす・・・あっ。
マリエ「そうね、楽しくて一瞬だったわ! 気にしないで召し上がれ!」
はい、いただきます。
すみませんまた一人で・・・。
居酒屋も初めてかなって思ったんだけど。
マリエ「無いわ! ドラマでは見た事ある!」
ホントもうガチお嬢様だよね。
息苦しくなかった?
マリエ「知らなければ自分が息苦しい状況だなんて 分からない物よ でもね・・・」
マリエ「高校生の時に一度だけ冴島を巻いて 喫茶店に入ったのよ」
え? 冴島さん?
そんな長い付き合いなんですか?
スゴいっすわ。
マリエ「学校へ送迎するだけの新卒の運転手、 冴島も油断してたし私も舐めてたわ そんな時代もあったの」
なんで喫茶店?
そんなに行きたかったの?
マリエ「同級生の男の子が連れ出してくれたの ユキノと一緒よ、 『息苦しくないか?』って・・・」
そっか・・・もしかしてその同級生は?
マリエ「・・・夫よ」
うわー、出たよー。
さりげなくノロけられたー、ヤバーい。
初恋ってやつじゃーん?
ウケるー。
マリエ「・・・ウフフ」
むふふ。
マリエさん、可愛いー!
ガチお嬢様だと、こういったものも全て新鮮に映るのでしょうね。占いのくだりは終始笑ってしまいましたw